曽田陵介
自分の心が動くのを感じるときが楽しい
2019年の俳優デビュー後は、ドラマ『Destiny』、映画『交換ウソ日記』など、話題作に次々と出演し注目度急上昇中の曽田陵介さん。『惑星ラブソング』では映画初主演を務め、7月に公開される映画『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』への出演も控える曽田さんに、現在感じている役者としての楽しさや、今後の目標などをお聞きしました。

俳優デビュー後は多くの作品に出演され、順風満帆な印象を受けますが、ご自身ではどう感じていますか?
ホントに目の前の仕事を一つひとつ、一生懸命にやってきただけなので、自分のなかには“わっ、ここまでやったんだ!”みたいな感覚は、あまりないんですよね。役というのはみんな違って、同じものはないので、それぞれの難しさがあって。前の作品でやったことを、次にそのまま活かすことができないというか。
作品ごとにリセットされる?
リセットされますね。なので、現場が変わると、また一からやらせてもらっている感じがします。
とはいえ、順調にキャリアを重ねているとは思いますか?
いや、もっと順調な人はいっぱいいますよ。でも、上を見たらきりがない世界なので、うらやましいとかはあまり思わないようにしています。“この人だから、こういう役がくる”というのはある気がするので、僕は、自分にきた仕事を精一杯がんばるだけです。

ご自身で思う、役者としての強みは?
えーっ、なんだろう!?僕、監督やプロデューサーさんから、「もう1回、一緒にやりましょう」と言っていただくことが多いんです。それは、本当にありがたいことだと思います。
では、役者をやめたいと思ったことはない?
最初の頃は、ありました。たぶん当時は、役者の仕事を心から好きではなかったんです。お芝居って、思っていた以上に難しくて。役者をやめて、地元に帰ろうかなと思ったりもしたんですけど。舞台に出演した際に、セリフの読み方とかを教えてもらったりするうちに、だんだんと好きだなと思えるようになりました。
セリフの読み方というのは?
それまでは僕、ただ文字を読んでいただけというか。たとえば「おいしい」というセリフがあったとしたら、そこに込められた感情を考えずに言っていたので、芝居になっていなかったんです。あとは、自分のセリフが相手のセリフと重なって対話をしたときに、自分の心が動くのを感じることがあって、それがすごく楽しいです。たとえ悲しい感情だったとしても、誰かと共有できていることがうれしくて。それが、“芝居をしていると楽しい”につながるというか。

これまで、どんな作品でそれを感じましたか?
この間まで出演していたドラマ『いつか、ヒーロー』で、僕が桐谷(健太)さんに泣きながら訴えかけるシーンがあったんですけど。瑠生(曽田の役名)としては、怒りながらも、誠ちゃん(桐谷演じる役の愛称)という人物とわかり合えた気がしてうれしかったんです。そのシーンを撮影したときは、役者としての楽しさをすごく感じました。
今後の目標を教えてください。
とにかく、一つひとつの作品に真剣に取り組むこと。その結果、お芝居で賞をいただけたらいいなと思います。
賞というと、たとえば?
具体的にはないんですけど……トロフィーをいただけるものがいいかな。

トロフィーを部屋に飾りたい?
はい。それで、「賞をいただいたんですよ」と、さり気なく自慢したいです(笑)。
好きな俳優の方はいらっしゃいますか?
山口馬木也さんがとても好きで、尊敬しています。以前、舞台でご一緒したことがあるんですけど、公演期間中、ずーっと馬木也さんの楽屋にいました。自分の楽屋へは行かずに、馬木也さんの楽屋へ直行する、みたいな(笑)。
それは、相当な好き度合いですね(笑)。
役者としても、技術があるのはもちろん、内面の作り方もすごく繊細で。もう、芝居の化け物ですよね。僕も、あんな役者になれたらいいなと思います。あっ、そういえば! 馬木也さん主演の映画『侍タイムスリッパー』で、賞をとられたじゃないですか。電話がかかってきて、2時間ぐらい、うれしそうにお話ししてくれました(笑)。役者としても人としても、ホントに魅力的な方です。

曽田陵介
そた りょうすけ
1997年10月24日生まれ。
撮影では、インタビューとは違い役者スイッチがカチッと入るかのようにかっこよくいてくださった曽田さん。カメラマンの要望にも真剣な眼差しで聞いて応えてくださる姿勢に、お仕事に対する真剣さや真面目さが伝わってきました。また合間ではスタッフとの会話もあり、取材を通して、どんな人に対してもスッと打ち解けてしまうコミュニケーション能力の高さに圧倒されたスタッフでした。これからもユーモアのあるコミュニケーション力と仕事に対する真面目に向き合うひたむきさを武器にこれからのご活躍も応援しております。
お久しぶりのご登場ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、ABCテレビ・テレビ朝日『いつかヒーロー』(‘25)、関テレ・フジテレビ『スノードロップの初恋』(‘24)、TBS『笑うマトリョーシカ』(‘24)、映画では、『交換ウソ日記』(‘23)、『なのに、千輝くんが甘すぎる』(‘23)などがあり、7月期のドラマ『放送局占拠』や7月4日『映画おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』も控えている。

©映画『惑星ラブソング』製作委員会
『惑星ラブソング』は広島県先行公開中、
6月13日(金)よりシネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか全国で公開中。
監督・脚本・編集:時川英之
出演:曽田陵介/秋田汐梨、Chase Ziegler、八嶋智人
西川諄、Raimu、谷村美月/川平慈英
さいねい龍二、塚本恋乃葉、西村瑞樹、キコ・ウィルソン、松本裕見子、田口智也、HIPPY
配給:ラビットハウス
©映画『惑星ラブソング』製作委員会
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:仙波夏海
スタイリスト:岡村春輝(FJYM inc.)
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿