安井謙太郎
映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』
現場で生まれた“死神×可愛らしさ”の化学反応とは―
映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』
<あらすじ>
江戸を舞台に、傀儡師(人形遣い)の息子であり死神遣いの探偵・久坂幻士郎(鈴木拡樹)と死神・十蘭(安井謙太郎)の姿を描く。幻士郎のもとにある女の捜索依頼が舞い込み、さらに吉原の遊廓で“遊女連続殺人事件”が発生したことで物語は展開していく…

十蘭 × 安井謙太郎
十蘭の設定は、主人公の幻士郎の父親の代から仕える500年以上生きている死神。父親と違って、チャランポランなところがある幻士郎に呆れモードで淡々としているキャラクターです。十蘭としては、現世が平和だろうが何でもいいんですよね。むしろ人がいっぱい死んでくれた方が死神としてはいいくらい。でも、物語が進んでいくにつれて幻士郎の正義感だったり人を思って自分を犠牲にするとこだったりに十蘭自身も惹かれていくんです。
“死神”を演じる上で
意識したことはありますか?
演じる時、すごく不思議な感覚でした。十蘭のなかではそもそも人間はみんな一緒なんですよ。「死ぬなら死んでもらった方がいい」という感覚で過ごしていて。幻士郎に対しても最初に「早く死んでくれよ」と言うんです。「バディものの作品ではなかなかないセリフだよな」と思いました(笑)。監督にも、「最初は幻士郎との心の距離が縮まっていないほうがいい」と言われていたので、初めから相性抜群!呼吸バッチリ!というよりは、噛み合わない部分や十蘭が少し引いて幻士郎を見ている部分を意識しましたね。徐々に幻士郎に惹かれていく、その心情の変化の表現は難しかったです。

初めての人間以外の役。いかがでしたか?
十蘭は500年も生きているので、わたわたしないようにゆったりと動いて、歩き方や所作などの身のこなし方から落ち着きが出るように意識していました。十蘭が500年生きてきた歴史を視覚的にも感じられるように演じていたかな。あと、十蘭は普段傀儡人形の中に入って持ち運ばれているので、人形姿の時のアフレコにも挑戦しました。人形に入っている時は自分で動けないじゃないですか。なので周りに巻き込まれて飛ばされたりしちゃうんですよ(笑)。そういった十蘭のマスコット的な可愛さを声で表現するために、本体の時の十蘭の声とは変化をつけました。現場でも途中から十蘭が可愛いキャラになってきて(笑)。それは現場の空気感のなかで生まれた一つのキャラクター設定でしたね。
十蘭は死神ですが、
もし安井さんが人とは違う能力を持てる
としたらどんな能力がいいですか?
ずっと思っているのは“どこでもシャワーを浴びられる能力”。一瞬でシャワーを浴びた後の感じになりたい。夏に仕事場まで歩いて、汗をかいちゃった時も一瞬でリフレッシュ!みたいな(笑)。

冬の京都での撮影。
撮影中のエピソードは何かありますか?
「京都の冬はすごい!」と聞いてはいたものの、ここまでだとは思わなかったです(笑)。撮影初日、何も防寒せずに行ったら寒すぎて…。僕の衣装は幸いなことに、首元が詰まっていてパンツもワイドなものだったので、撮影所近くの衣料店に直行して上から下までインナーを全て揃えました(笑)。それで臨んでからはだいぶ平気になったんですけど、拡樹くんは裸足にわらじ、おまけに首元も空いている衣装で撮影に挑んでいたので「すごい、プロだな」と思いましたね。
そんな寒さ厳しい京都ですが、
観光はできましたか?
2日間くらいオフがあったのでプチ一人旅をしました。奈良県の天河神社に行きたくて、一人でレンタカーを借りて一時間半くらい運転して行ってきました。一人旅…めっちゃ楽しかったです(笑)。知らない土地で冒険してる気持ちになれてすごい気持ちよかったな~。一人で遠出ってあまりしたことがないので自分の中でも新鮮でしたね。

謙太郎’s Highlight
「新たな挑戦を見届けて」
十蘭は、僕自身「あ、こんな感じなんだ」と思うくらい、皆が思い浮かべるような死神とは違ってスタイリッシュなビジュアルイメージになっています。加えて、本体バージョンと人形バージョンのある一人二役ともとれる新しいキャラクター。“可愛らしい死神”というのも新しいと思いますし、自分にとっても今までにないような新たな挑戦だったので、そこはぜひ見どころとして注目して欲しいです。舞台にも続く作品ですので、出来れば両方観ていただいてより楽しんでいただければと思います。
『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』’s Highlight
「重なり合うことで生まれる“魅力的”な作品」
ちょっとダメで頼りない主人公が物語を通して頼りになる男になっていく…そして事件を解決する…というような、いい意味でシンプルな作品。その中で死神のバディがいたり、ヒーローもののような豪華なCGシーンがあったりと今までにないようなポイントが入っている作品でもあります。時代劇というのを軸においているので、時代劇ならではの殺陣や風貌も楽しんでもらえるはず。京都の撮影所では、実際に時代劇を作っている方たちと撮影させていただきました。ヒーローもの、バディもの、時代劇、それぞれのいいところが集まって上手にミックスされていると思います。そして、このプロジェクト自体が東映さんが新たにやっている「ムビ×ステ」という試み。今の時代っぽくて面白いプロジェクトだと思っています。出演者も多方面から集まっていて、ミックスにミックスが重なることで見えてくる魅力があるんじゃないかな。子供さんでも観れるような作品になっているので、ぜひ、いろんな世代の方に楽しんでいただけると嬉しいです。

安井謙太郎の #おうち時間
#身支度をしてみる
家にずっといると毎日休みな感じがしちゃって…。何にもする気が起きず、「あれ?人間としてちゃんと生きてる?」と憂鬱になってくるというか…(笑)。なので、家でも身支度をするようにしました。朝起きて、顔を洗って歯を磨いて、眼鏡じゃなくコンタクトをつけて、寝癖を直して、洋服も着替えて…と支度をちゃんとするようにしたら、気持ちが全然違う(笑)!「何かしよう」という気持ちになれるんです。同時に、普段の忙しい日々や時間が大切だったんだと気づかされました。家の中でも「自分から動いて行動しよう」と思うのは大事だと思って、ここ最近はすごい断捨離しています(笑)。とりあえず、まだまだ断捨離は続きそうです。
#最近観た映画
#『42 ~世界を変えた男~』
黒人選手として初めてメジャーリーガーに挑戦した人の話。厳しい人種差別をされてしまうところから話がスタートするんですけど、彼が真摯にプレーをする姿を見せていくことでどんどんと彼への態度がチームメイトを筆頭に変わっていく…といったストーリーです。「真摯な思い、真っすぐな気持ちは人に伝わるんだ」と思うことのできた映画でした。
<作品情報>
『42 ~世界を変えた男~』(2013年)/ 監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド

#好きな異性の部屋着
#Tシャツワンピース
長いTシャツ素材のワンピースがいい!ちょっと薄手で身体のラインが見えるのが希望です(笑)。
#理想のおうちデート
#2人で料理
2人で料理を作りたいな~。僕は料理が出来ないながら手伝って、彼女に「(切った野菜)全然大きさ違うじゃん!」と怒られたりして(笑)。普段怒られることがないと怒られたくなってくるんですよ。年上の人に怒られるのもいいですし、年下の人に怒られるのもそれはそれでまたいい(笑)!

安井謙太郎
やすい けんたろう
1991年7月21日生まれ。
智将として先手を読み、瞬発的に表層を変えるアイデンティティで弾を繰り出し続ける28歳。
映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』
2020年5月29日(金)ロードショー
監督:柴﨑貴行 脚本:須藤泰司
出演者:鈴木拡樹 安井謙太郎 崎山つばさ / 鈴木絢音(乃木坂46)など
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』
2020年7・8月 東京・大阪・福岡・広島にて上演
脚本・演出:毛利亘宏(少年社中)
出演者:崎山つばさ 安井謙太郎 陳内将 など
詳細は公式HPにて(http://shinitsuka.com/)
※Item Credit
Pants:タイラー マック ギリヴァリー /¥25,000
Pendant:ドニー/¥12,000
全てオリエンス ジャーナル スタンダード シブヤ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
スタイリスト:カワセ 136
ヘアメイク:金田紗世子(MAKE ON)
ディレクション:町山博彦・半澤暁
インタビュー・記事:満斗りょう