岡田将生
ドラマ『1122いいふうふ』
センシティブな役と内容だからこそ、現場で話しあう時間を大切に
渡辺ペコさんの人気漫画『1122いいふうふ』が実写ドラマ化され、現在Prime Videoで世界独占配信中です。「婚外恋愛許可制」を公認している結婚7年目の一子(いちこ)と二也(おとや)夫婦が、自分たちだけのベストな夫婦のあり方を模索する本作で、高畑充希さんとW主演を務めている岡田将生さんがFASTに初登場!岡田さんが演じるのは、文具メーカーの社員で、家事や料理が上手く穏やかな性格の「おとやん」こと相原二也。作品の魅力や役作りについて、じっくりお話しいただきました。
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<あらすじ>
結婚して7年になる相原一子(高畑充希)と二也(岡田将生)。二人とも30代半ばになり、今の自由で穏やかな生活は心地よく、一子の性欲は「凪」状態で二也との性生活は2年もストップ。夫婦仲はいいし、言葉でコミュニケーションがとれていれば、体の関係はなくてもいいと思っているうちに、すっかりレスに。そんな中、二也は趣味の生け花教室で出会った美月(西野七瀬)と恋人同士の関係に。そのことは一子も知っており、夫婦公認の家庭外恋愛が始まった。
原作を読んだ既婚の男性からは『妻に読ませたくない』、女性からは『夫に読ませたい』という声があるそうですが、岡田さんはどんな感想を持ちましたか?
夫と妻、どちらの目線も描かれていて、夫婦の強い繋がりや絆も作中でしっかり描かれているので、ご夫婦やこれから結婚を考えていらっしゃる方はもちろん、そうでない方にも、ぜひ見てもらえたらいいなと思って演じていました。
ネット上では、一子(妻)との約束より、不倫相手との情事を優先した二也に対して、原作ファンの方から「おとやんクズだね」という声もあったようですが……。
二也が読者の方にどういう風に見られているんだろうなと思ったので、僕もそのコメントは見ました。もちろん二也がした行為に関しては僕も共感はできません。でも、一子と二也には夫婦間にきちんとルールがあって。それは世間が思うものは違うかもしれないけれど、二也は2人の間にできたルールに添ってああいう行動をしたと考えると、それはそれで夫婦のあり方としてありなんじゃないかなって思うんです。なので、それを「クズ」という2文字で済ませてしまうのはどうなんだろうなということは、少し考えましたね。
一見すると「ただのダメ男」にもみえそうな二也ですが、岡田さんが少しチャーミングっぽさを出して演じているように見えました。その辺のバランスは意識されましたか?
そこのバランスはとても考えました。多分やり方によっては、二也は本当のクズになってしまう気がして。原作や台本を読んでいても、二也のチャーミングさを求められているなと感じたので「こいつだったら許せちゃうかな」っていうギリギリのラインのキャラ作りをしたいと自分の中で決めていました。「こういう感じでやろう」と考えていたことを今泉監督と高畑(充希)さんとも共有して、みんなで“二也のいい感じのライン”を探していました。
高畑充希さんとは今作が初共演でしたが、事前にお2人で話し合いの場を持たれたとか。
この役に関しては、事前に話し合うことが必要だなと思いました。この2人の空気感をすぐに出すには、会って話をする機会を持ちたいなと。高畑さんも同じように考えてくれていたので、この作品の話をしながら「どう思った?」「こう思った」みたいな話し合いを撮影に入る前の段階でできたことは、結果としてプラスに働いたと思います。
今泉監督も交えてお食事されたこともあったそうですね。
3人で初めてご飯を食べにいったのですが、その時は今泉さんが一人で3時間くらい話してくださって、僕と高畑さんはほとんど話さなかったんですよ(笑)。
今回はキャストの人数も少なかったので、より密に作っていかないといけなかったですし、現場の指針になるのは監督なので。今泉さんの人間性も含め、どういうものに興味があって、こういう風にこの作品を作っていきたいと思っているのかは、その時にすごく分かりました。
でも、その時は高畑さんとほとんど話せなかったので、監督のお話はもう少し短い時間でもよかったなぁと(笑)。でも、それはそれで笑い話になる感じもどこか二也っぽさがあったので、自分の中で腑に落ちた感覚はありました。
原作への印象が男女で違うことについて、高畑さんと話し合ったことはありますか?
その話もしました。僕は二也が「あれ? もしかして、俺クズなのでは?」って自分で気づけたということは、意外とクズじゃないと思っているんです。きっと本当にクズの人は自分では気づかないですよね。そういう所も含めて「僕は二也をこういう風に演じていこうと思っています」という話を高畑さんにしたら「すごくいいと思う」って言ってくれて。
同様に、一子をどういう風にやるのかということも重要なところでした。一子ちゃんほど難しい役はないと思ったし、始めは受け手だったけど自分から行動して、その関係性にちょっとひびを入れなきゃいけないシーンが作中で結構あったので、そこは慎重に、センシティブにやっていこうという気持ちはお互い共通点としてありました。
現場でも、いろんなタイミングで話す時間を作ることはすごく大切にしていたので、やりにくいと思う瞬間は1度もなかったですし、スタッフも含めてとても好きな現場でした。
岡田将生
おかだ まさき
1989年8月15日生まれ。
ピシッと締めた赤いネクタイとかっこいいワイシャツに身を包んで登場された岡田さん。背丈も高くとってもお顔が小さいので、初めてお会いしたスタッフは驚きを隠しきれなかったです。イベント前にお時間をいただいたこともあり、少し急足ではありましたが、その中でも終始丁寧にとても気さくにスタッフともコミュニケーションをとってくださるお姿に、テレビなどで拝見する余裕のある大人な岡田さんのイメージはそのままでした。岡田さんの溢れ出る優しさもあり和むような撮影のお時間となりました。
後編では、岡田さんのプライベートなお話を伺っております。お楽しみに。
最近の出演作に、テレビドラマでは、NHK連続テレビ小説『虎に翼』(‘24)、TBS『不適切にもほどがある!』(‘24)、映画では、2024年8月24日公開予定『ラストマイル』(‘24)、『ゴールド・ボーイ』(‘24)などがある。
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友達みたいに仲はいいけど、セックスレス。
妻が夫に提案した「公認不倫」から始まる、ふたりのラブストーリー
妻・ウェブデザイナーの相原一子(高畑充希)。夫・文具メーカー勤務の相原二也(岡田将生)。セックスレスで子供がいなくても、友達のようになんでも話せて仲の良い夫婦。でも本音では、家族でもセックスしたい二也。家族だし、そういう気分になれない一子。だから一子が二也に提案したのは、「婚外恋愛許可制」。そして二也には妻公認の恋人ができた。だけどなんだろう、このモヤモヤは・・・。
「1122 いいふうふ」(全7話)
原作/渡辺ペコ「1122」(講談社「モーニング・ツー」所載)
脚本:今泉かおり 監督:今泉力哉
出演:高畑充希 岡田将生
⻄野七瀬 高良健吾
吉野北人 中田クルミ 宇垣美里 土村芳
菊池亜希子 内田理央 芹澤興人 前原滉 橋本淳
市川実和子 片桐はいり 森尾由美 宮崎美子/成田凌/風吹ジュン
主題歌:『i-O(修理のうた)』スピッツ(Polydor Records)
企画・プロデュース:佐藤順子 製作・著作:murmur 制作プロダクション:Lat-lon
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:小林麗子/ Reico Kobayashi
スタイリスト:大石裕介 / Yusuke Oishi
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿