眞栄田郷敦
「そろそろ後輩の人たちとの関り方を考えなければいけない年齢に」
落ち着いた雰囲気と、時折のぞかせる少年っぽさを持ち合わせている眞栄田郷敦さん。インタビュー後編では、現在公開中の『カラダ探し THE LAST NIGHT』で共演した年下の俳優さんたちとの出会いで考えたことや、ご自身の好きなアトラクションや漫画、さらにはこれからのことについても伺いました。

©2025「カラダ探し THE LAST NIGHT」製作委員会

今作の高広は、5人の高校生をひっぱっていくお兄さん的な存在でもありましたね。
「カラダ探し」の経験者ということや先輩感もある程度は大事にしていましたが、高広は明日香がいなくなった絶望や孤独感を抱えている中で5人と出会い、一緒に「カラダ探し」をしていく中で救われていくところもあるので、みんなと徐々に仲間になっていく関係性の変化は大事にしていました。
タイムループ×ホラー×青春の新感覚ホラーということで、青春っぽさも感じられる作品でしたが、眞栄田さんは今作のどんなところに「青春っぽさ」を感じましたか?
完成した作品を見て「ホラー作品なのに仲間っていいな」ということをまず思いました。もちろん、「カラダ探し」を早く終わらせて日常生活に戻りたい、怖いという思いもあるけど、どこか「カラダ探し」を楽しんでいるような部分もあって。それをうまく利用していきながら、強い絆になっていくので、その辺は前作と引き続きこの作品のいいところだなと思います。
ご自身はホラー系の作品を見るのはお好きですか?
好きな方です。普段は芝居の引き出し増やすための勉強として映画やドラマを見ることが多いですが、ホラーは純粋に楽しめるし「THE・エンタメだな」と思います。でも、幼い頃に初めて「呪怨」を見たときは、かなり怖かった思い出があります。日本のホラーって独特で、おもしろいけど少し苦手でもあります。

ホラー作品に出演するおもしろさや楽しさをどんなところに感じますか。
今回もそうですが、ホラー作品の撮影現場って、カメラが回っていないところでは意外と笑えることが多いんです。それに、演じ手としては、肝試しでびっくりさせる側になっているような気分で楽しいです。長い目で見ると、映画の公開日までそれが続いているような感じで「どうしたらもっと緊張感や恐怖感が増すかな」と考えることもあります。
「カラダ探し」を通して “呪いの連鎖”から抜け出すという展開ですが、ご自身が何か「負のループ」にはまってしまった時の抜け出し方はありますか?
ひとまず、一回離れるか忘れる、ことですかね。忘れていいようなことであれば忘れますが、解決しないといけないことだったら、一度寝かして、その後なにか流れが変わらないかを待ってみるかもしれないです。
改めて「カラダ探し」は眞栄田さんにとってどんな作品になりましたか?
前作が初めてのホラー作品だったので、その経験値を踏めたのはすごく大きかったです。と同時に、普段とは少し違うお芝居のテンション感なので、本当に難しいと思いましたし、考えさせられる部分もありました。
これまでは芸歴が上の方とご一緒することが多かったのですが、これからはどんどん若手の後輩たちが出てくるんだと思い、接し方や関わり方、先輩としてどう現場でいないといけないのかといったことをそろそろ考え始めなければいけない年齢になってきたんだと、今作を通して感じました。

今回の舞台は「遊園地」でしたが、テーマパークの思い出や好きなアトラクションを教えてください。
幼い頃、家族と遊園地に行ったことがあるのですが、今となってはすごく素敵な時間だったなと思います。好きなアトラクションは、ディズニーシーにある「ソアリン」ですね。世界6大陸の様々な場所をハンググライダーで飛行体験ができるんですけど、新感覚で感動しました。
『ブルーピリオド』や『ババンババンバンバンパイア』など、漫画の実写化作品にも出演されていますが、普段はどんな漫画を読みますか?
好きな漫画で今パッと思いつくのは『はじめの一歩』と『美味しんぼ』ですかね。僕は小さい頃に空手をやっていたので、試合前になると『はじめの一歩』を必ず読んで、自分を奮い立たせていました。話がすごく面白くて、『はじめの一歩』を読んでいると「自分ももっと努力しなきゃな、頑張ろう」って思うんです。『美味しんぼ』は読んで料理人になりたいと思ったので、今の将来の夢は料理人になることです(笑)。
以前、別媒体で取材させていただいた時に「50年後はどういう人になりたいですか?」と伺った際、「舘ひろしさんみたいな余裕のある大人になりたい」と仰っていましたが、11月公開の映画「港のひかり」で共演されていますよね。実際にご一緒してみて、いかがでしたか?
舘さんとはずっとご一緒したいと願っていたので、その機会をいただき、とても光栄でした。現場での舘さんはやっぱりかっこよくて、芝居のこだわりもすごくあるんです。だけど柔軟なところもあって、そのいい柔らかさが、きっと「大人の余裕」になっているんだろうなと思いました。

今後も出演作が続きますが、これからどんな役に挑戦して、どんな作品に関わっていきたいですか?
まだまだやったことのない役やジャンルはたくさんあると思うので、今は特に「これ」というのは決めていないんです。一つひとつ丁寧にやっていきながら、自分の幅を広げていきたいです。脚本を読んで「おもしろいな」と思うことや、役どころが魅力的だなと思う作品、自分の心が動くものと、これからもたくさん出会っていきたいです。

眞栄田郷敦
まえだ ごうどん
2000年1月9日生まれ。
撮影では、お芝居のお話の時のような凛々しくかっこいい表情で撮影に入ってくださいました。こちらの欲しい要望にも瞬時に先回りして考えて動いてくださり、自分の見せ方や普段から見せ方をすごく勉強したりされているのを感じる撮影となりました。これからも好きなことに対して純粋に没頭し、ストイックに何事にも取り組まれる眞栄田さんのご活躍を応援しております。初登場ありがとうございました。
最近の出演作に、テレビドラマでは、NHK総合『連続テレビ小説 あんぱん』(‘25)、フジテレビ『366日』(‘24)、NHK総合『大河ドラマ どうする家康』(‘23)、映画では、『ババンババンバンバンパイア』(‘25)、『ブルーピリオド』(‘24)、『ゴールデンカムイ』(‘24)、などがあり、11月14日より公開予定の『港のひかり』も控えている。

©2025「カラダ探し THE LAST NIGHT」製作委員会
タイトル:『カラダ探し THE LAST NIGHT』
公開表記:9月5日(金) 全国公開
出演:橋本環奈 眞栄田郷敦 櫻井海音 安斉星来 鈴木福 本田真凜 吉田剛明 木村佳乃
原作(小説):ウェルザード(エブリスタ)
関連書籍(漫画):ウェルザード(原作)/村瀬克俊(漫画) (集英社/少年ジャンプ+)
監督:羽住英一郎
脚本:土城温美、原祐樹
音楽:菅野祐悟
主題歌:Stray Kids「Parade」(Sony Music Labels Inc.)
挿入歌:ヤバイTシャツ屋さん「Searching for Tank-top」(ユニバーサルシグマ/BADASS)
制作プロダクション:ROBOT
配給:ワーナー・ブラザース映画
コピーライト表記:©2025「カラダ探し THE LAST NIGHT」製作委員会
映倫レイティング:PG12
※Item Credit
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<お問い合わせ先>
1.TEM (https://www.1tem-official.com/contact)
R•Y•O• (050-7110-6046)
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:MISU SANJU
スタイリスト:MASAYA PLY
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿