佐野勇斗
NHK夜ドラ『おとなりに銀河』
演じる側が照れてしまうほど
恋愛描写が丁寧に描かれています
数々のドラマや映画作品に出演し、俳優として着実にステップアップを続ける佐野勇斗さん。2023年4月3日からは若者世代をターゲットにエンターテイメント性豊かな作品を放送するNHK夜ドラ枠にて、連続ドラマの初主演が決定。演じるのは、『good!アフターヌーン』(講談社)で連載中のSFラブコメディ、『おとなりに銀河』(作・雨隠ギド)の主人公・久我一郎。「両片想い」がテーマの本作では、手を繋ぐ、頭を撫でるといった恋愛ドラマにおいて何気ないアクションを、心理描写まで丁寧に描いているのが魅力のひとつ。作品や自身の役どころ、共演者の方々についてお聞きしました。
<あらすじ>
久我一郎は売れない漫画家。親を亡くし、幼い妹・まちと弟・ふみおを養うため、必死に漫画を描く日々を送っている。ある日、一郎の漫画に憧れてやってきた臨時のアシスタント、五色しおり。彼女の助けで一郎は締め切りぎりぎりの危機を脱するが、疲れて眠っているしおりの体の一部からとげのようなものが出ていることに一郎が気づき、確かめようとそのとげにふれた瞬間、狭い仕事部屋が宇宙に変わった!流れ星の民の姫だというしおりは、「とげにふれたことでふたりの婚姻関係の契りが結ばれました」と理解不能なことを一郎に告げる。さらに、「まずは恋愛から始めるべきなのでは?」と言うしおり。不思議な力によって離れていることが困難になったふたりは、同じアパートに住むことに。お互いの魅力を発見していく時間が始まる。恋愛初心者のふたりは、これからいったいどんな関係を育てていくのか?ふたりの恋の行き着く先は?

原作漫画『おとなりに銀河』を読んだ感想を
教えてください。
登場人物がみなさんそれぞれ想いを抱えているにも関わらず、他人に対する思いやりがあります。読んでいて優しい気持ちになれる、アットホームな作品だなと思いました。

ご自身が演じる久我一郎については
どんな印象ですか?
男手ならぬ兄貴手ひとつで幼い妹と弟を育てながら、漫画家として生計を立てている。久我家を支えていかなくてはという大黒柱的な部分がカッコよくて魅力的だなと思います。漫画家のアシスタントとして出会った五色しおりさんとの恋愛関係においては、慣れないなりに頑張っていて、芯がしっかりしています。
役柄について、自分との共通点と
似ていない部分を教えてください。
まず似てない部分から言うと、僕に一郎ほどの責任感はないです(笑)。僕は一郎と同じく長男で下に弟がいるのですが、家族にはつい甘えてしまいます。なので、一郎のことを見習わないとなと思います。似ているのは、周りの人に頼れないところ。僕は家族以外には甘えられない性格で、周りから手助けを申し出られてもつい「大丈夫だよ」と言ってしまうところはとくに似てるかもしれません。あとは意外に思われるかもしれませんが、人見知りなところも似てます。

漫画家役を演じるにあたって
役作りはされましたか?
実写映画にも出演させていただいた『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の作者である赤坂アカ先生と親交があったので、出演が決まってすぐに相談しました。漫画家っぽく見せるために色んな資料を送ってくださって、「手には汚れをつけたほうがいい」など細かいディテールまで教えてくれました。アドバイスを受けて実際に撮影を進めていて、漫画1ページにつきものすごい時間をかけているんだと驚いて! これから漫画を読むときは、背景までしっかり読もうと思いました。
妹のまちと、弟のふみお。
幼い2人と共演してみていかがでしたか?
ふみおが6〜7年くらい、まちも5年くらいとそれぞれ業界歴が長い子たちなんです。最初は敬語で「お願いします!」と挨拶してくれてしっかりした子たちだなという印象でしたが、撮影に慣れてきた今では「おはよう」の直後からちょっかいをだされるくらいの関係性になりました(笑)。本当の兄弟みたいに接してくれるので楽しいですね。休憩時間は走り回って無邪気なのに、本番になると監督の指示をしっかり聞いていて、あらためて子役ってすごいなと尊敬しました。末恐ろしい子たちです(笑)。

ヒロイン・五色しおり役を演じる
八木莉可子さんについてはいかがですか?
本読みの段階から監督の要望に柔軟に対応できる人だなという印象でした。真面目な人なのでいつも台本を読んでいるし、自分の中にある表現の引き出しを積極的に出すこともできる。また八木さんとご一緒する時間が増えるにつれて、本当に五色さんみたいな人だなと感じました。ピュアでフレッシュな心を持っていて、現場でスタッフと仲良く話しているし、とても良い雰囲気で現場を包んでくれるムードメーカーです。尊敬するし、学ぶことも多いです。
ヒロインの五色しおりと接していくうちに、
一郎は少しずつ変化と成長を遂げていますね。
そうなんですよ。一郎は本来、コミュニケーションが得意なタイプではないんです。まちとふみお、仕事関連の一部の人とは賑やかに会話できるけど、一郎が管理人を務めるアパートの住人とはあまり会話してこなかった。ほとんど他人との関係を閉ざしてたのが、五色さんをきっかけに交流とコミュニティが広がりました。一郎にとって大切で大きな存在になっているはずです。
そんな五色さんとの恋愛シーンを演じてみて
いかがですか?
今どきの恋愛作品はすぐに手を繋いだりキスをする印象があるなかで、そこへ至るまでにものすごく時間をかけるのが新鮮で面白いと思います。一郎と五色さんはハイタッチするのでさえも照れてしまうので、演じてる側まで照れてしまうんですよ。ひとつひとつの描写が丁寧すぎるくらいなので、より恥ずかしさがかき立てられますが、演じていて楽しい部分でもあります。

本作をご覧になる視聴者のみなさまへ
メッセージをお願いします!
月曜から木曜まで、ほぼ毎日15分放送される夜ドラ枠。やさしい気持ちになれる作品なので、1日の終わりに観て、明日からも頑張ろうと思ってもらえたら嬉しいです。そして放送開始が新生活スタートの時期でもあるので、みなさんの日々の励みになるような作品になったらいいなと思います。

佐野勇斗
さの はやと
インタビュー開始前、メディア各社のICレコーダーが佐野さんの前に雑多に置かれると、几帳面に並べ直して「佐野勇斗でーす。よろしくお願いしまーす」とレコーダーに向かってご挨拶。並べる最中にどこかのボタンを押してしまったようで、慌てて謝る姿に早くも周りは和やかなムードに。後編では撮影現場での様子を詳しくお尋ねします!
夜ドラ『おとなりに銀河』
2023年4月3日(月)放送開始 <全32回>
NHK総合 毎週月~木 よる10時45分(各話15分)
【原作】
雨隠ギド『おとなりに銀河』
【脚本】
三浦有為子
【音楽】
小田切大
【主題歌】
有華『HAPPY DATE』
【出演】
佐野勇斗 八木莉可子 小山紗愛 石塚陸翔 北香那 本多力 中田クルミ 大津尋葵 坂田梨香子 河井青葉 前川泰之 ほか
【制作統括】
谷口卓敬(NHK) 高城朝子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】
石井永二(テレビマンユニオン)
【演出】
岡下慶仁(テレビマンユニオン) 熊坂出 國領正行
※Item Credit
・ニットベスト¥90,200
・ニット¥136,400
・パンツ¥102,300
/以上メゾン マルジェラ
(マルジェラ ジャパン クライアントサービス/0120-934-779)
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ディレクション:半澤暁
スタイリスト: 伊藤省吾 (sitor)
インタビュー・記事:井上ハナエ