小野寺晃良
実写『ホリミヤ』
漫画原作キャラクターへの挑戦
シュワッと弾ける「超微炭酸」な青春を一緒に
ちょうど一年前、FASTに遊びに来てくれた小野寺さん。小さな顔に完璧に配置された目鼻口と竹久夢二の作品張りに美しい佇まい。いい意味で冷たげな瞳が印象的でした。しかし、小野寺さんの魅力は容姿だけにはとどまらないのです。的確に役柄を掴んでゆく、芝居における“瞬発力”と“感覚”には脱帽させられてばかり。“小野寺晃良”と対峙する度に、彼の創り出す「次なる人物」が待ちきれなくなってしまう。そんな小野寺さんが「ここまで原作に描かれている人物を演じるのは初めて」と話す“仙石翔”とは一体どんな人物なのか?実写『ホリミヤ』に懸ける想いとともにお聞きしました。
実写『ホリミヤ』
<あらすじ>
クラスではいつもひとりの地味でネクラな宮村伊澄(鈴鹿央士)と、優等生で明るく、クラスでも人気者の堀京子(久保田紗友)。真逆のような2人だが、彼らにはそれぞれに、誰からも知られていない秘密の一面があった。ひょんなことから2人はお互いの秘密の共有者となり、徐々に距離を縮めていく。他人に興味を示さず、友達のいなかった宮村の高校生活は、堀との出会いをきっかけに色づきはじめる。宮村と堀、友人たちが織り成す甘酸っぱい「超微炭酸系」青春群像劇がついに実写化。
<仙石翔>
宮村と堀の通う片桐高校の生徒会会長。堀の幼馴染で、幼少期には堀のドSっぷりに苦しめられた為、彼女に苦手意識を持っている。普段は強がっているものの、彼女には頭が上がらない。成績は優秀で保健体育以外は常にトップクラス。
仙石翔 × 小野寺晃良
原作を読んで思った印象は、仙石はとても強がりな頑張り屋さん。ちょっと臆病なんだけど決して卑屈すぎず、優しさもある憎めない男の子です。
意外とチキンなんですね(笑)。
演じる上で意識されたことはありましたか?
言葉に頼る芝居を意識をしていました。彼自身、意志よりも言葉が先だって膨らんでしまうタイプだと思ったので、動きを意識するというよりはそういったニュアンスの部分に重きを置いていましたね。それが細かい所作などにも表れているかな、とは思います。
実際に原作で読まれていた時と現場で演じてみた時で
仙石に対するイメージの変化はありましたか?
イメージの差は特にありませんでした。原作を読んで、「あぁ、こういう子なんだな」と自分の中に一度落とし込んで実際に演じる、の3段階で役作りをしていたので、演じている最中に「本当はこういった子なのかも」といった気づきは特になかったです。原作と台本で言い回しの違う場面も多少あったんですが、仙石の意思に関しては変化をつけないように演じていました。
原作があるものとオリジナルの作品では
役作りの仕方は違いましたか?
僕、こんなに原作自体に描かれているキャラクターを演じるのはほぼ初めてなんですよ。なので実は少し怖くて。人気の作品ですし、原作ファンの方も多くいらっしゃるわけじゃないですか。自分自身、アニメや漫画が大好きなので「実写化」に対する複雑な気持ちも分かりますし。でも、仙石を演じさせていただくことになった以上は、自分の個性や「小野寺晃良だったら」という思いは全て抜きにして“仙石翔”に徹しようと思いました。
主演の久保田紗友さんは実際に高校の同級生だとか。
現場はいかがでしたか?
同年代の方が多い現場だったので楽しかったです。久保田さんとも高校時代の昔話や「最近、高校時代の友達と会ってる?」という会話をしたり、たわいもない話で盛り上がっていました。
『ホリミヤ』は「超微炭酸系青春群像劇」と
謳われているのですが、
小野寺さんの学生時代の「超微炭酸」な思い出は?
超微炭酸か~(笑)。ザ・青春なところでいくと花火大会ですかね。あとは、公園で花火をしたりディズニーランドへ行ったり。当時は特に「青春だ!」とは思っていなかったけれど、思い出すと超微炭酸ですよね(笑)。
超微炭酸ですね~(笑)。
どんな高校生だったんですか?
高校生っぽい高校生ではなかったです。でも、高校生として楽しむべきところはちゃんと楽しんでいましたね。それこそ体育祭などのイベント事も盛り上げていましたし、意外と真ん中にいるタイプでした。中でも好きだったのは文化祭。文化祭後の打ち上げまで含めて楽しんでいた記憶があります。
Highlight of 仙石翔
仙石の登場シーンはすごく意地が悪いように見えると思います(笑)。それこそ言葉に頼っているところが存分に出ちゃっていて。それが物語が進むにつれて、宮村などと打ち解けて仙石自身が変わっていく。「体育祭が嫌だ」という話を宮村とするシーンがあるんですが、個人的に撮影中すごく楽しかったシーンなので、観てくださる方たちには「ここ、楽しく演じているんだな」と思って観ていただけたら嬉しいです。
Highlight of 『ホリミヤ』
作品全体を通して「超微炭酸系」なので(笑)!現役の高校生の方には今の高校生活と重ねながら観ていただいて、この作品を通してさらに充実した日々を過ごしていただきたいですし、高校生ではない大人の方たちには自分の青春時代の思い出に浸っていただければ、と思います。
実写『ホリミヤ』
映画版:2021年2月5日(金)
新宿バルト9他にて、一週間限定先行ロードショー
ドラマ版:2021年2月16日(火)放送スタート!
MBS毎週火曜 深夜0:59~/TBS毎週火曜 深夜1:28~
原作:HERO・萩原ダイスケ「ホリミヤ」
(掲載 月刊「Gファンタジー」
スクウェア・エニックス刊)
監督:松本花奈
出演:鈴鹿央士 久保田紗友
鈴木仁 岡本莉音 小野寺晃良
マーシュ彩 さくら 増田陵介
井上祐貴・河井青葉・木村了
Time Capsule of FAST
前回出演時のインタビューの答えと現在の小野寺さんの答えに変化はあったのか?
是非、前回出演記事と比べてご覧ください。
欠かせないもの
「音楽」(2020年2月)
変わってないですね~。当時、日本のRPGゲームのサントラを聴いていると言っていたと思うんですけど、今でもゲーム音楽のリミックスを聴いていることが多いです。あと、最近聴き始めたのは「ボサノバ」。僕が小さい頃、おじさんが車でいろんな所へ連れて行ってくれていたんですが、その車の中で流れていた音楽が成長してもずっと気になっていて。最近その時の曲が「ボサノバ」というジャンルの音楽だったことを知ったんです。「あぁ、ラジコン飛ばしに行ったな~」とか「空き地で紙飛行機飛ばしたな~」とか、子供時代を思い出して懐かしい気持ちになります。
小野寺晃良の軸
「とにかく考える」(2020年2月)
これも変わらない。というより中学生の頃から考えるタイプなので、この先もずっと変わらないんじゃないかな。ただ、自粛期間中、ひたすら家でゲームをしていた時はゲームの攻略法くらいしか考えることがなくて(笑)。なので、2020年を振り返って「とにかく考える」というのは自分の軸とは言えないかも…(笑)。
座右の銘
「なるようになる」(2020年2月)
「なるようになる」か「No pain, No gain.」のどちらかですね。後者は「欲しいものを掴むためには、何かを手放さないといけないよね」といった意味の言葉なんですが、「痛みなくして手に入れられるものはない」と僕は思っているので…。今回は「No pain, No gain.」でいきましょう(笑)。ただ、どちらの言葉にも通ずるものはある気がしています。目的達成のためにあまり感情的になりたくないタイプなので、自分自身がドライでフラットな状態でいるための座右の銘です。
小野寺晃良
おのでら あきら
1999年7月16日生まれ。
複雑に絡み合う“世界の理”を熟考しシンプルな弦で音色を奏で、観る者の心を揺さぶってくれる21歳。
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:糟谷美紀
スタイリスト:カワセ136
インタビュー・記事:満斗りょう