稲葉友
「御曹司ボーイズ」「エダニク」、
人気俳優の芝居の原点はあの頃の自分—
ドラマ『御曹司ボーイズ』
頭脳明晰で優しいテル。稲葉さんから見たテルはどんな人でしたか?
テルはいいやつ。それを前提として話すと僕自身、特別テルを「優しい」とは思わなかったかな。優しいにも色んな種類があるじゃないですか。テルの「優しい」は雰囲気が柔らかかったり、怒らなかったりそういう種の優しさ…視覚化できる優しさというか。実際は結構わがままなやつだと思います(笑)
何だかテルに親近感のある可愛らしさを感じました!役作りで意識したことはありますか?
御曹司役だったので、完璧に出来ないといけないことが多くてそれに苦労しましたね。「テルがやっていそうなことをやってみよう」と思ったんですけど、高いワインとか料理とか、お金のかかるものを揃えるのは大変だし…そう考えていた時に「そうか、見せたいのは本当の御曹司ではないんだ!」と気づいたんです。僕たちが想像しうる御曹司、それが大切なんだな、と。友達に「御曹司ってどんなイメージ?」って聞いたりしてそのイメージに乗っ取って演じることを意識しました。
役作りで見つけ出した御曹司像、是非、注目したいポイントですね。そんなテル…ではなく稲葉さんならどんな女性を選びますか?
僕は、直観かな。
人間ってパフォーマンス以上に目を惹く瞬間があると思うんです。「この人だ!」って感覚が引っ張られる瞬間。外見っていうと聞こえが悪いけど…ビジュアルから溢れる情報は大事ですね。あ、でも無条件にキュンとするものもあります!結構マニアックなんですけど、自動改札機で残高が足りなくて「あ!」ってなってる人を見るとキュンとしちゃいます。あの意識がいきなり飛び出す瞬間がたまらなく可愛い。これに関しては女の子じゃなくても可愛い!人類みな可愛い!(笑)
舞台『エダニク』
食肉加工センターという珍しい設定での舞台。本を読んでどんな想いが湧いてきましたか?
実はこのお話をいただいたのは2年くらい前。最初に本を読んだ時、すごい面白い!是非やりたい!と思いました。でもそれからしばらく何の動きもなくて。どうなったのかな?と思っていた矢先に今回の上演が決まったんです。僕の頑張り次第でどこまでも面白くなるって確信している作品なのでどんな入り口でもいいから、劇場に足を運んでくださったら嬉しいです。
欠かせないもの
“自分自身”
芸能活動10年目。
過去の自分と対峙する機会が多くなって改めて、「過去の経験が今に繋がっている」と思うようになりました。5年くらい前、1年に演劇を5、6本していた時期があったんです。その時、舞台自体はすごく面白いのに僕の力不足でお客さんを呼べないことがあって。純粋に悔しかったです。それからは「自分の面白いと思った舞台に来て欲しい」という想いで映像のお仕事の方もやらせていただくようになりました。舞台からの逃げではなく、「色んなことを学ばせてくれた舞台に還元する」という気持ちで。あの頃があるから、今がある。そんな風に思うと欠かせない経験だったと思いますね。
稲葉友のポリシー
“朝、のんびりする”
これは絶対!(笑)忙しいスケジュールが続いていても、これだけは譲れないです。お風呂、コーヒー、朝ご飯、そしてボーっとする時間。最低でも家を出る1時間前には起きていたい。遅刻してイイことなんて一つもないですからね。
座右の銘
“悲観的に準備して、楽観的に遂行せよ”
準備している時は多少不安なほうがいい。その方が抜け目なく準備出来るし、緊張感を持てるので。そして、そこまで準備出来たらあとはもう楽観的に!それが僕の7、8年変わっていない物事の通し方です。
稲葉友
いなば ゆう
1993年1月12日生まれ。洗練された高い演技力で俳優として活躍。また、独自の観点とウィットなセンスを活かしエッセイやラジオの仕事もこなす多才な26歳。
■舞台 エダニク
[公演期間]2019/6/22(土)-2019/7/15(月・祝)[会場]浅草九劇(東京都)
CREDIT:
パンツ/MARTIN ASBJORN
衣装提供:predirection
その他アイテム、全てスタイリスト私物
TEAM CREDIT:
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:金田紗世子(AXY)
撮影ディレクション:町山博彦
インタビュー・編集:満斗りょう