奥平大兼
日本テレビ『ネメシス』
「初めての芝居方法でした」と語る
奥平大兼の新境地に触れた“AI開発者役”
奥平さんのお話を初めて聞いた時に思ったこと。それは「何て興味の幅が広い方なんだろう」ということ。あれが好き、これが好き、口にするだけならいくらでも言える現代で、彼の「好き」には対象物の根底を「知りたい」という一種の欲が垣間見える。欲と共に併せ持つ、ライティング、雰囲気、周りに立つ人々によって“表現”を変える役者としての素質。 “奥平大兼”として得てきた様々な知見が、多種多様な“役”として昇華される時、私たちの心は彼の演技のトリコになってしまう。そんな奥平さんが「初めての経験だった」と語る『ネメシス』のお話をたっぷりお聞きしました。
日本テレビ『ネメシス』
<あらすじ>
“すべての事件が、最後の謎につながる。”ポンコツ探偵と天才すぎる助手が、超難解な事件を次々解決!無関係なはずだった事件は連鎖し、驚愕の真実が浮かび上がる…極上のミステリー・エンターテインメント!『ネメシス』とは、正義の鉄槌で悪を砕くギリシャ女神。そんな名前が付けられた謎多き探偵事務所に集まりし、天才的ヒラメキを誇るが無鉄砲なアンナと、ポンコツだが人望に厚い自称天才探偵の風真が、お互いを(おもにアンナが風真を!)助け合いながら、難事件に挑んでいく。これまでの広瀬すず、櫻井翔のイメージを覆す、新しい凸凹バディが日曜の夜に大活躍!凸凹バディのコミカルで笑えるやり取り、そして、超難解な謎を解いていく2人の姿をお楽しみに!更に!毎話、アンナと風真をサポートしてくれる強力な助っ人が次々登場!まるで『オーシャンズ11』のような、ワクワクするチーム戦を繰り広げます。
<姫川丞位>
チームネメシスのナルシストなAI開発者
姫川丞位 × 奥平大兼
まず姫川は「とにかく頭の良い人」です。その上、生活から何から全てがスマート。パッと見ただけで「この人は綺麗な人なんだろうな」といったイメージが湧くスラッとした人だと思います。17歳にも関わらず、天才的なプログラミングと圧倒的な技術力で大人を助けるって相当すごいことじゃないですか。大人でも人ひとり助けるのは大変なことなのに、17歳がそれをサラッとこなしてしまうって…向かうところ敵ナシの子だと思います(笑)。
台本を読まれる前から
「姫川はこういった役です」という
イメージは教えられていたんですか?
イメージというよりは「天才だけどナルシストなAI開発者」ということだけ聞いていました。本当に大まかな部分だけを教えていただいている状態で台本を読んだんですが、風真さん(櫻井翔)に対しての当たり方などを台本で知って「ヤバい奴だ!」と思いました(笑)。本当に何を考えているか分からない人なんです。
オリジナル脚本である今作。
原作がない分、オリジナリティを加える幅も
広がるのかな?と思ったのですが。
『ネメシス』は本当にキャラクター一人ひとりの個性が魅力的で、共演者の方々も自由に演じられている現場です。僕の演じる姫川が今度どうなっていくのかは分かりませんが、「だんだんと人間味が出てくるんじゃないかな」と思っています。極端な言い方をすると、僕は姫川のことを「ロボットみたいな人だな」と思っていて。自分の最低限の仕事しかやらないし、頼まれたことや言われたことに対しても最低限のことしか答えない、みたいな(笑)。それが『ネメシス』の皆と関わることで、人間関係に対して興味が湧いてきて、人の気持ちなどをだんだんと理解していくんじゃないかと期待しています。今、第4話を撮影し終わったところなんですが、4話に関しては大きな工夫は一切なしで単に「ロボット味のある人間」を意識して演じていました。これから撮影が進んでいくうちに人として個性的な部分を表現していけたらいいな、と思っています。演じていくのが楽しみです。
「AI開発者役」
だからこその難しさはありましたか?
タイピングに集中しながらセリフを言うのはすごく難しかったですね。今までにやったことのない芝居でしたし、何かに集中してセリフを言う練習をしたことがなかったので「こういう風にしないといけないんだ」と勉強になりました。
練習にも工夫を取り入れて?
はい。今回、セリフがすごく長いんです(笑)。結構時間をかけて覚えるようにはしていたんですが「普通に言うだけだとダメだな」と。日常生活をしながらスラスラと言えるくらい、セリフを染み込ませようと思って練習していたんです。例えば冷蔵庫を開けながら、水を汲みながら、とか。でもそれって集中しなくても出来ることじゃないですか。今回は「集中しながら言う」必要があったんですよ。いざ本番になった時に「集中しながら言う練習をすれば良かった…」と初めての経験に戸惑いました。セリフの長さも相まって、結構噛みましたね(笑)。
長い上に難しいという…(笑)。
そうなんです。言っている言葉が難しいですし、普段使わないような言葉が多く出てくるんですよ。同じワードが違う場面で出てくることも多かったので、その後に違うシーンのセリフの言葉がパッと出て来ちゃったりすると「うわ!」と焦りましたね。これ以上にセリフが難しい役もなかなかないんじゃないかな。櫻井さんは毎回事件の説明をしないといけないので長ゼリフが多いんですが、それをスラスラとやられているのは本当にすごいと思いました。めちゃくちゃお忙しい方のはずなのに完璧にこなされていて。「プロだな」と改めて刺激をいただきました。
Highlight of『ネメシス』
作品の見どころはコミカルでサスペンスフルな「面白さ」。それに加えて、先ほども言ったようにキャラクター一人ひとりの個性が豊かで幅広い方に観ていただける作品だと思います。ミステリー作品としての謎解き要素もしっかりと作りこまれているので、様々な角度から楽しんでいただきたいです。
Highlight of 姫川丞位
姫川は風真さんやアンナ(広瀬すず)を手助けする助っ人役。人間が成しえない限界を超えた作業をAIを使ってハイテクにこなしていきます。一番最初は「なんだコイツ」と思われるかもしれないんですが、ドラマを通してだんだんと成長していくので、その成長を楽しんでいただけたら嬉しいです。
奥平大兼
おくだいら だいけん
2003年9月20日生まれ。
物事の奥に潜む“物語”を掬い上げて、飲み込むように自身の心の一部にする〈吸収力〉に優れた17歳。
フジテレビ4月期木曜ドラマ『ネメシス』にも出演中。
日本テレビ『ネメシス』
毎週日曜よる10:30放送
出演:広瀬すず 櫻井翔
勝地涼 中村蒼 富田望生 三島あよな/山崎紘菜/橋本環奈
仲村トオル/石黒賢/真木よう子/江口洋介
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:谷川一志
スタイリスト:伊藤省吾
インタビュー・記事:満斗りょう