佐野勇斗
アドリブの瞬発力はバラエティーで鍛えられたかもしれない
2015年に映画『くちびるに歌を』で俳優デビュー後、映画『ちはやふる-結び-』やドラマ『ドラゴン桜』など、話題作に次々と出演。最近では放送中の、連続テレビ小説『おむすび』にも出演中。またボーカルダンスユニット・M!LKのメンバーとしても活躍する佐野勇斗さんに、これまでの活動を振り返ってもらいつつ、俳優業におけるデビュー当時からの変化などをお聞きしました。M!LKメンバーとの固い絆も感じられるインタビューです。

これまでの役者人生のなかで、転機になった作品や出来事があれば教えてください。
18歳のときに出演した、ドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』です。この作品に出ていなかったら、今の僕は100%いないです。
なぜ、そう思うのですか?
このドラマのおかげで、世間の人たちに佐野勇斗という存在を知ってもらえた実感があります。僕は“お兄ちゃん”の役だったんですが、いまだに街で「お兄ちゃんですよね」と声をかけられることもあるくらい、あの役で広く知ってもらえたなと思いますし。『砂の塔~知りすぎた隣人』はオーディションで決まったんですけど、もしも受かっていなかったら、全然違う人生だったと思います。

違う人生だったとしても、役者は続けていると思いますか?
いや、わからないです。たぶんグループ活動は続けていると思うんですけど、役者を続けているかどうかはわからないなぁ。うわっ、そう考えると恐ろしいですね。今まで考えたこともなかったけど。
役者を始めた当初とくらべて、ご自身で変化を感じる部分は?
えーっ、なんだろう!?いや、ホントにわからないです。
お仕事への取り組み方なども変わらない?
変わらないです。昔からマジメでした(笑)。もとから、けっこうちゃんとやるタイプだったので……あっ、でも、監督と話し合う機会が増えたかもしれないです。昔は全部、手探りだったんですけど、いろんな経験をして、自分のなかで“こうやったほうが気持ちが入る”とかっていうのもわかってきたので。監督に「ちょっとここ、1回こういうふうにやらせてもらってもいいですか?」とお願いすることもあります。

なるほど。
あと、そうだ!今、思い出したんですけど。『砂の塔~』の撮影をしているとき、現場に5、6台カメラがあって、“こんなにたくさんのカメラで撮るんだ!?”ってビックリしたんです。どのカメラで何を撮っているのかとかまったくわからず、とにかく言われた通りにやることしかできなかったんですけど。今もついてくれているマネージャーに、「慣れてくると、すべてのカメラ位置を把握して、“ここを撮られているから、こっちの角度を向こう”とか、わかるようになるんだよ」と言われて。いや、そんなわけないだろうと思っていたんです(笑)。
そうなのですね。
でも、ホントにわかるようになるものなんですね。それこそ、朝ドラ(『おむすび』)の撮影なんて、とんでもない台数のカメラがあるんですけど、ちゃんと把握できているし。それが成長なのか慣れなのかはわからないですが、撮影中はもう一人、冷静な自分がいるのかもしれないなと、今ちょっと思いました。

バラエティーで培われた瞬発力などがお芝居に活かされる部分もあるのでは?
あー!なんか、今日の取材、すごく気づかされるな(笑)。たしかに、バラエティーはアドリブが多いんです。『トリリオンゲーム』でもアドリブが多かったと言いましたけど、その場でパッと考えてやる瞬発力は、バラエティーで鍛えられたのかもしれないです。
多忙な日々で余裕がなくなることもあるかと思いますが、M!LKのメンバーの存在に救われることはありますか?
M!LKの活動も大変で。僕、ダンスの振り入れとかも、めっちゃ苦手だし。ダンスや歌がすごく得意なわけでもないし。でも、昨日もメンバーとYouTubeを撮っていて、楽屋でしゃべったんですけど。もうホントにアホみたいな、くだらない話で盛り上がるんです(笑)。そんな存在って、大人になるとなかなかできないじゃないですか。そこまで心を許せる、仲よしな人たちと一緒に仕事をできるということも、あまりないだろうし。メンバーとは10年来の付き合いで、もう好きとか嫌いとかっていう次元じゃないから。そこはやっぱり安心できるというか、ホントに助かっています。目黒くんと同じように、M!LKにも救われていることが多々あります。

佐野勇斗
さの はやと
1998年3月23日生まれ。
撮影では、抜群のスタイルで黒のスーツを身に纏い、お茶目で可愛らしいインタビューとは違った、キリッとかっこいい佐野さんを見せてくださいました。カメラマンの要望に応えつつも、表情やポージングは佐野さん自ら色々とカメラに向けてくれたので、たくさん素敵な写真を撮ることができました。また、カメラマンが要望を一言で伝えると、次の指示を目をまん丸くして待たれている姿はとても子犬のような可愛らしさがありました。これからもかっこよくいる時と、お茶目な表情を見せる時と佐野さんにしか出せない唯一無二の愛されるギャップでたくさんの舞台でのご活躍を応援しております!
お久しぶりのご出演ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ朝日系『マイダイアリー』(‘24)、現在放送中のNHK連続テレビ小説 『おむすび』(‘24)、映画では、『六人の嘘つきな大学生』(‘24)などがある。

Ⓒ2025劇場版『トリリオンゲーム』製作委員会
Ⓒ稲垣理一郎・池上遼一/小学館
タイトル: 劇場版『トリリオンゲーム』
出演者:
目黒 蓮 佐野勇斗
今田美桜 福本莉子 ・ 鈴木浩介 竹財輝之助 あかせあかり 原 嘉孝 津田健次郎 / シシド・カフカ 田辺誠一
石橋 凌 / 吉川晃司 國村 隼
原作: 稲垣理一郎/作画:池上遼一 『トリリオンゲーム』(小学館 ビッグコミックスペリオール 連載)
監督: 村尾嘉昭
脚本: 羽原大介
音楽: 木村秀彬
主題歌: Snow Man 「SBY」 (MENT RECORDING)
公開: 2月14日(金)バレンタインデーより公開中!
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:望月光(ONTASTE)
スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿