市川知宏
映画『野球部に花束を』は
撮影現場も
「久々に青春やっているな」
8月11日より全国で公開されるの映画『野球部に花束を』は、クロマツテツロウさんによるコメディ漫画を原作に“野球部あるある”が詰まった1作です。俳優・市川知宏さんは、野球は未経験だったものの、ピッチャー役を演じるためにピッチングの猛練習をしたそう。それ自体がまるで部活のようだったという撮影現場を振り返ってもらいました。
<あらすじ>
中学時代の野球部生活に別れを告げ、高校デビューを目指し茶髪に染めて入学した黒田鉄平。夢見たバラ色の高校生活 は、うっかり野球部の見学に行ってしまい、あっけなくゲームセット。 新入生歓迎の儀式で早々に坊主に逆戻り、、、練習以前 に、グラウンド整備や白線引きにすら怒鳴られる日々。おまけに一目惚れした同級生は、なんと先輩の妹(手を出したら、即 死)。そしてヒエラルキーの頂点に立つのは、ヤバい見た目と言動で三年生をも震え上がらせる最恐の監督。強くはない、けど 別に弱小でもない。そんな中途半端な並の都立高校野球部で、助け合ったりいがみ合ったりしながらも生き延びていく黒田ら一年生。そして、恐れていたはずの“伝統”に、気がつけば自分たちも染まっていた……。
市川さんは中学時代はサッカー部だったと聞きました。劇中では、「野球部とサッカー部は仲が悪い」という
ネタもありましたが……。
僕の場合は、野球部の人たちもクラスメイトで、全然バチバチではなかったです(笑)。でも、野球は硬派でサッカーは軟派みたいなイメージはたしかにあったかもしれません。競技は違いますが「試合に勝ちたい」とか「練習しんどい」といった部分は共感できました。
市川さんも含め、
ほとんどのキャストが坊主頭ですね。
高校野球イコール坊主頭なイメージですよね。以前も役で坊主になったことがあったのですが、そこまで抵抗はありませんでしたが、やっぱり撮影期間中はプライベートであまり人に会いたくなかったかも……。だって絶対イジられますから(笑)。
頭の形が良いと坊主が似合うと言いますよね。
みんな似合っていましたが、特に主演の虎汰朗くん(醍醐虎汰朗)の坊主姿がいちばんですよね。撮影前は役作りでヤンチャな雰囲気の髪型にしていたんですが、いざ坊主にしてみたら、「そっちのほうがいいんじゃない?」って言われていました。キリッとした顔立ちの人は坊主が映えると思います。先日、声録りのために久々にみんなと顔を合わせたんですが、「髪伸びたね~!」と盛り上がりました。坊主じゃないのが逆に新鮮でした(笑)。
撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
本格的な撮影に入る前に、まず野球の練習をする期間がありました。野球部らしい空気を作るために、僕含め1年生を演じるキャストは、実際の年齢関係なく率先して雑用をするようにしていました。一緒に過ごす時間も長かったですし、そういう関係性が映像にも出ているんじゃないかと思います。
市川さんが演じた森毅はどんな役ですか?
1年生のピッチャーです。基本的には冷静で勉強もできる優等生ですが、彼の中の“正義スイッチ”が入ると暴走します。女の子に対しては不器用な一面もあって、時折、熱い硬派な性格を発揮するキャラです。
市川さん自身は野球未経験だったんですよね。
ピッチャー役なんですが、僕自身はキャッチボール程度しかやったことがなくて、硬球を触るのも初めてで……。「こんなに硬いボールを使っているんだ!」というところが、まず驚きでした。投球に説得力を出すために、フォームから指導して頂きました。球を投げる動作って、突き詰めていくとすごく複雑で繊細で難しかったです。リリースポイントや足を置く位置など、自分の投げ方とプロの投げ方を動画で比較しながら細かく調整していきました。だんだんストライクがとれるようになってきて、手応えを感じると「部活やっているな」という気持ちになれました。
すごく大変だったとは思いますが、
お話を聞いているぶんには、
なんだか青春っぽくて楽しそうですね。
それは僕も感じました。久々に青春やっているな、と。映画を観た人にも青春を味わってもらえたらうれしいです。
劇中で市川さんが特に青春を感じたシーンは
どんなものですか?
1年生5人で、階段に座ってたわいもない話をしながらお弁当を食べるシーンがあるんです。あとになってみると、こういう何気ない瞬間がきっと青春なんだと思いました。
市川さんご自身の
「あれって青春だったな」という思い出を
教えてください。
高校時代は部活に入らず、時間が有り余っていたので、放課後はとにかく自転車に乗っていました。
ロードバイクですか?
いえ、普通のママチャリで往復20キロ走っていました(笑)。お金もないから、どこか行ったところで大したこともできないんです。なんとなく景色見て、アイス1本買って食べて、それでもう帰る。身になることは何もなかったけど、あれは僕なりの青春だったかもしれません。あとは勉強でしょうか。当時は「こんなこと覚えて将来役に立つのかな」と面倒に思っていたけど、ただ勉強だけに打ち込めるのは貴重な時間だったなぁと今になって思います。
最後に『野球部に花束を』の見どころを
お願いします。
野球に対する熱い思い、試合に勝ったときのうれしさ、レギュラーに選ばれたうれしさ、そして選ばれなかった悔しさ……。作品の中に、みなさんが経験した青春と重なるものがあるはずです。大人の方には懐かしく感じてもらいたいですし、まさに青春の真っ只中にいる方には、今の時間をさらに大切に感じてもらいたいです。単純にくすっと笑えるシーンも多いので、「何も考えずに楽しみたい!」という方にもぴったりです。
市川知宏
いちかわ ともひろ
スラッと高身長でそこにいるだけで存在感がある市川さん。オフショットを撮影時には市川さん自らライトの場所を確認してくれたり、撮影していたスタッフに合わせて少し小さくかがんでくれたり、とても親切にしていただきました!和気あいあいと楽しい取材でした!
映画『野球部に花束を』
8月11日(木・祝)より全国ロードショー!
演:醍醐虎汰朗 黒羽麻璃央 駒木根隆介 市川知宏 三浦健人 里崎智也(野球解説者) 小沢仁志 髙嶋政宏
原作:クロマツテツロウ『野球部に花束を ~Knockin’ On YAKYUBU’s Door~』(秋田書店「少年チャンピオン・コミックス」刊)
主題歌:電気グルーヴ「HOMEBASE」
(C)macht inc.
音楽:海田庄吾
監督・脚本:飯塚健
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:花房みなみ
スタイリスト:カワセ136
ディレクション:半澤暁
インタビュー:原田イチボ
記事:原田イチボ、近谷奈生