松坂桃李
映画『HELLO WORLD』 声で命を吹き込んだ
彼が見た作品の世界とは—
映画『HELLO WORLD』
〈あらすじ〉
「お前は今日から三か月後、一行瑠璃と恋人同士になる。」京都に暮らす内気な男子高校生・直実(CV:北村匠海)の前に、10年後の未来から来た自分を名乗る青年・ナオミ(CV:松坂桃李)が突然現れる。ナオミによれば、瑠璃(CV:浜辺美波)は直実と結ばれるが、その後事故によって命を落としてしまうと言う。「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救うため、大人になった自分自身を「先生」と呼ぶ、奇妙なバディが誕生する。しかしその中で直実は、瑠璃に迫る運命、ナオミの真の目的、そしてこの現実世界に隠された秘密を知ることになる。世界がひっくり返る、新機軸のハイスピードSF青春ラブストーリー。たとえ世界が壊れても、もう一度、君に会いたい―
カタガキナオミ×松坂桃李
ピュアな想いを色褪せずに持っている人。人に対しての想いの強さは10年前の直実と変わっていないと思います。むしろ強くなっているんじゃないかな。募りすぎた想いで、周りが見えなくなってしまうような危うさを持ち合わせている気がします。
10年前の自分に会いに行くというお話。
では、10年前の直実ってどんな人でしたか?
同じ役ではあるんですが、違う時間軸で生きている人なので僕から見ると可愛い存在ですね。何とかしてやりたくなっちゃうというか。ナオミが持ってきた「最強のマニュアル」というのがあって、そのマニュアル通りにすれば上手くいくって分かっているのに、直実はそれをしないんです。「自分の想いを貫き通したい!」という想いが強い男の子なんですよね。ナオミもそれを応援したくなっちゃう…そんな風に思わせてくれるような子でした。
10年後の様々な経験を経たナオミ、
一方で何も知らない直実。
ナオミが彼に圧倒される
理由ってなんなんでしょう。
まっさらな状態ゆえの強さじゃないですかね。ナオミのように10年間で蓄積した経験や知識量で判断する行動ではなく、いろんな初めてをまっさらなうえで選択していく、そんな少年らしい“純粋な色”の強さがナオミとの違いだと思います。
松坂桃李の軸
“物語が自分のアンテナに引っ掛かるか”
「面白そう!何だかワクワクする!どうなるんだろうこの作品!」と感じて、自分がこの作品の中に登場したいと思えるかどうかを大切にしています。
入ってみたい作品はありますか?
中に入りたいというか、覗いてみたいのはドラマだと『木更津キャッツアイ』。アニメだと『エヴァンゲリオン』、『らんま¹/₂』とかかな。
雑誌のオーディションをきっかけに
芸能界入りした松坂さんですが、
物語に入ることに憧れてこの世界に?
いえ、最初はこの仕事で食べていこうとは微塵も思っていなかったんです。この仕事で生きていこうと決めたのは数々の作品を経てからでしたね。例えば、『僕たちは世界を変えることができない。』という映画。当時、プライベートで海外に行ったことがなく初めて行った海外が映画の撮影でカンボジアだったんです。小さいカメラで僕らの動きを追っていくという、戦隊でやっていた撮り方とは全く違う撮影の仕方で。それが僕にとっては初めての経験で「映画ってこういう風に撮るんだ」「面白いな」と感じました。そういう興味の積み重ねで今の俳優人生に至ります。
仕事における座右の銘
“ネクストワン”
「自分のベストは常に次」という意味のチャップリンの言葉です。初めて知った時、すごくいい言葉だなと思ったと同時に非常にストイックな人だと感じました。僕も現状に満足せず、そして過去にしがみつくこともなく、次へ行くための努力を常にしていける人でありたい。もちろん瞬間的に出たのがその時の自分の全力だけれど、「ベストはいつだって次だ」と想い続けて進んでいきたいです。
プライベートにおける座右の銘
“人間万事塞翁が馬”
何が起きても良いことも悪いことも表裏一体。物事にとらわれることなく常に穏やかに生きたいなと思います。
松坂桃李
まつざか とおり
1988年10月17日生まれ。
シンプルで澄み切った佇まい、柔らかい人間性と威風堂々たる魅力を備えた30歳。
映画『蜜蜂と遠雷』が10月4日公開予定。
映画『HELLO WORLD ハロー・ワールド』/カタガキナオミ役
監督:伊藤智彦 脚本:野﨑まど 出演:北村匠海・松坂桃李・浜辺美波 ほか
2019年9月20日(金)より全国ロードショー
※チームクレジット
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:AZUMA
スタイリスト:伊藤省吾
ディレクション:町山博彦
インタビュー・編集:満斗りょう