細田佳央太
TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』
「あなたのやり方を貫いて」
かけがえのない“ひとり”に届けるメッセージ
桜の木は樹皮からピンクだということを知っているだろうか。私がこの話を知ったのは中学2年生の国語の授業でのことだった。大人になった今でも教科書に書かれたこの話をずっと覚えている。春、あれだけ繊細に人の心を魅了する桜の花、桜色。桜たちは、瞳に映らない部分でも〈自分〉で在り続けている。他者が揺らがせることなど出来ぬほど真っ直ぐに――そんな教えをくれる学校教育も今になると愛おしい。桜のようにぶれない心幹で山を登り続ける細田さんに聞いた『ドラゴン桜』のお話。
TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』
<あらすじ>
低偏差値で落ちこぼれの生徒たちをたった半年で東大に合格させた伝説の弁護士・桜木建二が桜前線と共に4月の日曜劇場に戻ってきた!16年の時を経て、令和の時代に桜木は新世代の生徒を再び導けるのか!?
<原 健太>
龍海学園の生徒。とある問題を抱え周囲から孤立しているが、昆虫が大好きな心優しい性格。
『ドラゴン桜』× 細田佳央太
原健太はオーディションで掴んだ役です。オーディション自体は雑談から入って、事前に渡されていた台本でお芝居するという形だったんですが、今回は感染症対策で1人ずつでのオーディションだったんですよ。そのシチュエーションにとにかく緊張してしまって、いや~めちゃくちゃ緊張したなぁ…(笑)。日曜劇場の作品に出ることが目標でもあったので終始心臓がバクバクでした。
映画『町田くんの世界』のオーディションとは
また違った緊張が?
正直、『町田くんの世界』の時以上に緊張しました。1人ずつだったということもあるんですが、「自分の中で準備したビジョン通りの芝居が出来るかな」とか「噛んだらどうしよう」とか雑念を抱えてしまって。2年前よりも芝居の経験を得たからこその緊張だった気がします。
受かった時の率直な感想を教えてください。
結果が分かるまでずっとドキドキだったので、素直に嬉しかったですし安心しました。ただ、僕よりも母親の方がソワソワしていて(笑)。「連絡来た?」とずっと聞いてくるんですよ!「来たら言うよ!」って(笑)。いい結果を伝えることが出来て良かったです。
お母さまも、きっと大喜びですね(笑)!
ちなみに『ドラゴン桜』のパート1は
拝見されましたか?
放送当時、タイムリーには観ていなかったのですが、中学生の時に再放送を観ていたので作品自体は知っていました。とはいえ僕よりも親世代の方が知っていましたね。親に「一視聴者としてどうだった?」と感想を聞いたりもして。今回も前回のキャラクター同様、様々な悩みや事情を抱えた登場人物が揃っているので、是非それぞれに注目していただきたいです。
同年代の方が多い現場だと思いますが、
共演者の皆さんとのコミュニケーションは
いかがですか?
今回、初共演の方が本当に多くて。中でも同じ歳の清史郎くん(加藤清史郎)のことがすごく気になっていたんです。印象としては「めちゃくちゃ話す子だな」と(笑)。清史郎くんって年齢とか関係なく、誰とでも仲良くなれるタイプなんですよ。コミュニケーション能力も高くて、人懐っこくて本当に羨ましい(笑)!あと央士くん(鈴鹿央士)ともずっと仲良くなりたいと思っていたので、この作品を機に「仲良くなれたらいいな」と思っています。
交友エピソード、楽しみにしてますね!
細田さんの新しい作品に入る際の準備の仕方って
何かありますか?
精神論かもしれないんですが「気合を入れ直すこと」ですかね。オーディションで掴んだ役でも、オファーで頂いた役でもそこの意識は変わらないです。いろいろな作品を経験させていただいたことで、“自分の演じる役への責任”というものをすごく感じるようになりました。だからこそ、どの作品に入る時でも「自分の役に責任を持つぞ」と気合を入れ直して挑むようにしています。
原健太 × 細田佳央太
監督に指示されていた増量など見た目の変化はもちろん、人とは違う才能を持つ子だったので原健太として必要な知識を調べ尽くしました。健太は目の前に起きたことに素直に反応しちゃう子なんです。そして昆虫という一つのジャンルに関してめちゃくちゃ詳しい。それが彼自身の才能だと思ったので、そこへのリスペクトは忘れないようにして。特段、性格的な部分と才能を表現する部分での切り替えはしていなかったものの、性格的な部分で、周りの音などに敏感という特徴は一つ自分の中に持っていましたね。僕自身、普段から周りの人や音に敏感なところがあるので通じている部分でもあったかな、と。
細田さんご自身がこの作品を通して、
学ばれていることはありますか?
自粛期間から思っていたことでもあるんですが、自粛中って何か新しいことを始める人が多かったと思うんです。僕もそうでしたし。やっぱり新しいことを始める時ってどうしても勇気がいるものじゃないですか。「失敗したらどうしよう」とか、損得で考えてしまったりとか。デメリットの方が先に視野に入ってくるからこそ億劫になってしまうこともありますし。でも、桜木先生(阿部寛)の「四の五の言わず飛び込め」という言葉を聞いた時に、「あ、とりあえず飛び込むっていう自分の考え方は間違っていなかったんだな」と改めて思いました。
Message From『ドラゴン桜』
健太を通して伝えたいことでもあるんですが、僕自身も生活をしている中でも仕事をしている中でも絶対に壁にぶつかるタイミングがあって。きっとそれはしょうがないことで、その壁をどう乗り越えるかっていうのが大切なんじゃないかな、と思っているんです。そしてその乗り越え方は人それぞれの方法でいいと思っていて。例えばスポーツを早く始めた人がいたとして、後から始めた人は前者との差が必ずあるけれど、自分の努力次第でその差は必ず埋められる。人にはそれぞれ個性があるから、人と比べたり同じことをしたりするのではなく、自分なりの方法を貫き通して壁を乗り越えていくことを大事にしてほしいですし、大事にしたいと思っています。どんなことにもめげずに挑戦して、自分のやり方で成功を掴んで欲しい。その岐路に立った時にこの作品を思い出してくれたら嬉しいです。あとはやっぱり『ドラゴン桜』ならではの、それぞれに合った学習方法にも注目して欲しいですね。得意教科をめちゃくちゃ伸ばして苦手教科をカバーしたり、苦手教科も伸ばしてほどよくバランスをとったりと、生徒によって違う学習方法が出てくるので。誰か一人に言われたやり方で固めるんじゃなくて、自分の長所も短所も活かして「チャレンジしてみよう」と思える作品になっていると思います。
細田佳央太
ほそだ かなた
2001年12月12日生まれ。
背中を支えてくれる温かな両手を擁し、太刀風の如く自身の人生を吹き抜ける男気溢れる19歳。
TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』
毎週日曜よる9時放送
出演:阿部寛 長澤まさみ 髙橋海人(King&Prince) 南沙良 平手友梨奈 加藤清史郎 鈴鹿央士 志田彩良 細田佳央太 ほか
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー・記事:満斗りょう