駒木根葵汰
ドラマ『天狗の台所』
安らぎの場所や生活を
考え直すきっかけになる作品です
BS-TBSにて、人気コミック待望の実写化であるドラマ『天狗の台所』の放送が決定。天狗の末裔であり、背中に羽が生えている主人公の飯綱基を演じる駒木根葵汰さんに、約1カ月にわたる合宿撮影の裏話や、作品の見どころについてなどを伺いました。
<あらすじ>
NY育ちの少年・オンは、ある日自分が天狗の末裔だと知らされる。天狗のしきたりにより、14歳の1年間、日本で暮らす兄・飯綱基(いづなもとい)と隠遁生活を送ることに。天狗といっても特別な力はなく、兄の関心は、もっぱら日々の食と素朴な暮らしに向けられるのだった。ある時、基の背中には天狗の末裔でも珍しい、”羽が生えている”ことを知る……。そして、基の飼い犬むぎが話しかけてくると、自分にも動物としゃべれる特殊な能力があることに気づくオン。天狗の兄弟とその仲間たちの、ファンタジックで美味しいスローライフがはじまる――。
原作や脚本を読んだ感想を教えてください。
原作も何度か読ませていただいたのですが、脚本はその漫画がそのまま形になっていたという印象でした。脚本を読んだだけでいろいろな情景が浮かんでくるほど、違和感のない素晴らしい本でしたね。
漫画が原作の作品に出演するのは初めてと
伺いました。
そうなんです。実写化ならではの良さが何なのか、どこまで寄せていくのかなど、たくさん試行錯誤しながら答えを模索していきました。原作者の田中先生や原作が好きな方々に、観てよかったなあと思ってもらえるような作品にしたいということは何より考えました。
主人公・飯綱基を演じるにあたり
どのような準備をされましたか?
ジムに通ったり、料理レッスンを受けたりしましたね。ジムに通ったのは、僕は成人男性の平均よりもおそらく体が細いんですけど、僕が演じる基は普段から農業などの力仕事をしているキャラクターだからですね。一生懸命ジムに通って、ご飯をいっぱい食べて、プロテインを飲んで……。少ない時間でしたが、できる限りのことはできたかなと思います。
料理のレッスンを受けたのは?
今回の作品は「食」がテーマのひとつでもあるんです。僕は普段から料理はするのでそこまで大変なことはなかったんですけど、今まで作ったことのないような料理もたくさん登場しますし、普段は自分が料理をするところってそんなに他人に見せるものではないじゃないですか。それに今回は基らしく、すごく丁寧に丁寧に一つひとつの作業をこなすために、今まで使ったことない神経を研ぎ澄ましたり、美しい所作を心がけたりしました。
料理の腕だけではなく、動き一つひとつから
役作りをしていったのですね。
そうですね。料理をする際の姿勢だったり、手際の良さだったり、あるいは包丁の持ち方や食材の押さえ方ひとつでキャラクターの性格などが出ると思いますし、それに調理器具の使い方なんて今まで学んだことなかったので勉強になりました。生地を伸ばすときの綿棒の扱い方だったり、具材の混ぜ方だったり……。とにかくたくさん教えていただきました。
駒木根さん演じる主人公・基は
天狗の末裔で羽が生えていますが、
この羽はどのようにして作られたのでしょうか?
3Dスキャンで僕の体を記録して作っていただいたんです。裸で椅子に座らされて(笑)。360度から体をスキャンして、肩甲骨の幅など体の細かい寸法を測っていただいて、僕だけの羽を作っていただきました。
世界に一つだけの羽ですね!
どのように体に装着するのですか?
服を着ていないときは、特殊メイク用の接着剤でくっつけました。服を着ているときは、背骨矯正用のベルトみたいのがあって、それにマジックテープで固定してという感じでしたね。
なるほど、面白いですが
大変そうでもありますね(笑)。
大変でしたけど、あんまりつける機会がなかったんです(笑)。撮影で装着したのは3回くらいかな? さすがにちょっともったいないなと思いましたね(笑)。
共演された塩野瑛久さんや
越山敬達さんの印象はいかがでしたか?
塩野くんとは以前ちょっとだけ現場が一緒の作品があって、そのときは挨拶程度でした。でも今回約1カ月という長い期間を一緒に過ごすことになって、年齢も少しだけ離れているんですけど、すごく“お兄ちゃん”って感じがしましたね。周りがしっかり見えていて常に落ち着いているし、自分の話をするというよりは周りのいろんな人の話を聞いてくれる優しいお兄ちゃんでした。
今回は
約1カ月間の合宿撮影を行ったと伺いました。
はい。その中で塩野くんは良い距離感を保ってくれる方でしたね。合宿撮影という現場で、どうしても不安や自分の問題などのストレスを抱えてくることもあると思うのですが、そういったときにちゃんと一人の時間を作ってくれるんです。もちろんコミュニケーションを取るときは取って、あとはもう自分の時間をしっかり作るというか。例えば僕がちょっと一人になりたいな、というときにちゃんとその時間を作ってくれたりする、そういう気遣いをしてくださる方でしたね。
越山さんはいかがでしょうか?
敬達は本当に年相応の男の子というか、ちょっと大人びているところもあるのですが、ちゃんと子供だなって思うところもあって。みんなから愛される子でしたね。やっぱり14歳ですし、すべてを完璧にできるわけじゃないですけど、彼なりに自分ができないところをちゃんと自分で分かっている、しっかりとした一面もありました。
越山さんの
可愛らしかったエピソードなどはありますか?
自然に囲まれた場所での撮影だったのですが、虫を怖がっていましたね(笑)。でも撮影が進んでいくにつれてというか、最後の方はもう全然怖がらなくなっていたので、虫が嫌いなキャラクターを演じていたのか、それとも本当に克服したのか分からなくなっちゃいました(笑)。
真相は闇の中ですね(笑)。
はい、どっちなんでしょうかね(笑)。最初の頃は虫で泣いていましたからね。僕と塩野くんで、敬達に「もし虫に動じなくなったら一人前の男として認めてやるよ」って言ったんです(笑)。気づいたらウソみたいに大丈夫になっていたので、演技だったのかなあって(笑)。あ、それから撮影が終盤に差し掛かったころ、「夏休みの宿題が終わらない」って言っていろんな方に手伝ってもらっていましたね。最初からやれよって話ですけど(笑)。
手厳しい(笑)。
最初から僕は言っていたんですよ(笑)。宿題持ってきたら手伝ってやるって。でも彼は「全然大丈夫っす、全然大丈夫っす。毎年こんな感じなんで」って(笑)。でも最後の方は泣きついてきて……。だからやれって言ったじゃないかって(笑)。
とてもアットホームな合宿撮影だったのですね!
今考えてみるとあっという間だったな、と思いますね。本当に家みたいな感じで過ごすことができましたし、でも反対に自宅が恋しくなりもしましたし。塩野くんと何を喋るにしても敬達を交えてのお話だったので、僕らが中学生の頃の話をしたり、高校はどうするのかという話をしたりして、本当にもう家族というか兄弟みたいな雰囲気でした。
作品の中にも、そのアットホームな雰囲気や
ほのぼのとしたライフスタイルが
表れていそうですね。
そう思います。それぞれの四季に合った食生活などのライフスタイルも作品の見どころになっていると思いますし、僕を含めたキャストたちの、大自然に囲まれた広大な場所でののびのびとしたお芝居にも注目していただきたいですね。それからむぎという飼い犬役で出演したワンちゃんも含めて、仲間たちのスローライフを楽しんでほしいと思います。オンと基の兄弟愛というか、兄弟なんだけど上手く言葉や想いを伝えられないもどかしさ、それがストーリーが進むにつれてどう変わっていくのかも、『天狗の台所』の面白さだと思います。この作品を通じて、自分にとっての安らぎの場所や生活を考え直すきっかけになるという意味でも、とても良い作品になっていると思います。
駒木根葵汰
こまぎね きいた
とても気さくな方で現場を明るく盛り上げてくださり、皆の笑い声が響く楽しい時間となりました。その明るさで忘れてしまいそうになるのですが、お顔はとても小さくスタイルは抜群。初めてお会いしたスタッフは衝撃を受けていました。チェキにサインをお願いした際、天狗のイラストに挑戦し、最後まで現場の笑いをかっさらっていった葵汰さんでした。
2000年1月30日生まれ。
スーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』(‘21)に五色田介人/ゼンカイザー役で主演。その後、スーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(‘22)、ドラマ『商店街のピアニスト』(‘22)、『差出人は、誰ですか?』(‘22)、『星降る夜に』(‘23)、『アイゾウ~警視庁・心理分析捜査官』(‘23)、映画『ネメシス~黄金螺旋の謎』(‘23) などに出演。文化放送「レコメン」に月曜レギュラーとして出演中。
木曜ドラマ23『天狗の台所』
2023年10月5日(木)よる11時スタート
全10話
※BS-TBS、BS-TBS 4Kで同時放送
◆出演
駒木根 葵汰(飯綱 基)
塩野 瑛久(愛宕 有意)
越山 敬達(飯綱 オン)
〇
白鳥 晴郎(基<少年時代>)
市村 優汰(有意<少年時代>)
村山 輝星(比良山 珠緒)
〇
浅茅 陽子(飯綱 式子)<基・オンの祖母>
本田 博太郎(愛宕 連太郎)<有意の祖父>
角田 晃広[東京03](むぎ<声>)
渡辺 真起子(一乃・飯綱・ウィルソン)<基・オンの母>
〇
原田 泰造(エリス・ウィルソン)<基・オンの父>
◆スタッフ
原作:田中 相『天狗の台所』(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
脚本:岨手由貴子、山田能龍、天野千尋、熊本浩武、ナラミハル
監督:長島翔 (「サ道」)、下田彦太( 「エルピス」「ロッパグラム」) 、林田浩川 (「インフォーマ」)、川井隼人 (「ガンニバル」監督「ドライブ・マイ・カー」助監督)
プロデューサー:
鈴木早苗 (「コウノドリ」TBS、「サワコ」「帰らないおじさん」BS-
守澤崇 (「帰らないおじさん」「あなたはだんだん欲しくなる」BS-
五箇公貴 (「サ道」「電影少女VIDEO GIRL」「舟を編む」maroyaka)
向井達矢 (「はるヲうるひと」「スモーキング」ラインバック)
主題歌:「人人」 折坂悠太(ORISAKAYUTA)
音楽: VaVa(SUMMIT, Inc.)
製作:BS-TBS maroyaka
制作:ラインバック
※Item Credit
ジャージ¥29,700/ボディソング
トップス¥16,500/キート(ともにティーニーランチ 03-6812-9341)
パンツ¥33,000/ソル(ジョワイユ03-4361-4464)
ピアス右耳¥19,800[両耳価格]、ピアス左耳¥17,600[両耳価格]/ともにスキャット、ネックレス真ん中¥44,000/ヨハン シルバーマン(すべてティーニーランチ)、ネックレス上¥2,530 、ネックレス下¥5,390/ともにオイル(ジョワイユ)、バングル¥99,000/スキャット(ティーニーランチ)、リング¥14,300/アルカナム(ジョワイユ)
その他スタイリスト私物
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:金田紗世子(MAKE ON)
スタイリスト:千葉 良(AVGVST)
インタビュー:小枝指優樹
記事:小枝指優樹/緒方百恵