鈴木康介
ドラマ『セレブ男子は手に負えません』
ジェットコースターのようにお芝居の振れ幅が大きかった
ドラマ『セレブ男子は手に負えません』(ABCテレビ)に、超絶セレブ男子・西園寺シオン役で出演する鈴木康介さん。役を演じるにあたって心がけていることや、共演者の印象や撮影中のエピソードなど、思い入れたっぷりに語ってくれました。

©ABC・DLE
<あらすじ>
主人公・百瀬ひかる(若月佑美)は、とある大事件から立ち直るため“2度と恋はしない”と誓ったが、ひょんなことから誰もがうらやむセレブ男子たちと共同生活を送ることに。ところが、“好きな食べ物を栄養素で答える男”“とにかく上から目線の男”など、一癖も二癖もあるクセ者揃いで……。

鈴木さん演じる西園寺シオンは
俺様キャラですが、演じているうちに見えてきた
新たな一面はありますか?
シオンは一見怖くて高圧的なんですが、実はそれは強がりで、意外に繊細で脆い部分もあったりするんです。とても人間味溢れる人物だなと思います。
シオンのように、ある意味デフォルメされた
キャラクターというのは演じやすいですか?
難しいですね。僕は今まで、“こういう人いるよな”という人を演じたり、ナチュラルなお芝居を求められることが多かったんですが、今回は“俺様キャラ”で周りに参考になる人もいないので(笑)、“架空の人物を演じている感”が強いんです。あと、シオンは常にスーツを着ていて、寝るときもヒョウ柄のガウンだったりするので、ゆったりしたスウェット姿とか、気を抜いた姿がいっさいないのも大変でしたね。撮影現場で衣装を着た瞬間にスイッチを入れて臨んでいました。

衣装やヘアメイクには、鈴木さんの意見も入っているのですか?
今回、ヘアメイクの方といっぱいお話ししながら、すごくこだわってシオンを作っていきました。例えば、普段の髪型はビシッとキメているんですが、強く見せたいシーンとかは髪の毛をたらしたりとか。あと、最終話に近づくにつれて肌の色をちょっと黒くしたりとか。
それは、健康的に見せるために?
そうです。僕自身はすごい肌が白いんですが、最初のほうはそれを生かして、シオンの冷酷な感じを表現しているんです。それが、だんだんと人間らしくなっていくのに合わせて血色をよく見せたいなと思って。あと、シオンが精神的に弱っているときは髪型も変えているので、ぜひそこにも注目してほしいです。気づいてもらえるかな~。
脚本を拝読すると、毎回、食事のシーンが
おいしそうでおなかがすきました。
とてもおいしかったです! 今日もパンを食べるシーンがあったんですけど、計3枚も食べちゃいました。食事のシーンはついつい食べすぎてしまうんですが、どれだけたくさん食べても、撮影期間中はどんどん痩せていくんです。

普段から体重が落ちやすい体質なのですか?
いや、普段は僕、太りやすいです。たぶん、今回のお芝居はものすごくカロリーを消費しているんでしょうね。なるべく体重維持をしようとがんばってはいるんですけど……今日も、現場に来たら「かなり痩せたね」って言われちゃいました。
天羽律役の本田響矢さんとは、
ドラマ『ジャックフロスト』以来の共演ですね。
そうなんですよ。(『ジャックフロスト』を)撮影していた時期からだと、響矢くんに会うのは1年ぶりくらいですかね。
本作の公式ホームページで「キャスト表で響矢くんの名前を見たときは、思わず声が出ました」とコメントされていましたね。
はい、ホントに(声が)出ました(笑)。
出演が決まったときは、本田さんと連絡はとり合ったのですか?
「響矢くん、1月クールのドラマ、一緒だね」とLINEしたら、「そうだね」と返ってきました(笑)。そのときはそんなふうに軽い感じだったんですけど、クランクインして2日目に麻布十番で撮影があって、次の日が休みだったので撮影後に二人でお寿司を食べにいきました。
麻布十番でお寿司!
いやいや、そんな高級なお店ではないですけど(笑)。そこで、二人で決起集会みたいな感じで「がんばっていこうね!」って話したのがすごく楽しかったです。

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やはり、気心のしれた方が共演者にいると心強いですか?
そうですね、心強かったです。響矢くんとはずっと一緒にやってきたので、あうんの呼吸というか、何も言わなくても意思が通じる感覚があるんです。
ほかのキャストの方とは初共演?
みなさんはじめましてではあるんですが、若月(佑美)さんや(中尾)暢樹くんは出演されているドラマを拝見していたし、(井手上)漠ちゃんは“かわいすぎるジュノンボーイ”として知っていたので、お会いできるのを楽しみにしていました。
一緒にお芝居をしてみての印象はいかがですか?
楽しいです! 撮影が進むにつれてどんどん仲よくなって、ホントに笑いの絶えない現場だったんですよ。みんなでしっかりお芝居をするのは今日が最後だったので(取材は12月下旬)、「寂しいね」って話しながら撮影したんですけど、終わってしまった今、ものすごく寂しいです。でも、みんなで「打ち上げをしたいね」と話しているので、実現するといいなぁ。
撮影期間中、特に思い出に残っていることは?
撮影が始まったばかりの頃、若月さんが企画してくれてみんなで焼肉にいったんです。そこでみんなと仲よくなれたので、すごく思い出に残っています。
そのときは、どんなお話をされたのですか?
ホントにもう、くだらない話です。「好きなタイプはどんな人?」とか(笑)。仕事の話はいっさいしなかったんじゃないかな。

劇中で、シオンは主人公・百瀬ひかる(若月佑美)に影響を受けて変わっていきます。そうした変化をどのように演じていきましたか?
今回は順撮りではなく、1話を撮ったら10話を撮って、次に8話を撮って~というようにバラバラだったんですよ。なので、“1話ではこういう感じで、こういうことがあって”とポイントをメモしておいて、それを確認しながら演じていきました。まるでジェットコースターのようにお芝居の振れ幅が大きくて、めちゃくちゃ難しかったです。
ご自身は、誰かの影響を受けて変わったという経験はありますか?
ありますあります! 毎現場毎現場、いろんな共演者さんとお芝居をすることで、ものすごく刺激を受けます。今回の現場でももちろんそうでしたけど、なかでも若月さんの座長としてのプライドみたいなものに触れたことは大きかったですね。いつもだと疲れてしまって“はぁ~”ってなっちゃうこともあるんですが、今回は現場で「疲れた」と絶対に言わないようにしようと決めていました。
それは、若月さん自身がそういう方だから?
それもあります。今回、若月さんと一緒のシーンが多くて、すごくがんばっている姿を見ていたので、僕なんかが疲れたって言えないなって。シオンがひかるに惹かれたのも、きっとそういうことなんだろうなと思いました。

座長の姿勢を見て、自然とそういう思いが湧き上がってきたのですね。
若月さんは視野も広くて、撮影のスケジュールが厳しいときは「大丈夫? 疲れてない?」とさり気なく声をかけたり、常にみんなを気遣ってくださるとてもステキな方です。
今回、ドラマ放送とWEBTOON連載の同時スタートというのもおもしろい試みですよね。
そうですね。普段、原作がある作品に出演するときは、初めにマンガを読んで“あっ、こういう感じなんだ”と頭に入れてから役作りをしていくんです。でも今回はそれがいっさいできないので、マンガの内容が自分の解釈と全然違ったらどうしよう!? みたいな怖さはあります。でも同時に、いったいどうなるんだろうっていうワクワク感と、マンガを読んで答え合わせができる楽しさもありますね。
本作以外でも、原作モノに出演する際はそういった怖さがありますか?
ありますね。ドラマ『君に届け』のときは、すごく人気のある原作だし、みなさんの期待を裏切ってもいけないというプレッシャーをすごく感じていました。原作があるときは、原作に対するリスペクトはもちろん、世界観を大切にしながら持てる力をすべて出すことが自分の仕事だと思ってがんばっています。
「セレブ男子は手に負えません」というタイトルにちなんで……ご自身の最近の“プチセレブ行動”を教えてください。
この間、夜遅い時間に撮影が終わった日があったんです。あまりにも疲れていたので、“今日はがんばったからいいか”とご褒美的な感じで自宅までタクシーで帰りました。普段は、ほとんどタクシーを使うことなんてないんですけど。

それはたしかに贅沢ですね!
でも結局、電車のほうが早く帰れたんですよ。それに、そのタクシー代でちょっといいTシャツを買えたなーとか思っちゃったりもして……(笑)。でも、シオンはセレブですからね! この経験も、きっと役作りに活かされたのではないかと(笑)。
では改めて、本作の見どころを教えてください。
1話は、迫力ある映像と共に登場人物のキャラクターをつかめるような内容になっていると思います。そこから徐々に“あれっ、この子たち、ちょっと闇があるんじゃない?”というところが見えてくるので、そこも楽しみにして見ていただけるとうれしいです。あとは、さっきお話ししたヘアメイクや衣装も見どころですね。
それは、どのあたりが?
全話あわせて、シオンは衣装を30着ぐらい着ているんですよ。そのなかには、柄シャツに柄のネクタイとか、ピンクのシャツにピンクのジャケットみたいな大胆な組み合わせもあるんですが、それがおしゃれすぎて! 普段、スーツをよく着る方も“こういう組み合わせもありなんだ!?”という発見があると思います。あと、劇中にはいろんな料理が出てくるので料理の勉強になったり、“こういうことを言うと嫌われるよ”みたいな人間関係の勉強にもなったり、学ぶことも多くておもしろいドラマだと思うので、ぜひ楽しみながら見てください!

鈴木康介
すずき こうすけ
1997年12月19日生まれ。
ドラマ撮影後に取材のお時間を頂いたのですが、疲れた様子を全く見せず笑顔で現れた鈴木さん。役衣装のスーツもさすがの着こなしで、ジャケットさばきが完璧でした。撮影の合間、「FASTさんって……」と4年以上前の前回出演時のことを覚えていて話しかけてくださり、スタッフは感激。後編では鈴木さんの“今”に迫ります! お楽しみに。
最近の出演作に、映画『正欲』(‘23)、YTV『彼女たちの犯罪』(‘23)、Netflix『君に届け』(‘23)、MBS『ジャックフロスト』(‘23)、ABC『アカイリンゴ』(‘23)などがある。

©ABC・DLE
『セレブ男子は手に負えません』
ABCテレビ(関西) 2024年1月21日(日)スタート 毎週日曜夜11:55~
テレビ朝日(関東) 2024年1月20日(土)スタート 毎週土曜深夜2:30~
※ほか地域でも放送予定。ABCテレビでの放送後、TVer・ABEMAで見逃し配信!
【キャスト&スタッフ】
出演 若月佑美 鈴木康介 本田響矢 井手上漠 中尾暢樹 他
脚本 岡田真理
音楽 LOVE(Kafkino INC.)
主題歌『恋と呼ばないで』ほのかりん(フォーライフ ミュージック)
企画・プロデュース 清水一幸
プロデューサー 松崎智宏 菊地謙次
奈良井正巳 大畑拓也(エー・ビー・シーリブラ)
監督 根本和政 倉木義典
制作協力 エー・ビー・シーリブラ
制作著作 ABC・DLE
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:加藤まり子
スタイリスト:森本裕治
インタビュー:林桃
記事:林桃/緒方百恵