浅香航大
ドラマストリーム『三人夫婦』
肩ひじを張らずに柔らかさを持って現場にいることを意識していた
放送中のドラマストリーム『三人夫婦』に、主人公・三津田 拓三役で出演している浅香航大さん。地上波ドラマ初主演ということで、撮影現場で心がけていることのほか、役作りについてや共演者とのエピソードなどもお聞きしました。

©「三人夫婦」製作委員会
<あらすじ>
主人公の三津田 拓三(浅香)は、元カノ・矢野口 美愛(朝倉あき)と、その彼氏・里村新平(鈴木大河)から“三人夫婦”にならないかと提案される。突拍子もないと一度は断る拓三だったが、“一年間のお試し期間”という名目で、なし崩し的に3人での生活をスタートさせる。セックスのルールや嫉妬心への向き合い方、親への説明など問題は山積みだが、拓三たちは共同生活を通じて、自分らしい幸せのあり方を模索していく。

脚本を読んだときの感想を教えてください。
最初にタイトルを聞いたときタイトルのインパクトが強かったので、どういうことなんだろう?と興味を持ちました。ひと言でラブストーリーといっても、純粋なラブストーリーもあれば、不倫ものやBLだったりといろんなジャンルがあるなかで、この作品はどういうテイストになるのかなとワクワクしながら台本を読ませていただきました。想像していたよりハートフルでコメディ要素も多く、ほっこりできる内容で、演じるのが楽しみになりました。脚本のテンポ感や空気感をうまく表現することができたら、きっと新しい形のラブストーリーとしておもしろい作品になるのではないかと感じました。
三津田 拓三を演じるにあたり、準備したことは?
今まで、クールな役だったり、ちょっと変わり者や、クセのある役を演じる機会が多かったんです。拓三はかわいらしいというか、憎めなくて愛嬌のあるキャラクターだったので、そこをどう表現していくかというところが、まず自分のなかでの挑戦でした。でも今回は、肩ひじを張らずにいい意味で力を抜いて臨もうと思っていたので。なるべく等身大の自分で表現することと、柔らかさを持って現場にいることを意識しています。
公式ホームページで、プロデューサーの箱森さんが「主人公の拓三はこじらせ堅物男ですが、本当は誰よりもやさしい男性。ふと見せるやさしい表情とかわいらしさを、浅香航大さんは完璧に演じてくださっています」とコメントされていました。ご自身も、そういう部分を大事にして演じましたか?
自分で言うのは、すごく恥ずかしいですけど、そうですね(笑)。意識をしたといっても、あざとく表現するのではなく。どの登場人物もかわいらしさや愛嬌を持っているので、拓三も、役にひたむきに向き合って純粋に演じることで、自然と出てくるんじゃないかなと思って。そこは脚本を信じて演じています。

髪型も、かわいらしい雰囲気ですよね。
このドラマの情報が解禁された後、髪型に対する反応をすごくたくさんいただいたんです。SNSも関係者の方にも髪型を触れていただくことが多くて。僕が今までしたことのない髪型だったということもあると思うのですが、僕自身はまったく意識していなかったですね。むしろ一番しっくりくると思っていたくらいで。
事前に話し合って、あの髪型に決まったのかと思っていました。
思い返してみると衣装合わせのとき、あの髪型にして行ったら、ヘアメイクさんも“あっ、こっち系なんだ!?”というリアクションだったんです(笑)。拓三は堅物で頑固な人というところで、もしかしたら七三(分け)で、おでこを出したスタイルなどをイメージされていたのかもしれないですね。結果的にすごくいいねということになって決まりました。
“三人夫婦”という聞き慣れない夫婦像ですが、演じる前はどのようなイメージを持っていましたか?
今は世の中が多様化していて、本当にいろいろな夫婦の形がありますよね。ただ、僕自身最初は“三人夫婦なんて考えられないでしょう”という気持ちが大きかったです。

©「三人夫婦」製作委員会
実際に演じてみて、いかがでしたか?
役のフィルターを通していえば、(三人夫婦は)たしかにいいこともたくさんありますが、やっぱり難しいこともあって……幸せの形って人それぞれだと思うんです。このドラマのテーマである“自分の力で幸せをつかみにいく”とか“社会の枠にとらわれずに幸せをつかむ”ということを念頭に置けば、もしかしたらあり得るかもしれないとは思います。
ちなみに今、ご自身が幸せを感じる瞬間は?
登山です。おとといも登ってきて、今、脚が筋肉痛なんですけど(笑)。山はいいですよ!鳥と会話をするというか、自分も鳥のように鳴いてみたりして(笑)。そんなことをやってみたりもします(笑)。

達成感もありますか?
あります。今回は残雪期だったので、ちょっと危険な場所もあったりしたんですよ。汗だくになるし過酷さもあるけど、疲労とともに達成感や幸せを感じます。
浅香さんにとって、本作が地上波ドラマ初主演となりますね。
主演としてお話をいただいたのはとてもうれしいですし、幸せなことではあるのですが、役者としての作品への向き合い方や、役作りのしかたは変わらないので、あまり気負わずにいこうと思っています。でも、いざ現場に入ると、自然に背筋が伸びるものですね。

座長として、現場で心がけていたことはありますか?
現場が円滑に、より楽しくなるように、なるべくみなさんとコミュニケーションをとることを意識しいます。朝倉さんは経験が豊富な方なので、頼らせていただくところもあります。大河は、ドラマ出演が2本目で緊張しているという話も聞いていたので、「これは、どうしたらいいですかね」みたいな彼の疑問なども共有しながら。「みんながのびのびと、自由に大胆に」をテーマに、それぞれが持っている力を十分に発揮できる現場であるようにと、意識しています。
鈴木さんとはどのようなお話をしたのですか?
大河も、日を重ねるごとにのびのびとやっているな、というのが伝わってきて。徐々に、セリフのなかでの動きやアドリブを提案してくれるようになったんです。結果的に「それはやめよう」となることもあったのですが、「挑戦することが大事だから」とか「やってみたけどダメだった、ぐらいでいいんだよ」ということは、よく言っていますね。
たとえば、どんなアドリブを?
料理をしている場面から、ちょっとしたラブシーンになる流れがあったのですが、なぜか大河が「(ラブシーンで)ニンジンを持っていたい」と言い出したんですよ(笑)。つながりを考えて、結果的には「それはやめましょう」ということになったのですが、個人的にそれが一番印象に残っています。

©「三人夫婦」製作委員会
朝倉あきさんと鈴木大河さんの役者としての印象を教えてください。
朝倉さんは、いろんな作品に出られていて百戦錬磨の方ですが、今回の役は特にご自身に近いんじゃないですかね。実際に朝倉さんも「私、美愛に近い感じだ」とおっしゃっていましたし。和やかな雰囲気をつくってくださりながら、お芝居に対してひたむきで、真摯に向き合っていらっしゃるのが伝わってきて。一緒にお芝居をして楽しかったし、頼りにもしていました。ただ、ちょっと天然なところもあったりして(笑)。ご自身のなかにいろんな言葉を持っていて、真面目で天然っていう。美愛と同様、すごく愛せる方です。
公式ホームページの「SP座談会!」でも、メインキャスト3人はみんな真面目だとおっしゃっていましたね。
そうなんです!現場では、冗談を言い合ったりすることもほとんどないですね(笑)。みんなひたむきにお芝居と向き合って、真面目な話しかしてないです。でも、ちゃんと自分を出せているし、ものすごく気を遣うこともなくて。そんなふうに3人でいる時間が心地いいです。大河も、真面目で一生懸命だなっていうのがひしひしと伝わってきます。ただ、大河もたぶん天然なんじゃないかな(笑)。
役者としての鈴木さんは、いかがでしたか?
本当に柔軟な心を持っていて、対応力もあって。拓三は堅物で、受けの芝居が多いので、新平のように自由度の高い役を楽しそうに演じている姿を見て、ちょっとうらやましく思います。純粋でクセもないので、いろんなことを吸収しながら、日を追うごとにどんどん生き生きしていくんですよね。

主題歌の「Cheek to Cheek」は、鈴木さんが所属するIMP.の楽曲です。
楽曲を聴く前から、大河が「まかせてください!がんばります!」と言っていたので、とても楽しみにしていたのですが、想像以上にカッコいい曲でした。気持ちが高ぶっていく感じのイントロも、ドラマとリンクしていていいですよね。
改めて、『三人夫婦』を楽しみにご覧になっている方へメッセージをお願いします。
非常にほっこりできて、笑えて、ドキドキできて、さらに勇気をもらえる温かいドラマです。タイトルはとても印象的ですが、ぜひ気楽に観てください。きっと一度観ていただいたら、次回が気になってやめられなくなると思います!

浅香航大
あさか こうだい
1992年8月24日生まれ。
すごく物腰が低く、丁寧に入ってこられた浅香さん。インタビューもそのままで、すごく丁寧に話してくださるのがとても印象的でした。お話しの中でもたくさんの方がいても質問を聞いた人と必ず目を合わせてお話しをしてくださる姿にとても紳士的で余裕のあるお人柄が溢れていました。インタビューの中で最近の流行の言葉を聞き驚きながも新鮮さを感じながら、「そんな言葉が流行っているんですか!」と目をキラキラにしている姿もあり、すごくキャップもある、素敵なお人柄でした。後編では30代を迎えられた新たな心境を伺っています!お楽しみに!
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ東京『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』(‘24)、読売テレビ「オクト― ~感情捜査官 心野朱梨~Season2」(’24)、映画では、『十一人の賊軍』(‘24)などがあり、4月25日より配信開始のDMM TV「ドンケツ」、同日公開予定の『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』。7月開幕のBunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』舞台を控えている。

©「三人夫婦」製作委員会
ドラマストリーム「三人夫婦」
TBS系 毎週火曜深夜0時58分~(※一部地域を除く)
「TVer」「TBS FREE」「Netflix」にて配信中
※Item Credit
ジャケット¥103,400
シャツ¥86,900
パンツ¥66,000
(すべてOVERCOAT/株式会社 大丸製作3 info@overcoatnyc.com)
その他スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:Ayane(Lomalia)
スタイリスト:根岸 豪(THE Six)
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿