【新田真剣佑】映画『ブレイブ -群青戦記-』スクリーンに映し出される「人間」をそして彼らの「成長物語」を目に焼き付けて

2021年3月19日

新田真剣佑

映画『ブレイブ -群青戦記-』
スクリーンに映し出される「人間」を
そして彼らの「成長物語」を目に焼き付けて

「和して同ぜず」という故事成語がある。和を乱すことなく、しかし自分自身を見失うようなことは決してしない、という意の成語だ。新田さんにお会いした時、瞬間的に私の脳裏に浮かんだ言葉である。決して「自分はこうだ！」と、主張をするわけではないのに、確実に“新田真剣佑”の「こうだ」がその場に響いている。揺るぎない根を生やしているからこそ、言葉一つ、所作一つから彼の信念がにじみ出ているのだ。「“自信”から出づる“信念”とはこんなに美しいものなのか」と感じさせていただいた、まだ寒いとある日の東京で、静かに想いを滾らせる“西野蒼”という青年の話を語っていただきました。

映画『ブレイブ -群青戦記-』

2021年3月12日（金）全国ロードショー

©笠原真樹/集英社

＜あらすじ＞

退屈な授業と、常勝を義務付けられた部活。“その日”は、彼らにとっていつもと同じ学校生活だった。自分に自信が持てない弓道部の西野蒼（新田真剣佑）は、部活にも力が入らないでいて、幼なじみの瀬野遥（山崎紘菜）と松本考太（鈴木伸之）も、そんな蒼のことを気にかけていた。いつもと変わらない日々の中だったが、一本の雷が校庭に落ちて、彼らの日常が一変する。学校の外の見慣れた風景は、見渡す限りの野原となり、校内には刀を持った野武士が襲来して、学校生徒はパニックに！次々と生徒が倒れていく中、歴史オタクの蒼は、学校がまるごと戦国時代、かの有名な「桶狭間の戦い」の直前までタイムスリップしてしまったことに気付く。果たして彼らは戦国時代を生き抜いて、平和な現代に戻ることができるのか？！いま、歴史上で決して語られることのなかった、前代未聞の高校生アスリートVS戦国武将による戦いが始まる！

<西野蒼＞

弓道のみならず、運動において驚異的なポテンシャルを持つが、大会や優勝には興味がない。引っ込み思案で歴史オタク。

西野蒼 × 新田真剣佑

もともと蒼は何でも考太に譲ってしまうような内気な性格で、考太の後ろにばかり隠れている男の子なんです。そんな蒼が作品の中で変化を遂げるからこそ、最初の蒼と最後の蒼のメリハリをちゃんと見せたくて。監督にも相談させていただき、微調整を繰り返しながら役を組み立てていきました。加えて、蒼を演じる上で重要だった「弓道」の流派についても撮影の数ヶ月前から勉強させていただきました。元々、流鏑馬で矢を射る経験はあったんですが、「弓道」は初めてだったので、映像に映る映らない関係なく流派ごとの違いをきちんと知っておきたいと思って。今回、実際に弓道を経験してみて、部活でやっていたらだいぶ極めていただろうと感じるほど楽しかったです。

現場で掴まれていった“西野蒼”。

撮影中に蒼について「発見したこと」はありましたか？

現場で「思っていたのと違うな」と感じたことは多分あったんだと思います。その時々で監督に「変えていいですか？」と相談させていただいて。（本広克行）監督は「気持ちが悪かったら気が済むまで何度でも、正解が見つかるまでやろう」というスタンスでいてくださったので、僕自身も思う存分やらせていただきました。僕はどの作品でも演じながら役を構築していくタイプなので、終わるまでは役のことを「もっと知りたい」と思っているんですけど、その時が必死すぎて撮影が終わると記憶が薄くなってしまうんです（笑）。

新田さん自身、演じながら

「蒼の変化」を感じた瞬間はありましたか？

確実に「（蒼が）ここで変わった」と思うシーンはあります。お墓の前で2人芝居をするシーンなんですが、演じた僕から観ても「すごく良いな」と思うほどのシーンで。蒼だけでなく、僕にとっても人生が変わった大切なシーンなので、是非、皆さんにしっかりと観ていただきたいと思います。

本広監督は現場の食事にこだわっていらっしゃったと

お伺いしたのですが、

実際に新田さんがテンションの上がった

メニューはありましたか？

ステーキです。肉の塊が出てきた時はテンションが上がりました。実際に食事で現場の士気って上がるんですよ。

本広監督が作ってこその今作だったんですね。

現代アスリート vs 戦国の男たち

両者のシンクロしている部分はありましたか？

僕らは「仲間を救って現代に帰りたい」という目標があって、かたや戦国の男たちにも果たしたいミッションがある。そういった部分では両者とも「一つの目標に向かって頑張っている」という共通点がある、と思いますね。

時代を超えた戦いだからこその「戦い方」も

この作品の魅力の一つですよね。

そうですね。僕も観ていて「面白いな」と思いました。現代組と戦国組、お互いの戦法や武器が全然違うからこそできる「工夫を凝らした戦い方」がこの作品らしさだよな、と。特に、特進クラスの戦い方は見どころの一つです。

Highlight of 映画『ブレイブ -群青戦記-』

「スタントなしのアクション」も見どころではあるんですが、僕個人としては「人間の成長」、スクリーンに映っている「人間たち」を観ていただきたいです。「大切な人から大切な人へ“想い”を繋いでいく」というメッセージが込められている作品なので、そこに映し出される登場人物たちの成長物語を観て、感じていただきたいと思います。あとは、緊迫したシーンの中に挟まれている笑えるシーンで和んでください。