中川大志
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は
今までの大河ドラマにはない
トーンに仕上がっている
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で中川さんが演じるのは、誇り高く忠誠心に熱い武将、畠山重忠。武士の鑑と呼ばれたほどの清廉潔白な人物であり、歴史好きな方たちから人気の高い畠山を、中川さんはどのように演じていくのか? さらに今回の大河ドラマは今までにない独特の空気感がある、と中川さんは語る。畠山を演じる意気込み、そして今回の大河ドラマの色について、お聞きしました。
今回で4度目の出演ですが、
大河ドラマへの印象をお聞かせください。
最初に出演させてもらったのが、小学校6年生の時でした。その時から大河ドラマという場所には、他にはない独特の空気感があると感じています。ありがたいことに、子供の頃から大先輩の方々と共演させていただいて、今見返してもすごく贅沢な経験だと思います。それは今回も同じです。今までの大河ドラマでは度胸など、色々鍛えられたと思います。緊張感がすごいんです。そういう特別な現場ですね。
子どもの頃と今の出演、
感覚は違いますか?
そうですね。前回出演した『真田丸』ではじめて大人の役をやらせていただきました。それまでは子供時代を演じることが多かったのですが、その時は最後まで自分が演じられるということもあり、嬉しかったです。でも、意外と何回やってもビビっています。でも、いかにビビってない感じでやるかを意識しています(笑)。武士を演じるので、“敵に舐められない”“自分を強く見せる”という姿勢は普段から意識したいと思っています。
大河ドラマに出演する時に
気をつけていることは?
“武士らしく周りに飲まれないようにする”というのは大前提で、他の現場で積んだ経験を発揮したいと思っています。時代劇は表現の仕方や撮影の方法など、ドラマ自体の構造がどんどん新しくなっています。歴史ある大河ドラマでもどんどん新しいチャレンジをしていて、今回、僕は完成した映像を見てカッコよくて鳥肌が立ちました。もちろん古き良き伝統もありますが、その中でもどんどん新しいことが取り入れられている。なので、演じる僕らも固くなりすぎない。特に三谷さんの脚本は喋り口調が現代風だったりして、カジュアルなところがあるので、その中でちょっと崩せるところや遊べるところではチャレンジしていきたいと思っています。そうやって、見ている方に役を身近に感じてもらえたらと嬉しいです。
今回の時代設定について中川さんは
どんな印象をお持ちですか?
すごく好きです。あくまで僕のイメージですが、鎌倉時代の女性陣の強さ、どうやって自分たちの家を大きくしていくか、みたいなのがあったり、戦国時代とは違った泥臭さもあったり、僕はそこが好きですね。これから色々な歴史の土台が出来上がっていく時代なので、そこにワクワクします。
そんな中で畠山を演じられる訳ですが、
どういったイメージでしょうか?
実は畠山ってこれまでドラマで演じられることが少なかった武将なんです。でも歴史が好きな方からすると、人気の高い人物なんですよ。僕も勉強していく中で、畠山は “主人や国に忠誠を誓う生き様は畠山から学べ”と言われるくらい立派な人物だったということを知りました。大河ドラマはそうやって、今まで知らなかった人物の細かいところを紐解くように描かれているので、面白いですよね。歴史が好きな方たちは「畠山はこういった男」というイメージを強く持っているので、僕もそこを大切にしていきたいと思っています。畠山のゆかりの地、出生地などにいくと地元の人からの愛され具合や、リスペクトを強く感じました。プレッシャーはありますが、自分なりの新しい畠山像も見せられたらと思っています。
役作りで実際に畠山の生まれ育った場所に
行かれたんですね!
そうですね。大河ドラマの時は毎回、演じる人物のお墓に手を合わせたり、タイミングをみて現地に行かせていただいたりしています。実際に足を運ぶとイメージが湧くんですよね。ここに家があって、城までの距離はこのくらいかとか。土地の距離感なども明確になる。台本を読んでいても、距離感とかってピンとこないので、そこは実際に行ってみると色々と体感できるんです。「この文を3日で届けよ」っていうセリフがあっても、距離感を知らないと3日で届けるのがどれだけ大変か分からない。距離感がわかっていれば、よりリアリティーが出ると思っています。
共演者の方で印象に残っている方は
いらっしゃいますか?
初めての方も、久しぶりの方もいらっしゃるのですが、座長の小栗さんは色々ご縁はあったのですが、共演させていただくのは初めてです。ずっと憧れの存在だった小栗さんと一緒に芝居ができるのは嬉しいですね。
最後に作品の見どころをお願いします。
このドラマはもっと賑やかというか華やかな感じになると思っていたました。それくらい登場人物がパワフルだし、どんどん色々なことが起きて、これから新しい時代が始まっていくタイミングでもありますし。でも、完成したものを見た時に、“しっとり”というか上品さも感じました。それが個人的にカッコいいなと思っています。分かりやすくジェットコースーターのように進んでいく場面もありますが、北条家の土地の空気感や伊豆の美しい景色、空気感、人物の細かいニュアンスなどがちゃんと描かれている。なので、見るたびに新しい発見があると思います。『鎌倉殿の13人』はお洒落さと格好良さもあり、これまでの大河ドラマにはないトーンに仕上がっていると感じています。もちろん技術的にも新しい挑戦をたくさんしています。構成や見せ方がお決まりではなく、今までにはないものが詰まっている。色んな人たちの思いが凝縮されていて、すごい作品に仕上がっていると思います。
中川大志
なかがわ たいし
言葉の一つひとつが丁寧。インタビューには真摯に向き合って答えてくださいました。撮影時はとてもナチュラルで、さまざまな表情を見せてくださいました!スタッフにも冗談交じりで笑わせてくださり、楽しい取材をありがとうございました!
大人になった中川さんが演じる畠山重忠。とても楽しみです!
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』
NHK総合 毎週日曜 20時 放送
作:三谷幸喜
音楽:エバン・コール
語り:長澤まさみ
出演:小栗旬 新垣結衣 菅田将暉 小池栄子 中川大志 宮澤エマ 片岡愛之助 / 山本耕史 青木崇高 江口のりこ 小泉孝太郎 中村獅童 / 松平健 佐藤浩市 國村隼 佐藤二朗 鈴木京香 / 浅野和之 坂東彌十郎 宮沢りえ 大泉洋 西田敏行
※Item credit
コート¥158,400/パーム・エンジェルス
ニット¥165,000、パンツ¥139,700/ともに オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー
(以上すべて イーストランド 03-6231-2970)
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
スタイリスト:徳永貴士
ヘアメイク:堤紗也香
ディレクション:半澤暁
インタビュー:山根将悟
記事:山根将悟/近谷奈生