黒羽麻璃央
「自分に優しくできるように」
歩みに“余白”を持たせるための黒羽論
『ロミオ&ジュリエット』の作品を想う時、Bette Midlerの『The Rose』が脳内に流れる。歌詞の中にこんな言葉がある。「人は言う、愛は刃のようだ、と」。“愛”の前で無力な私たちは、苦痛を強いられることでしか“愛”と共存できない。それを示す数々の例えを用いて曲が紡がれたのち、曲の主人公はこう唱える。「私は言おう、愛は一輪の花のようだ、と」。まさに黒羽さんの語りきったロミオそのものだった。インタビューの中で垣間見えた緻密に役を追い続けるプロ魂。そんな彼にFAST恒例スリークエスチョンをお伺いしてまいりました。
欠かせないもの
“余裕”
余裕がなくなっちゃうと、もうしんどいです(笑)。人生に余白がないときつい…(笑)。稽古期間も、ゆっくりと風呂に入ったり散歩して好きな音楽を聴いたり、何も考えなくて良い時間を作るようにしています。
黒羽麻璃央の軸
“平坦な道を選ぶ”
平坦で安心安全の道を選びます。茨の道を進むのも悪くないですし、むしろそっちの方が成長するんでしょうけど、危ない橋を渡りたくないタイプなんです(笑)。年齢と共に物事への進み方がだんだんと慎重になってきたのを感じています。ただ「楽な方に楽な方に…」と思っていても、周りの大人はそうさせてくれないので、せめて自分の本心では「安全な道に」と思うようにして…(笑)。楽な方に向かっていても「こっちの方がいいよ」と茨の道に引き戻されちゃうのでね(笑)。「しんどいじゃん!」って道に行った場合、もう暴れます。わーーー!!って(笑)。
好きな言葉
“人に優しく、自分に優しく”
どこかでこの言葉を意識していないと潰れちゃいそうになる瞬間があって。気持ち的に「これやっておかないと、あれもやっておかなきゃ」って不安に襲われてしまうタイプなんです。なので、たまに「人に優しく、自分に優しく」と、思ってあげないとダメだなって。切羽詰まっている時にこの言葉を思い出すと「一旦自分に優しくなろう」と冷静になることができるんです。周りが見えなくなっちゃうと人に優しくするのも難しくなるじゃないですか。だから「人にやさしく、自分に優しく」。我に返ることができる魔法の言葉です。
黒羽麻璃央
くろば まりお
1993年7月6日生まれ。
内観を惜しまない孤灯の強さで役が秘めた人品をほどき、細緻な芝居で見る者の心を揺さぶる27歳。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
TBS赤坂ACTシアター(東京):
2021年5月21日(金)~6月13日(日)
梅田芸術劇場メインホール(大阪):
2021年7月3日(土)~7月11日(日)
愛知県芸術劇場 大メインホール(愛知):
2021年7月17日(土)、7月18日(日)
原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
出演:黒羽麻璃央/甲斐翔真(Wキャスト)
伊原六花/天翔愛(Wキャスト)
味方良介/前田公輝(Wキャスト)
新里宏太/大久保祥太郎(Wキャスト)
立石俊樹/吉田広大(Wキャスト)
小㞍健太/堀内將平
(Kバレエカンパニー)(Wキャスト) ほか
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:横山裕司(Lomilia)
スタイリング:ホカリキュウ
ディレクション:半澤暁
インタビュー・記事:満斗りょう