鈴木康介
お芝居は非日常を体験できるのがおもしろい
2018年に初舞台を踏んで以来、数々の作品に出演。2023年にはドラマ『ジャックフロスト』ではW主演を務めるなど、着実にキャリアを積んでいる鈴木康介さん。俳優デビュー5周年を迎え、感じている芝居の楽しさや自身の進化、さらには今後の展望まで、鈴木康介の“今”に迫ります。
©ABC・DLE
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〈あらすじ〉
主人公・百瀬ひかる(若月佑美)は、とある大事件から立ち直るため“2度と恋はしない”と誓ったが、ひょんなことから誰もがうらやむセレブ男子たちと共同生活を送ることに。ところが、“好きな食べ物を栄養素で答える男”“とにかく上から目線の男”など、一癖も二癖もあるクセ者揃いで……。
2023年で俳優デビュー5周年を迎えましたが、当初とくらべて進化したと感じる部分はありますか?
前回、「FAST」さんに出させていただいたのっていつ頃でしたか?
2019年7月ですね。
たぶん、その頃とくらべたら全然違うとは思うんですが、恥ずかしながら成長したと感じられる部分が1個もなくて。いまだに、新しい作品に入って台本をもらうときはワクワクするし、クランクインの前日はまったく眠れないし……逆にそろそろ慣れたいです、この仕事に(苦笑)。まぁよくいえば、毎回初めて現場に入ったときの気持ちを忘れていないということなのかもしれませんが。
お芝居に対する取り組み方などで変化を感じることは?
当たり前ですが、監督が変わるとお芝居のしかたも変わるんですよね。前の現場ではこういう演技をするように言われたけど、次の現場ではそれがダメだったりとか。なので常に新しい仕事を始める感覚があって、慣れないのかもしれません。あっ、あと、本番前の「用意、スタート」という声にもいまだに慣れないです。
ドキドキしてしまう?
ホントに心臓が飛び出るんじゃないかってぐらい緊張します。そのぶん、「OK!」と言われたときは“よっしゃ!”という気持ちも大きいんですけどね。僕はずっと、10回のうち1回しか成功しないようなお芝居をやりたいと思っていて。もちろん、10回やって10回ちゃんとできることが前提としてあるんですが、そのうえで10%しか出せないようなものも常に求めていきたいなと思っているんです。だからこそ、「OK」が出ると……しかも自分なりにギリギリのところを攻めたときだったりすると気持ちいいですよね。“やった!”ってなります
役者の方から、監督の「OK」の言い方で、どの程度の“OK”なのかがわかるというお話もよく聞きます。
そうなんですよ。だから僕、「今の“OK”までの間は何ですか?」と聞いたことがあります。
実際にお聞きになるんですね!
そしたら、「使いどころを考えていた」と言われました。そういうことはよくあるらしいです。でも基本的には、監督がOKと言っているんだから大丈夫だと、自分に言い聞かせながらやっています。
では、今感じているお芝居のおもしろさは?
やっぱり、見たことのない世界を見られるところですね。今回はセレブを演じていますが、1話で女性に囲まれているシーンがあるんです。そんなの普段はないことだから、“こんなに俺、モテるんだ!”みたいな(笑)。そんなふうに非日常を体験できるのがおもしろいなって思います。
二十歳で俳優を始めて、2023年の誕生日で26歳を迎えましたが、心境の変化はありますか?
僕、26歳にしてキャンプデビューしたんですよ!
人生初キャンプということですか?
そうです。今、『CAMP RADIO』というラジオのパーソナリティをやっているんですが、それがアウトドアについてお届けする番組なんですね。僕、普段はスーパーインドアで一生家から出ないので、なんでお前がパーソナリティをやってるんだって話なんですけど(笑)。でも去年、番組の企画で初めてキャンプに行ったら、とても楽しかったんです。
新たな楽しみを知ったわけですね。
僕はいつも、一つの作品がクランクアップするたびに失恋したような気持ちになるんです。ずっと一緒にやってきたみんなとお別れするのが悲しくて。でも、そんなふうに気分が落ちているときにキャンプに行って自然に囲まれていたら、すごくリフレッシュできたんです。26歳にして森を知りました。
2024年はどんな年にしたいですか?
いろんな作品に出たいというのはもちろんなんですが、“鈴木康介といえばこの作品だよね”という作品に出会えたらいいですね。もちろん、
こんな作品や役をやってみたいというものはありますか?
これは、ずっと言っていたら実現すると思って一年ぐらいずっと言い続けているんですが、一人舞台をやるのが今の目標です。今はまだ、一人で何公演も満席にすることはできないので、もっともっと名前を売って、5公演ぐらいは満席にできるんじゃないかって思えるぐらいになったら挑戦したいですね。できれば僕が舞台デビューした浅草の劇場で、“俺も一人でできるんだぜ”という姿をお見せしたいです。
一人芝居では、どんなことをやってみたいですか?
まだ具体的には考えていないんですが、自分の好きな脚本家さんや演出家さんにお願いして、一緒に作っていきたいなと思っています。一人芝居って、もう何も言い訳できない状況じゃないですか。僕、基本的に誰かに頼ってしまったり、逃げ出したくなってしまったりするんです。今回も、若月さんに芝居の部分で頼ってしまっていますし……。なので、誰にも頼れない環境に置かれたら、自分はどうなるんだろうっていうのを知りたいですね。
鈴木康介
すずき こうすけ
1997年12月19日生まれ。
インタビューでは周囲も巻き込み、幾度も笑いを生みながら楽しそうに話してくださった鈴木さん。ふにゃっとした柔らかい笑顔と、一人舞台の目標を語るまっすぐな瞳が印象的です。思いがけず低く響く声にスタッフはしっかり聞き惚れてしまいました。お久しぶりの登場、ありがとうございました!
最近の出演作に、映画『正欲』(‘23)、YTV『彼女たちの犯罪』(‘23)、Netflix『君に届け』(‘23)、MBS『ジャックフロスト』(‘23)、ABC『アカイリンゴ』(‘23)などがある。
©ABC・DLE
『セレブ男子は手に負えません』
ABCテレビ(関西) 2024年1月21日(日)スタート 毎週日曜夜11:55~
テレビ朝日(関東) 2024年1月20日(土)スタート 毎週土曜深夜2:30~
※ほか地域でも放送予定。ABCテレビでの放送後、TVer・ABEMAで見逃し配信!
【キャスト&スタッフ】
出演 若月佑美 鈴木康介 本田響矢 井手上漠 中尾暢樹 他
脚本 岡田真理
音楽 LOVE(Kafkino INC.)
主題歌『恋と呼ばないで』ほのかりん(フォーライフ ミュージック)
企画・プロデュース 清水一幸
プロデューサー 松崎智宏 菊地謙次
奈良井正巳 大畑拓也(エー・ビー・シーリブラ)
監督 根本和政 倉木義典
制作協力 エー・ビー・シーリブラ
制作著作 ABC・DLE
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:加藤まり子
スタイリスト:森本裕治
インタビュー:林桃
記事:林桃/緒方百恵