本島純政×上村謙信(ONE N’ ONLY)
ドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」
「僕らにとってこの作品は……」
11月4日にスタートし、放送回を重ねるごとに話題になっているドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」。二人の男子高校生が不器用ながらも互いに関わりを深め、人として成長していく様子を丁寧に描いています。そんな本作で、他人に無関心な優等生・水無瀬仁を演じる本島純政さんと、破天荒なクラスの問題児・蛭川晴喜を演じる上村謙信さんに、演じるうえで意識した点やこれまでの撮影を振り返った思い出、お互いに助けられことなどを伺いました。
Ⓒ「未成年」製作委員会
<あらすじ>
蛭川(上村謙信)は真島(堀家一希)が引き起こした万引き事件の罪をかぶり、停学処分となってしまう。水無瀬(本島純政)は蛭川の潔白を教師に訴えるが、全く取り合ってもらえず、蛭川からの連絡も途絶えてしまう。一方、蛭川は停学処分を聞きつけた父・正彦(オクイシュージ)からの罵詈雑言と暴力に耐えながらも、初めて反抗する姿勢を見せ、タイミングを見計らって家を抜け出していた。その日の夜、塾から帰る途中で、いつもの公園に入っていく蛭川の姿を見つけた水無瀬は、ようやく会えた蛭川から「また学校に戻るつもり」だと聞いてほっと胸を撫でおろし、再び自分の家で映画を観る約束を交わす。しかし夜中にかかってきた蛭川からの電話で水無瀬は衝撃の事実を聞き―――。
Ⓒ「未成年」製作委員会
毎話の放送後にSNS上でも話題になっていますが、視聴者の方々からの反響をどうご覧になっていますか。
本島純政(以下、本島):見終わった後に「次回の話が楽しみです」といったありがたい声をたくさんいただけることはすごく嬉しいです。しかも、水無瀬や蛭川の細かいところまで見てくださっていて、例えば「この時の蛭川のグラスの持ち方が好き」とツイートしている方もいて「そんな細かいとこまで見ているんだ」と思いました。みんなで一緒に同じ作品を見ているんだという感覚があります。
上村謙信(以下、上村):蛭川はいきなり水をかぶったりするような「謎」の部分があったので、僕は最初、視聴者の方を置いてけぼりにしちゃうのかなと勝手に思っていたんです。だけどみなさんすぐに「この時はこういう感情だよね」と、理解度が早くて。原作を読んでいらっしゃる方が多い可能性があるにしても、みなさんの作品や役への理解力が僕らが思っている以上に高かったし、届いていることが実感できて安心しました。
昨今は数多くのBL作品がありますが、その中でも今作の魅力をお二人はどんなところに感じますか?
本島:どのBL作品も面白いところがあると思うのですが、やっぱり今作は二人が「未成年」というところにあると思います。割と早い段階から二人の距離が縮まったり、キスシーンがあったりするんですけど、ドラマタイトルにあるように、未熟というか不器用な二人にがちょっとずつ一段階ずつ距離を縮めていく展開が丁寧に描かれていると思います。
これは水無瀬の視点ですが、過去のモノローグが今後の展開にもからんでいくところがあるので、10話まで見終わった後にもう一度1話から見直したくなる、何度見てもまた違った視点で見ることができる作品であるのも魅力のひとつだと思います。
上村:「未成年」はとても繊細さがある作品だなと感じています。純政が演じる水無瀬の感情と、僕が演じる蛭川の感情のひとつひとつがとても丁寧に描かれていて、「未成年」ならではの二人が抱えているもの、それぞれが置かれている場所や立場、そういうところから「じゃあ、どうしていくのか」と二人の感情を見ても面白いんです。見ている方々も「今何を考えているんだろう?」と気になって、考察したくなるようなところが素敵だなと思います。あとは映像の質感です。今作は2018、19年ごろを描いているので、少しノスタルジックな雰囲気もあって、フィルム映画を見ているような感じなんです。なので、映画好きの方も惹かれるんじゃないかなと思いますし、今までBL作品をたくさん見ている方も、まだあまり触れたことがない方でも、純愛なラブストーリーとして楽しめると思います。
原作の水無瀬はわりとモノローグが多かったですが、ドラマではその心の声を表情などで表現されていますよね。その辺のお芝居の仕方で何か意識されたところはありますか?
本島:意識したのは「伝えすぎない」ことです。水無瀬は感情をあまり表に出さないタイプの人ですが、水無瀬が感じる戸惑い・せつなさ・嬉しさ・ドキドキの表情への出し方を作品全体で考えて、グラデーションをつくることを大事にしていました。最初に全話のプロット案をいただいたので、物語全体として水無瀬の感情がどう変化していくかを監督からアドバイスをいただきながら臨んでいました。
Ⓒ「未成年」製作委員会
上村さん演じる蛭川も繊細さのある役どころですが、その感情の機微を表現されるうえで難しかったことはありますか。
上村:ワンシーンを撮るごとに、蛭川が今どういう思いでいるのかを考えていました。彼の家庭環境や学校で水無瀬と二人きりの時、ほかの友達といる時など、蛭川の感情は全部違うので、そこのギャップも面白いなと思うんです。だからこそ、その感情を間違えないようにしたいと思っていました。撮影は最初から順を追ってできないので、今日撮る回の段階ではどういう気持ちがあるのか、そういうこともすごく考えて撮影に臨んでいました。
撮影中、お互いに助けられたことや刺激を受けたことはありましたか?
本島:僕が謙信に対してフラットに話せるのは、やっぱり謙信のおかげだなと思うんです。現場やこういった取材の場で、謙信が「気を遣わなくていいよ」という雰囲気を出してくれるから、僕も役としてちゃんと接することができたので、本当に謙信のおかげだなと思っています。
上村:日々撮影している中でどんどん仲良くなっていったなという実感はあります。年齢は5歳離れていますが、お互いが同じ熱量で作品に対して真摯に向き合っていたからこそ仲良くなれたし、また純政が現場ではハキハキと挨拶している姿や、純政の声で現場がすごく明るくなったこともあるので、いい意味で彼に引っ張られながら撮影できたのはよかったです。
先日、無事にクランクアップされたとうかがいましたが、これまでの撮影の日々を振り返っていかがでしたか。
本島:撮影の日々を思い返すと「また撮影したいな」って思えるくらいすごく濃厚な毎日でした。いろいろな新しい経験もさせてもらったし、ハードスケジュールではあったんですけど「すごい楽しい撮影だったね」って、この前謙信とLINEしました(笑)。
上村:10月の頭から1ヶ月ちょっとの撮影期間でしたが、本当に日々刺激的で、たくさんのことを学ばせていただきました。純政や柴田監督を始め、たくさんの方と作った「未成年」の現場で新しい自分を発見できたし、純政と一緒に頑張れた日々は、色々なことも含めて全部の思い出が宝物です。
お2人にとって「未成年」はどんな作品になりましたか。
本島:僕は正直言うと、とても大きな壁でもありました。この作品の前にやっていた役とはキャラクターが大きく違いましたし、水無瀬は僕の性格と真逆だったので、最初は水無瀬の心情がなかなか分からなかったんです。「なんでここでこういう風に考えるんだろう」「どうしてこんな行動をするんだろう」ということが結構あったんですけど、その度に原作を何回も読み返して、役に向き合いました。
そうやってひとつひとつ向き合って、ひも解いていく中で大きな発見もありましたし、自分とは全然違う役柄を演じることの楽しさをこの作品で知れたので、今後の役者人生においてとても貴重な経験をさせていただいたなと改めて思います。
上村:僕は普段、「ONE N’ ONLY」としてグループ活動もしているのですが、その中で演技のお仕事をさせていただけることは自分にとって大きな事でした。「未成年」は間違いなく上村謙信の代名詞になったなと思うし、ここを経験すれば他の現場でも絶対にやっていけるんじゃないかと思うくらい自信もつきました。この1ヶ月間は本当に濃く、刺激のある日々を送れたので、一生忘れることはないし、自分にとってはターニングポイントなんじゃないかと思います。「未成年」を機に僕たちのことを知ってくださった方もたくさんいらっしゃると思うので、間違いなく大切な作品です。
インタビューでは時折2人で目を見合わせいる姿がとても微笑ましかった、本島さんと上村さん。本島さんは上村さんが話している時には上村さんのことをじっと見ながら話を聞いている姿がとても印象的で可愛らしく。上村さんは本島さんが話している時に本島さんが困った時にすかさずフォローに入ったりと、とても息のピッタリで助け合っていたお二人。インタビュー中のお話しでも終始2人の世界観が溢れていて、可愛らしくも楽しいインタビューのお時間となりました。
後編では、作品とは少し離れたお二人の尊敬している部分などにも迫っています。お楽しみに。
本島純政
もとじま じゅんせい
2005年1月5日生まれ。
2023年3月よりアミューズ所属。2023年9月よりスタートしたテレビ朝日系「仮面ライダーガッチャード」主人公・一ノ瀬宝太郎役にオーディションで抜擢。
待機作に主演作品Vシネクスト「仮面ライダーガッチャードGRADUATIONS」が2025年2月21日(金)より期間限定上映
また2024年12月28日公演の『Amuse Presents「最初で最後?!TEAM HANDSOME!冬の大運動会」』への出演が控える。
上村謙信
かみむら けんしん
1999年7月8日生まれ。6人組ダンス&ボーカルユニット・ONE N’ ONLYのメンバーの一人。
最近の出演作に、テレビ朝日『おっさんずラブ-リターンズ-』 (‘24)、日本テレビ『FAKE MOTION-たったひとつの願い-』(‘21)、映画では、『バトルキング!! -We’ll rise again-』(‘23)などがある。
Ⓒ「未成年」製作委員会
【作品概要】
タイトル:「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」
出演:本島純政 上村謙信
今井悠貴 宮地樹 堀家一希/西原亜希 オクイシュージ 加藤貴子
原作:ヒヌン 『未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~』 (KidariStudio, Inc. & LEZHIN Ent.)
https://www.beltoon.jp/detail/immature
監督:柴田啓佑 牧野将
脚本:森野マッシュ 松下沙彩
制作プロダクション:ユナイテッドプロダクションズ
製作:「未成年」製作委員会 エイベックス・ピクチャーズ/読売テレビ/KidariStudio,Inc.
クレジット:Ⓒ「未成年」製作委員会
【TVer作品ページURL】 https://tver.jp/series/sr1xsqvgir
※Item Credit
上村謙信:ニット¥59,400/SARTO(サルト)、パンツ¥5,940/CASPER JOHN(キャスパージョン)
お問合せ先: Sian PR(03-6662-5525)
※Team Credit
本島さん
スタイリスト: masaaki ida/井田正明
ヘアメイク: 木内真奈美(Otie)/Kiuchi Manami(Otie)
上村さん
スタイリスト:emi ito (ADDICT_CASE)
ヘアメイク: 小原 梨奈(ADDICT_CASE)
カメラマン:遥南碧
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿