井上祐貴
その場で感じたものを大切にして
演じることを学んだ
2018年にデビュー後、『ウルトラマンタイガ』でドラマ初主演。2023年には念願の大河ドラマ出演を果たすなど、順風満帆に役者道を歩んでいる印象の井上祐貴さんに、これまでの軌跡や転機となった出来事、また、前回ご登場時からの進化などをお聞きしました。
ドラマ『マルス~』では高校生役を演じていますが、ご自身はどんな高校生でしたか?
明るいほうだったと思います。お調子者の部分もあったと思うんですけど、久高とはちょっとレベルも種類も違いますね(笑)。
サッカーが特技とのことですが、サッカー部だったのですか?
小学校から中学1年生まではそうでした。そのあとはフットサルに移行したので。
きっと、モテモテだったんでしょうね。
いや、どうなんですかね。まぁ……モテていたほうなのかなー(笑)。でも、あんまりそういうことには疎くて、男友達といるほうが楽しいタイプでした。
青春を謳歌していたと。
そうですね。友達とワイワイしているのが楽しくて、放課後が一番好きでした。
前回「FAST」にご登場いただいたのが、2022年5月。その際に「仕事をやっていくなかでできないことが多くて、悔しいと思うことがたくさんあった」とおっしゃっていました。
その感覚は、変わらずあります。でも、例えば今の現場(ドラマ『マルス~』)でいうと、“今日できなかったことや、指摘されたことを、明日は絶対同じことを言われないようにしよう”とか“しっかり復習や練習をして明日を迎えよう”とすることで、次の日に「昨日はできていなかったけど、今日はできてるじゃん」と言われたら、一つの自信になるので。今はそういう小さなことでも積み重ねて、ちょっとずつ大きな自信に変えていけるようにしています。
具体的に、今の現場ではどんなことをホメられましたか?
ホメられることはなかなかないんですが……でも、監督に「今のおもしろかったよ」とか言われたりすると、やっぱりかなり自信になりますし。そのときの“あっ、今の感じだ”という感覚をしっかり体に染みつけて、少しずつだけど前に進んでいる感覚はありますね。
「今のおもしろかったよ」という言葉は、
励みになりますね。
ホントにうれしいです! そんなふうに言ってもらえるなんて、撮影が始まったばかりの頃は想像もできなかったので。
今感じている、お芝居の楽しさと難しさは?
自分のなかで役をつかめるまでというか、クランクイン前の準備段階や、撮影がスタートして間もないときは一番難しさを感じています。そこからなんとなくイメージがつかめてくると……もちろん難しさもたくさんありますが、だんだん余裕も出てきて芝居の幅も広がってきて、違うアプローチをしてみたりして。芝居が何パターンも出てくるようになったら、すごく楽しくなります。
楽しさと難しさを感じる割合は、
どちらのほうが大きいですか?
今は楽しさのほうが大きいですかね。最初は難しいだけだったのが、だんだんと“あっ、ちょっとできるようになってきたな”とか感じられるようになるのが、すっごく楽しいです。
これまでの出演作のなかで、特に印象に残っている作品や転機になったと感じる作品を教えてください。
印象に残っているのは、やっぱり大河ドラマ『どうする家康』ですね。大河に出たいとずっと思っていたし、言葉にもしていたので、目標が一つ達成できました。転機になった作品だと、ドラマ『unknown』です。
その理由は?
それまでは僕、準備しなかったり、予め何も考えずに撮影に臨むことが一番怖くて、台本を読みながら“ここはこう動こう”“このセリフにはこう返そう”とか、ものすごく考えて現場に行っていたんです。でも、『unknown』の現場で田中圭さんや吉田鋼太郎さんを見ていたら、その場で感じたものを大切にしているなってすごく感じたんです。圭さんに「事前にどのくらい考えてくるんですか?」と聞いたら、「もちろん、ある程度こうしようかなとかはあるけど、まったく決めずに来ている」って。純粋に、そこで生まれたものを受けて返すっていうことですよね。その言葉を聞いてから、撮影に向けての準備のしかたが変わった感覚があります。
それは大きな変化ですね。
大きかったですね。本当に。圭さんに「毎回、まったく同じ反応(芝居)をしちゃってるよね」と言われたんです。「でも、相手の芝居がまったく一緒なことは絶対にないから、そこを楽しんでいけば、(井上の芝居が)もっと変わってくると思うよ」って。それがきっかけで考え方がガラッと変わって。相手の芝居を受けることの大切さを知りましたし、その楽しさも感じられるようになりました。
現在の目標を教えてください。
いろいろと出てみたい作品はたくさんありますが、一番の目標は朝ドラに出ることです。あと、大河ドラマも今度は最初からのレギュラーのキャストとして、がっつり挑戦してみたいですね。
いずれは大河で主演も。
そうですね、いずれはそうなれたら……。まだ全然早いですけど、そこを目標に進んでいきたいなと思います。
井上祐貴
いのうえ ゆうき
1996年6月6日生まれ。
インタビューでは、終始熱く真面目で、たまに見せる天然?な表情と写真とはまた違った井上さんを見ることができました。お芝居に対しての情熱や役作りについてたくさん話してくださいました。また学生時代の井上さんについても少し触れることができ、貴重なお時間となりました。心はとても熱くまじめで、雰囲気はフワッとしたギャップのある井上さん。久しぶりのご出演ありがとうございました!
最近の出演作に、NHK総合 大河ドラマ『どうする家康』(‘23)、ABCテレビ/テレビ朝日系『何曜日に生まれたの』(‘23)、テレビ朝日『unknown』(‘23)、NHK総合 ドラマ10『大奥』(‘23)、テレビ東京『花嫁未満エスケープ 完結編』(‘23)などがある。
©テレビ朝日
[マルス-ゼロの革命-]
テレビ朝日系
毎週火後9・00〜9・54
道枝駿佑ゴールデン帯連続ドラマ初主演の青春“クーデター”サスペンス
謎多きカリスマ転校生・美島零《ゼロ》に導かれ、動画集団【マルス】を結成した落ちこぼれ高校生たち7人が大人社会に反旗を翻す!「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」の人気脚本家・武藤将吾が3年ぶりに完全オリジナルで描く、爽快な新感覚青春ドラマ。
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
スタイリスト:TAKURO
インタビュー:林桃
記事:林桃/緒方百恵、有松駿