野村周平
『ALIVEHOON アライブフーン』
好きなものに囲まれて最高の現場だった
レーシング系のeスポーツで天才的な才能をもつ主人公が、現実のドリフト競技に挑戦する姿を描いた映画『ALIVEHOON』。同作にて主人公・大羽紘一を演じた野村さんは生粋の車好き・ドリフト好きであり、まさにこれ以上はない配役となった。CGを一切排し、究極のリアリティを追求した映像は圧倒的なスケール感に仕上がっており、その撮影をリアルに体感した野村さんはどのように今作を振り返るのか。マニア特有の視点も交えつつ、語っていただきました。
<あらすじ>
内向的で人付き合いが苦手な大羽紘一は、ゲームにだけは才能を発揮している。ある日、彼は解散間際のドリフトチームにスカウトされ、実車でもその才能を見せつける。生死をかけたドライバーたちが立ちはだかる中、紘一は自身のテクニックを覚醒させていき……。
車好きの野村さんとしては、たくさんのドリフトカーが登場する『ALIVEHOON 』は楽しい現場になったのではないでしょうか?
現場に行くたびに毎回車を見に行ったりと、とにかく楽しかったですね。好きなものに囲まれて、ドリフトも見られて。本当に最高でしたね。
大羽紘一というキャラクターを作り上げていく上で苦労されたことはありますか?
車に関しては元々好きで色々と勉強していて、ドリフトもやったこともあったので、そこは楽しんで打ち込めました。ドリフトの映像とかも小さい頃から見ていたいし、本当にドリフトが好きだったので。ただeスポーツは初めての経験で苦労しましたね。色々なサーキットを走れて面白かったんですけど、普段そういうレーシングゲームをやることがなくて、演技としてリアル感があるレベルまでいくのが大変でした。紘一の性格に関してはこれまでに内気な役を演じてきた経験が活きましたね。
プロのドリフトを体験された感想は?
プロの本気のドリフトは本当に凄かったですね。表現が難しいですし、死ぬ確率がかなりあるにジェットコースターみたいな感じで。ただ同時に、絶対的安心感もあるんですよ。やっぱプロの方がやっているから。このコースを知らなくて、この車の特徴も知らない、でも普段ドリフトやってます、という人がもし運転していたら、絶対隣に乗りたくなかったですね(笑)。
ドリフトもそうですが直線の加速など、とにかく映像に迫力がありました!
0から100キロになる加速が途轍もないんですよね。体にかかるGだけじゃなくて、エンジンの音も最高なんですよね。匂いも。もう全てが良いんですよ(笑)。映像で見ても、エンジンの振動が伝わってくるくらい臨場感のある仕上がりになっていますね。
作品のストーリーの見どころは?
紘一が成長していく人間ドラマの要素もありますが、僕は映画の主役はドリフトとeスポーツだと思っています。人間ドラマの延長にドリフトが出てくるとかではなくて、車が主体の映画なんですよ。ドリフトのドキュメンタリー映画のようなテンションで観てもらえたらと思いますね。
車好きの野村さんがリアルに感じたシーンはありましたか?
紘一が使っているeスポーツ用の運転シートがあるんですけど、そこがネオンでかなりギラギラしていて。最初、内気な奴がこんなネオンつけるかな? と思ったんですけど、最近の車好きな人ってパッと見ると普通な人なんですけど、乗っている車はネオンなどで物凄くカスタムされていて、ド派手な場合が多くて。そこにマニアっぽい視点ですけど、リアリティを感じましたね(笑)。あと元来、ドリフト車は不良の乗り物だったので、もしこの映画が20年前に公開されていたら、主人公は間違いなく不良だったとのかな、とも思いましたね(笑)。
作中のシーンでここは特に見てほしい、というシーンはありますか?
最後のレースシーンですかね。そこで使われたエビスサーキット南コース、今はもうないんですよ。地震の影響で閉鎖されてしまって。そこはドリフトの聖地と呼ばれていて物凄くクレイジーなコースで、カーブを曲がりながら空中飛んだりするんですよね(笑)。本当にすごく良いコースでしたけど今はもう見ることができなくて、ある意味貴重なシーンになっているので、是非注目して観ていただきたいですね。
野村周平
のむら しゅうへい
しっかりとした芯を持っている印象だった野村さん。実際にお会いしてその印象通りのまっすぐな発言や立ち振る舞いが、言葉にできないカッコよさを感じさせてくれました!着飾らない男らしさや、発言から滲み出る古き良き時代へのリスペクトの精神は、男性スタッフも思わずカッコいいと言葉にしてしまうほどでした!
『ALIVEHOON アライブフーン』
6月10日全国公開
配給:イオンエンターテイメント
(C)2022「アライブフーン」製作委員会
出演:野村周平 吉川愛 青柳翔 福山翔大 本田博太郎 陣内孝則
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:矢口憲一
スタイリスト:清水奈緒美
ディレクション:半澤暁
インタビュー:山根将悟
記事:山根将悟/近谷奈生