神尾楓珠
演じさせてもらえることが当たり前ではないと思うようになった
2015年に俳優デビューして以降、ドラマ『いちばんすきな花』『すべての恋が終わるとしても』、映画『パリピ孔明 THE MOVIE 』など、話題作に次々と出演し、役者としての地位を確立してきた神尾楓珠さん。仕事への向き合い方が変わってきたという彼に、現在の心の内を率直に語っていただきました。
映画『キングダム 魂の決戦』のサブタイトルにちなんで……これまでの人生のなかで、“魂をかけた決戦”に挑んだことがあれば教えてください。
決戦ですか!? うーん、たぶん僕、あんまり挑んできてないんですよね……。でも、役を演じるときには魂を込めなきゃいけないし、場合によっては(魂を)削らなきゃいけないと考えると、この仕事がそうなのかなと思います。
そのなかでも、とくに魂をかけたと思える作品は?
最近だと、『PJ~航空救難団~』という自衛隊を舞台にしたドラマでは、ホントに心身共に削られながらやっていました。自衛隊というのは、国を守り、命を救うのが仕事です。役としてとはいえ、そういったことに向き合う時間は、とても貴重だったなと思います。僕は訓練生役だったのですが、学生がみんなで力を合わせてやっていく……1人だったら絶対に乗り越えられない訓練とかもあるので。仲間がいることの強さみたいなものを、身をもって感じました。
それは、役者の仕事にも通ずるところはありますか?
あると思います。やっぱり、1人で向き合うのには限界があるので。作品も1人で作るものではなく、それぞれが力を合わせないと作れないので、そういったことをあらためて実感する現場でした。
役者仲間やスタッフさんからこれまでにもらった言葉などで、ご自身の支えとなったものがあれば教えてください。
言葉というよりは、役者仲間の存在そのものが刺激になっています。一つひとつの作品に真剣に向き合っている姿などを見ると「自分もがんばらなきゃ!」と思います。共演した作品で意見を交換し合うときなども、その時間のおかげで、より深く作品を理解できたりするので。
昨年のWebインタビューを拝読したところ、「仕事への向き合い方が変わった」とおっしゃっていたのですが、具体的にどのように変わったのでしょうか。
単純に、歳を重ねて視野が広くなったという感じです。この仕事には色々な人が関わっているというのを知るにつれて、自分がそこで演じさせてもらえることが当たり前じゃないんだと。仕事を始めた頃は、そんなことを考える余裕が全然なくて、とにかく自分が楽しむことや演じることばかりに目がいっていました。それが今は、色々なところに目を向けられるようになったかなと思います。なので、仕事への向き合い方も変わったと感じたのかなと。
そう感じられるようになったのは、とくにきっかけがあったわけではなく?
20歳くらいまでは、全然そんなふうに考えられなかったけど……22、23歳の頃からですかね。もう、ホントに徐々にというか。
以前、FASTにご登場くださったときと同じ質問をするので、回答をアップデートしていただけますか。2020年に、「今までに演じた役or観た作品のなかで、好きなセリフ」を伺っているのですが、今ならどうお答えになりますか?
えっ、なんだろう!? そのとき、なんと言っていたっけ?……今、パッと出てきたのは、ドラマ『顔だけ先生』ですね。僕が演じる遠藤一誠が、死にたいと言っている生徒に「死にたいと思いながら生きていけばいいんです」と言うシーンがあって。その言葉には当時、ハッとさせられた記憶があります。
ハッとさせられたというのは?
死にたいと思うことを否定するのではなく、そう思ってもいいんだと肯定してあげて。だけど、やっぱり生きていてほしいんだという気持ちもちゃんと伝えられる言葉だなと。
ちなみに当時の回答は、ドラマ『アンナチュラル』の「なにが遊びか、もうわかんないよ」でした。
あー! そうですね。そのセリフも、今でも印象に残っています。
神尾楓珠
かみお ふうじゅ
1999年1月21日生まれ。
最近の出演作にドラマでは、フジテレビ系『ブラックトリック〜裁きを操る弁護人〜』(‘26)、テレビ朝日系『すべての恋が終わるとしても』(‘26)、テレビ朝日系『PJ〜航空救難団〜』(‘25)、映画では、『ベートーヴェン捏造』(‘25)、『かくかくしかじか』(‘25)、『パリピ孔明THE MOVIE』(‘25)などがある。また、2027年には、NHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』への出演も控える。
撮影では、ブラックスーツに身を包んだ神尾さんの息をのむほどクールで色気あふれるカットの連続に、現場一同見惚れてしまいました。また、「演じさせてもらえることが当たり前ではない」という言葉に、神尾さんの深みと誠実さが凝縮されているようで、改めてその真摯さに胸を打たれるインタビューでした。お久しぶりのご登場、ありがとうございました!
ⓒ原泰久/集英社 ⓒ2026映画「キングダム」製作委員会
作品タイトル:『キングダム 魂の決戦』
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉・原泰久
音楽:やまだ豊
主題歌:米津玄師「夜鷹」(Sony Music Labels Inc.)
出演:
山﨑賢人
吉沢亮 橋本環奈 清野菜名 満島真之介 岡山天音
志尊淳 神尾楓珠 結木滉星 三吉彩花 三山凌輝 山下美月 / 蒔田彩珠
山田裕貴/坂口憲二
豊川悦司
髙嶋政宏 要潤 加藤雅也 高橋光臣 平山祐介 一ノ瀬ワタル 佐久間由衣 勝矢
坂東彌十郎 橋本さとし 笹野高史 谷田歩 中村蒼 田中圭 斎藤工
玉木宏/佐藤浩市
小栗旬
原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
配給:東宝 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:奥山信次
スタイリスト:寒河江健(Emina)
インタビュー:林桃
記事:林桃/相澤花菜