前田 拳太郎
毎日毎日、自分が成長していくために生きている
2021年に俳優デビュー。同年、『仮面ライダーリバイス』でドラマ初主演を務め、一気に注目を集めた前田 拳太郎さん。その後も、ドラマ『君とゆきて咲く~新選組青春録~』『PJ~航空救難団~』など話題作に次々と出演。2024年にはアニメーション映画『ふれる。』で声優に初挑戦するなど、着実にキャリアアップしている彼に、これまでの役者人生を振り返ってもらいつつ、今後の目標なども語っていただきました。

『栄光のバックホーム』の劇中に、平泉成さん演じる澤居 修が、横田選手に「一日一生」という言葉を贈るシーンがありますが、前田さんが常に心に留めている言葉や座右の銘などはありますか?
僕は、ずっと空手をやっていたんですけど。中学生の頃、空手の帯に教訓みたいなものが書かれたキーホルダーを、おみやげにもらったことがあるんです。実際の帯の素材で作った小さな帯に「継続は力なり」と刺繍がされてあるもので、友達から「拳太郎には、この言葉だ」と言われたんですけど、自分でもそうかもしれないと納得しました。空手も長くやっていて、あきらめたくなるときもあるけど、続けていくことが大事だなって。やめるという選択さえしなければ、目標はいつか絶対に実現すると思っているんです。だから、そのときにもらった「継続は力なり」という言葉を、今もずっと心に持ちながら生活しています。
前編で、これまでの人生で大きな挫折はないとおっしゃっていました。実際、俳優デビューした年に、「仮面ライダーになりたい」という幼少期からの夢を叶え、その後も途切れることなくドラマや映画に出演、昨年は声優デビューも果たすなど、順風満帆に見えます。
すごく周りの環境に恵まれた人生だったな……って、人生終わりみたいな言い方ですけど、まだ終わらないですよ(笑)。まだ、これからなんですけど。助けてくれる人もたくさんいるし、一生懸命がんばれる環境もあって、今、とても幸せです。

2021年10月のFASTご登場時には「カメレオン俳優が目標」と発言され、2023年9月のご登場時には「今年はいろんな役をやらせていただいて、少しずつその目標には近づいているんじゃないかなと思います」とコメントされていました。そこから2年経ち、現在の心持ちはいかがですか?
いろんな役をやりました。どれも、新しい自分を見つけられるように。「自分ってなんだろう?」とか「自分ってどんな人なんだろう?」ということを、家で1人で考えたりするので。いろんな役に出会って演じるなかで、自分のいろんな部分が見えてきて、自分を知ることができるんです。だから、役作りに向き合っている時間とかが、自分探しみたいですごく好きなんです。そうやって自分を知ることで、これから演じていく役にもどんどん深みが出てくると思うし。自分を知っている人ってすごく強いと思うので、これからも、自分を探すためにいろんな役を演じていきたいなと思っています。
「自分ってどんな人なんだろう?」と考えて、現時点で、ご自身ではどんな人だと思いますか?
難しいですね……いろんな部分があるし。たぶん、今、こうやって話している僕も本当の僕だと思うし。でも、友達と話しているときは、違うように見えたりするだろうし。親と話すときも、また違う話し方をすると思うので。ひと言ではまとめられないんですけど、自分の細かい部分がよく見えてくるようにはなりました。“こういうところでネガティブなところが出ちゃうな”とか、“こういうところで笑ったり、こういうところで怒ったりイライラしたりしがちだな”とか。

演じている役に影響を受けることもありますか?
ありますね。けっこう影響されやすいタイプなので。クールな役や暗い役をやっているときは、一緒に仕事をしている人たちと距離を縮めるのに時間がかかってしまうんですけど、明るい役をやっているときは、すぐに縮められたりとか。あとは、その役をやったことで、自分も同じことができるようになったりもします。
たとえば?
戦隊ものをやっているときはお兄ちゃんの役だったので、後輩としゃべったりするときも、お兄ちゃんっぽく接することができるようになったと思います。ドラマ『わたしのお嫁くん』のときは、ぶりっ子な役で、そういう仕草をしたりするのが恥ずかしいと思っていたんですけど、がんばればできるようになりました。

ちょっとあざとくなれた?
がんばれば(笑)!そうやって1つずつ、自分にないものを手に入れることができたりとか。もともとあったのかもしれないけど、自分でも知らなかった新たな部分を知れたりできるのが楽しいです。
先ほど、目標は必ず実現するとおっしゃっていましたが、今の目標を教えてください。
今の目標……このお仕事を、カラダが動く限り続けていくことです。

生涯現役で。
生涯現役でやれたらいいなって思います。今は常に自分のスキルアップというか、毎日毎日、自分が成長していくために生きているんですけど、今後もそれをやめたくないから。ずっと、この仕事をしていきたいです。

前田拳太郎
まえだ けんたろう
1999年9月6日生まれ。
撮影では作品に合わせた背景で大胆にカッコよく動いてくださった前田さん。身長がすごく高いので、存在感がありつつも、物腰はすごく低いのが前田さんでした。カメラマンがこういう風に動いて欲しいと伝えると笑顔でそして完璧に対応してくださって、紳士的なお人柄でした。最後にチェキのサインを書いてくださる時にはスタッフにも手渡して渡してくださる一面もあり、心遣いや気遣いが素晴らしいなぁと感じました。これからもスタイル、存在感抜群にも関わらず、周りと常に目線を合わせてくださる優しい前田さんのご活躍を応援しております。お久しぶりのご登場ありがとうございました。
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ朝日『PJ 〜航空救難団〜』(‘25)、『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』(‘24)、映画では、『ふれる。』(‘24)『劇場版 美しい彼〜eternal〜』(‘23)、『仮面ライダーシリーズ』(‘21-‘22)などがある。

©2025「栄光のバックホーム」製作委員会
幻冬舎フィルム 第一回作品
『栄光のバックホーム』
11月28日(金)全国公開
製作総指揮 : 見城 徹 / 依田 巽
原作 : 「奇跡のバックホーム」横田慎太郎(幻冬舎文庫)
「栄光のバックホーム」中井由梨子(幻冬舎文庫)
脚本 : 中井由梨子
企画・監督・プロデュース : 秋山 純
出演:松谷鷹也 鈴木京香
高橋克典 前田拳太郎 伊原六花 山崎紘奈 草川拓弥
配給:ギャガ
制作:ジュン・秋山クリエイティブ
©2025「栄光のバックホーム」製作委員会
※Team Credit
カメラマン:遥南碧
ヘアメイク:山口恵理子
スタイリスト:村井素良
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿
