瀬戸康史
「当たり前にくる毎朝を大切にしたい」
17歳でデビューし、俳優として多くのドラマや映画、舞台に出演。また、旅番組のナレーションやスイーツにまつわる教養番組のMCなど、活躍の幅を広げてきた瀬戸康史さん。インタビュー後編では、公式Xで毎朝投稿する理由や、担当しているナレーション番組の面白さ、さらに今年デビュー20周年を迎える瀬戸さんがこれまで頑張ってこられた原動力になっていることについてもお話しいただきました!

ご自身の公式Xで毎朝「おはようございます!」というあいさつを投稿されていますが、始めたきっかけはどんなことだったのでしょうか。
2016年に起きた熊本地震の時からです。というのも、僕は九州の福岡県出身なのですが、
2005年に福岡県西方沖で大きな地震があったんです。その頃僕は高校生で、家族と福岡市内から少し離れたところに住んでいたのですが、地震があった時は市内にいて、ビルの窓ガラスが割れて落ちてきたり、道路がぐにゃぐにゃになっていたり、家族とも連絡が取れない状況で、とても怖い思いをしました。
その後に東日本大震災や熊本でも大きな地震もあって、それまで当たり前だと思っていた“明日”がくることは、決して当たり前じゃないということをすごく感じて。その時に、毎日「おはよう」と言えるのっていいなぁと思い、始めました。
その投稿をきっかけに、僕を応援してくださっているファンの方たちのコミュニティが広がってくれていることも嬉しいですね。SNS上で「おはよう」を言い合える関係性というのも、すごく素敵で平和だなと思うんです。そんな雰囲気が好きで、ずっと続けています。
瀬戸さんが旅の案内人を務めている「美しい日本に出会う旅」(BS-TBS)をよく拝見しています。同じくナレーションを担当している井上芳雄さん、松下洸平さんの三者三様のコメントも毎回楽しみなのですが、ナレーションならではの面白さをどんなところに感じていますか?
ナレーションにも結構いろいろあって、例えば原稿に徹するパターンと、「美しい日本に出会う旅」のように、自分でアドリブも入れてしゃべっていいパターンと、その中間のフラットな状態でやるパターン。
あとは、美術館などの音声ガイドだとまたちょっと違うので、その線引きも難しいのですが、
「美しい日本に出会う旅」の場合、原稿を書いている人が、それぞれのキャラクターにあわせた、または「こういう感じでやってほしい」みたいなリクエストも含めて書いてくださっているので、僕もそれに応えたいなと思いながらやっています。自分の素のリアクションができる部分もあるので、毎回楽しみながらやっていますね。

今年デビュー20年を迎えられます!(拍手)これまでの歩みを振り返ってみて、いかがですか?
あっという間でしたが、20年もやり続けているのは自分でもすごいなと思います。そこまで続けられたことは、この俳優という仕事が初めてだと思うので、自分で自分を褒めたいですね(笑)。
ここまで続けられてこられた「原動力」になったものは何でしょうか。
僕はもともと獣医を目指していたのですが、高校生の時にこの世界に入って、途中で辞めるのも嫌だし「もう後戻りはできないな、他には行けないな」と思ったんです。
初めてのお仕事の時、助監督の人にとてもキツく当たられたことがあって。その時に「いつかこの人を見返すために頑張ろう!」と思ったことは、ひとつの原動力になりましたね。もちろん、この仕事が楽しいという気持ちもありますし、他の仕事をした経験がないから比べられないけど、本当に毎日違う経験ができるんですよ。
そこに不安を感じることもあるけど、僕はそれもウキウキ、ワクワクする方向に考えられるので、それが原動力ですかね。「明日はどんなことが起こるだろう」とか、「今度やるファンミーティングでは、どんなグッズがあったらみなさんが喜ぶかな」ということを考える日々が楽しいです。

瀬戸康史
せと こうじ
1988年5月18日生まれ。
撮影では、インタビューな気さくな雰囲気とは違い、大人っぽくカッコいい雰囲気が溢れていました。カメラマンとスタッフが途中ごちゃごちゃっとなった瞬間は満面の笑顔をこちらにも向けてくださり、和やかな雰囲気で撮影をすることができました。窓側に行くと少し日差しが強い中でも暑いなども言わずに撮影に向き合ってくださいました。
これからもいろんな役に挑戦されつつも、瀬戸さんの優しさと気さくさでたくさんのご活躍を応援しております。
初登場ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、フジテレビ『119エマージェンシーコール』(‘25)、TBS『くるり~誰が私と恋をした?~』(‘24)、フジテレビ『院内警察』(‘24)、映画では、『スオミの話をしよう』(‘24)、『違国日記』(‘24)、『愛なのに』(‘22)などがある。

©2025 TOHO CO., LTD.
タイトル:『ドールハウス』
原案・脚本・監督:矢口史靖
出演:長澤まさみ 瀬戸康史
田中哲司
池村碧彩 本田都々花 今野浩喜 西田尚美 品川徹
安田顕 風吹ジュン
主題歌:ずっと真夜中でいいのに。「形」(ユニバーサル ミュージック)
配給:東宝
公開日:2025年6月13日(金)
撮影期間:2024年3月~5月
コピーライト:©2025 TOHO CO., LTD.
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:須賀元子
スタイリスト:田村和之
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿