兵頭功海
火曜ドラマ『未来のムスコ』
みんなのこだわりが詰まった総合芸術のような作品
人気コミック「未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!」が原作のTBS系火曜ドラマ『未来のムスコ』が、好評放送中です。ヒロイン・汐川未来の止まっていた恋が動き出すきっかけとなり、物語と視聴者を翻弄していく3人の“まーくん”候補の1人、矢野 真を演じている兵頭功海さんに、共演者の印象や撮影エピソードなどを伺いました。

©TBSスパークル/TBS
<あらすじ>
主人公・汐川未来(志田未来)は、“定職なし、貯金なし、彼氏なし”の28歳。長年、俳優という夢を追い続けるも、いまだ日の目を見ることなく、バイト生活を送っている。ある夜、未来がいつものように、ひとり暮らしの部屋でレモンサワー片手に自分の将来を案じていると、激しい雷鳴とともに突如現れたのは、未来のことを「ママ」と呼び、汐川颯太(天野 優)と名乗る男の子。未来と自分のパパである“まーくん”を仲直りさせるため、2036年の未来からやってきたという。にわかには信じられない出来事に戸惑いながらも、未来は幼い颯太を一人にはできず、奇妙な共同生活をスタートさせる。未来の夫・まーくんとは一体誰なのか!?

火曜ドラマ『未来のムスコ』に出演するにあたり、原作をお読みになったそうですね。
原作を読んでいるときに、何度も何度も心に刺さる瞬間があって、涙なしには読めないくらい、とてもメッセージ性のある物語でしたし、いろんな方のいろんな共感のしかたがある作品だと思いました。そんな、あったかくてやさしい世界に生きていけるのが、すごくうれしかったです。
そのうえで、脚本を読んだときの感想を教えてください。
さらに、それを人が演じるように落とし込まれた脚本も読んで、志田未来さんが未来を演じることによって、どんなふうになるんだろうと思いました。原作の矢野真はこういう感じだったけど、人が演じるヤノシン(矢野真のあだ名)になると、こういう話し方をして、こういう言葉を選ぶんだなとか。自分の役だけではなく、いろんな役に対していろいろなことを思う瞬間がたくさんあって、撮影がより楽しみになりました。

兵頭さん演じる真は、どんなキャラクターですか?
原作を読んだときは、クールやミステリアスというイメージはなくて、どちらかというと、すごくストレートで大胆な行動をとる、アツい人というイメージだったんですが、3人の“まーくん”のなかでは、真は、クールでミステリアスな後輩劇団員という立ち位置になり、そこはちょっとギャップを感じたというか、“あっ、こういう描き方になるんだ”と思いました。ただ、人間がフツーに生きていて、みんなの前で「好きです!」って、まっすぐに言うことってあまりないですよね。だから、そんな行動をしながらも、なにを考えているかわからない部分がミステリアスに映るのかなとか、いろいろと考えました。
真に共感できる部分はありますか?
あります!すっごく!第1話で、真が未来にカイロを渡すシーンがあったんですけど。真が未来に「高校生役のオーディション、通りました」と報告したときに、「矢野くん、まだ23(歳)か。若いなぁ」と言われたときの、好きだけど好きと言えない……というか、相手にされていない、みたいな感覚。たとえば、中学1年生が3年生の人に恋をしたり、小学生のときに先生のことを好きになったり、背伸びをしてどうにかアクションを起こしたいと思う、その瞬間の行為が、真にとってはカイロを渡す行為だなと思ったんです。

なるほど。
そんなふうに背伸びをしたくなるところには、すごく共感できます。僕にそういう具体的なエピソードがあるわけではないのですが、なんとなくわかります。真が未来に対して憧れを持ちつつ、自分を変えてくれた未来に対してどういうアプローチをしていくのか?その過程も、すごく好きで、ステキだなと思います。
そのカイロを渡すシーンが、兵頭さんにとって初日の撮影だったとお聞きしました。
いや、そうなんです!やっぱり、実際に動いてみないとどんな感じかわからないので、ドキドキしました。僕が志田さんとの初めてのお芝居で、手が触れるシーンでもあったので、緊張というより、ラブストーリーとしてのキュンキュンというのが大きかったです。

第5話で、ついに真が未来さんに告白しましたね!
いや~、めっちゃ難しかったです。未来は、真にとって自分の人生を変えるきっかけになった人だと思っています。未来に声をかけられたことで、結果的に劇団に入ることになったわけだし、そんな人に「好き」と伝えるのって、劇団内での関係性が変わってしまう可能性もある。それでも抑えられずに出てしまった言葉なんだろうし、「まだ若いね」と言われてしまっている人に対しての告白って、ホントに一生懸命だろうと思います。だから、あらためて気を引き締めてというか、想いを込めた言い方で「好きです」と伝えようかなと思っていたんですけど、演出の井村(太一)さんから、「真がコーヒーが好きなのと同じように“好き”と言ってほしい」と言われたんです。
それは、どういったニュアンスなのでしょうか。
真はコーヒーが好きで、劇中に、真がコーヒーを淹れるシーンが何度かあるんです。それをおいしそうに飲んでいる未来を見て「好きです」と言うのですが、「コーヒーが好き」と言うのと同じくらい、さらっと流れるように言ってほしいと。それは、僕のなかにはなかった解釈だったんですけど、“なるほど。だから、あの瞬間にフワッと言っちゃったんだな”と思えたんです。でも、それをその場で理解して表現するのはやっぱり難しくて。完全に整理ができないまま、井村さんの言葉を信じて演じました。まだ完成したものを観ていないので(取材時)、どんなシーンになっているかわからないのですが、井村さんによって魔法にかけられたようなシーンになっているのかなって、ドキドキしています。

どのシーンでも結構ですが、“このシーンは、実は裏でこんなことが!”のような撮影秘話があったら教えてください。
ちょっと待ってくださいね。今、(記憶を)辿っています……あっ、じゃあ、第2話にします。寝ている未来に、真が毛布をかけてあげるシーンがあるのですが、台本では、真が自分のコートをかけることになっていたんです。でも、本番で急遽、ソファに置いてあったブランケットをかけるように変わったんです。なぜかというと、その前に、颯太が未来さんにブランケットをかけてあげるシーンがあって。それとリンクしているので、“えっ、2人が同じ行動をしてる!真がまーくんなの!?”という。監督やプロデューサーさんが考えてくださった演出によって、まーくんっぽさを感じさせるシーンに生まれ変わりました。
主演の志田未来さんをはじめ、共演者の方の印象を教えてください。
志田さんは、やっぱり長いキャリアを積まれているので、さすがだなと思う瞬間がいっぱいあります。お芝居がステキなのはもちろんですが、いろんなことへの対応力や、共演者さんとの距離のとり方もすごく上品で、みなさんのことをリスペクトしているのがいろいろな場面で垣間見えるんです。劇団員(役)のみなさんは、いい意味で共演者じゃない感じがするというか、仲間みたいな感覚があって。まったく気を遣わずにいられることに、感謝しています。
吉沢将生役の塩野瑛久さんとは共演経験がありますが、今回の現場で新たに発見した一面はありますか?
やっぱり、すごく考えている方だなと思いました。同じシーンや、劇団員について話すことも多いので、よりそれを感じる瞬間が多かったです。撮影現場以外でも、2人でカフェで話し合ったりもしましたし、今回、彼は劇団の座長という役どころなので、撮影外でも引っ張ろうとしてくれていて、その姿を見て、頼もしく感じます。僕が支えられたらいいなと思いつつも、役どころとしては僕が一番若い劇団員なので、支える立場ではない気もして。だから、一緒に話し合いながら、いいシーンを増やして、いいドラマになったらいいなと。僕も微力ながら、そのお力添えができたらなと思います。

©TBSスパークル/TBS
颯太役の天野 優さんがムードメーカーとなり、温かい雰囲気の現場のようですね。
もう、元気なんですよ、あの子(笑)。スゴいエネルギーで、ホントに積んでいるガソリンが僕と違いすぎます。でも、関わったすべての人をハッピーにしてくれるパワーを持っていて。それは、子どもだからとかじゃなくて、もともとそういう存在なんだろうなって感じます。数日前に、やっと一緒のシーンがあったんです。寝かしてあげるシーンだったのですが、「本番!用意!」の声がかかるまで、ずっと目を開けて変顔をしてきたり(笑)。でも、「スタート!」の瞬間にコテッと寝るんです。もう、天才だと思いました。
まさに天才子役。
はい、天才子役いる!と思いました。子どもって、寝ると重くなったように感じるじゃないですか?それも、本番でちゃんと力を抜いて、ズシッと体重をかけるんです。それを感覚でやっているのがスゴいし、ホントに恐ろしいです。今までにも様々な天才子役がいたと思うんですけど……志田未来さんもそうだし、神木隆之介さんもそうだし、そういった方々のように、天野 優くんも今回のドラマでスターになって、大人になっても活躍し続けてほしいと思います。同時に、僕はそんなことを言っていられる立場じゃなくて、負けじとがんばらないといけないなと気が引き締まります。

本作の内容にちなんで……未来にとってレモンサワーが一番のご褒美ですが、兵頭さんにとってのご褒美はありますか?
ご褒美かー。えーっ、なんだろう……がんばったときに、欲しいものを買うとか?
たとえば、1つの作品が終わったら、自分にご褒美をあげるという人もいますよね。
いますね。それ、すごくいいなと思って。友達の綱(啓永)とかもそうなんです。あんなにたくさんの作品に出ていたら、破産しない!?と思うんですけど(笑)。でも、それで“また次、がんばろう!”と思えると言っていたので、すごくいいなって。それは、やってみたいです。

まだ、やったことがない?
何回かやったことはありますけど……去年は、そこまで立て続けに(作品を)やっていたわけじゃなかったので。でも、『未来のムスコ』が終わったら、なにか自分にご褒美をあげたいと思います。といっても、なにが欲しいとかはないんですけど。
物欲は、あまりないのですか?
いや、あります。めっちゃあるんですけど。一番欲しい物をこれから考えます。
いよいよ『未来のムスコ』も佳境に入ってきますが、楽しみにご覧になっている方へメッセージをお願いします。
主演の志田未来さんをはじめ、キャスト、監督、スタッフも、すごくステキな人たちが集まっていて、いい作品を作ろうという熱量がスゴい現場です。第1話を観たときに、自分たちが出演しているから内容もわかっているのに、“こんなにいいドラマになったんだ!”とビックリさせられたんです。それくらいみんなのこだわりが詰まった、総合芸術のような作品になっています。これから物語が進むにつれて、どんどんどんどん盛り上がっていくと思うので、ぜひ最後まで観てください。もちろん、まーくんが誰なのかというところも予想しながら、この作品が伝えたいメッセージを受けとってもらえたらうれしいです。

兵頭功海
ひょうどう かつみ
1998年4月15日生まれ。
インタビューではドラマのことから目標まで色々お聞きしましたが、質問に対して合間に、「FASTさん本当にコアな、いろんな角度から聞いてくれますよね!」とおっしゃっていただき、質問を考える側が本当に嬉しい言葉をストレートに伝えてくださる兵頭さんでした。インタビューが終わって少し雑談をスタッフと交えても、ずっと変わらない兵頭さんで、優しく素直な素敵なお人柄でした。取材自体が終わっても退出される最後まで振り返ってお辞儀をしてくださり、最後まで細やかな姿がとても印象的でした。後編では役作りの準備についてのお話しや2月から行われるカレンダーお渡し会イベントについてお聞きしております。お楽しみに!
最近の出演作に、テレビドラマでは、読売テレビ・日本テレビ『私の知らない私』(‘25)、テレビ東京『五十嵐夫妻は偽装他人』(‘25)、TBSテレビ『毒恋〜毒もすぎれば恋となる〜』(‘24)、日曜劇場『下剋上球児』(‘23)映画では、『BADBOYS -THE MOVIE-』(‘25)、『ブルーピリオド』(‘24)などがあり、2026年3月27日『鬼の花嫁』の公開も控えている。

上記はドラマのメインビジュアルが入る予定でございます。
©TBSスパークル/TBS
TBS系火曜ドラマ『未来のムスコ』
毎週火曜よる10:00~10:57
©TBSスパークル/TBS
※Team Credit
カメラマン:八重樫ケイン
ヘアメイク:牧野裕大(vierge)
スタイリスト:TOKITA
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿
