日向亘
ドラマ『デスゲームで待ってる』
「最後の最後に大〇〇が待っているんです」
2019年に「メンズスターオーディション」のグランプリに選ばれ、翌年、映画・ドラマ連動作『太陽は動かない』で俳優デビューを果たした日向亘さん。初の単独主演となるドラマ『デスゲームで待ってる』が、関西テレビの「EDGE」枠で放送・配信中です。小さい頃からテレビが好きで、夢を持って放送作家になったものの、ある出来事を機に業界を干され「デスゲーム作家」へ転身し、業界に復讐する戸村匠真を演じている日向さんに、本作への思いや、役を演じる上で大切にしていることなどをお聞きしました。
<あらすじ>
企画した番組で死亡事故が発生し、責任をなすりつけられた放送作家の戸村(日向亘)は、“人殺し作家”の汚名を着せられ、業界から干されてしまう。失意の中、戸村はプロデューサーを名乗る秋澤(梅澤美波)に出会い、ネタ帳に書き溜めた企画を賞賛される。
改めて、本作のオファーを聞いた時の気持ちを聞かせてください。
僕がこれまで見てきた「デスゲーム」を扱う作品は、主人公がデスゲームに巻き込まれていくという流れが割とオーソドックスなパターンというイメージがあったのですが、今作は自分が恨みを持つ人をデスゲームに参加させていき、デスゲームの裏側を描くという展開です。そのことを最初に聞いた時は「これまでにない新しい切り口だな」と思いました。気になっていたけど気にしたことがなかった、あるいはその逆のようなところにとても興味を惹かれました。
本作が初の単独主演になりますが、プレッシャーなどもあったのでは?
もちろんプレッシャーもありましたが、この作品の主人公を僕に演じてほしいというお話をいただいた時は本当に光栄なことだなと思いました。僕にとっても、今までとは少し角度の違ったチャレンジングな作品に参加させてもらうことに、身が引き締まる思いでした。
「座長」として、現場でどのような在り方を心がけていましたか。
改めて「座長」という立場にいる人はどういうことをしているのかなと、まずはこれまで見てきた先輩方を思い出してみました。共演者のみなさんも豪華でベテランの方々ばかりなのでお芝居ではかなわない。だけど、少しでも自分がこの現場の活力となれること、できることは何だろうと考えた時に、とにかくコミュニケーションを取ることは僕にもできるなと思ったので、スタッフさんや共演者のみなさんとたくさん話して、現場の空気を良くしようということは常に心がけていました。
番組収録中に起きた死亡事故の全責任を被せられ、テレビ業界を追放された戸村を演じるにあたって、どんな準備をして撮影に臨みましたか?
戸村は周りからの色々なことに巻き込まれていく波乱万丈な人物なのですが、同時に視聴者の方にも一番近い感覚を持っている人でもあると思うんです。そういう登場人物って戸村くらいしかいないと思うんです。
彼にとって近しくなっていくデスゲーム制作会社「ドリーミア」の人たちは、パワハラなど色々なことを経験して、一般的な感覚とはかけ離れている人たち。その中で色々な人たちに揉まれていくポジションなので、特に突出した何かがあるわけではなく、常に色々な人たちから受けるものを全部正面で受け止めているんです。それが戸村を通じて視聴者の方に伝わればいいなと思ったので、変に意識することなく、常にフラットでいることを心がけました。
ここまで演じてみて、戸村に共感した部分はありますか?
戸村は小さい頃からテレビが好きで、その夢を掴んでテレビ業界で働くようになった人ですが、僕もテレビが好きで目立ちたがりな性格だったので、今こういうお仕事をさせてもらっていることを考えると、自分と近い部分を感じました。
1話で企画をプレゼンするシーンがあるのですが「仕事」ということを忘れて夢中になって話してしまう部分はすごく共感しました。仕事なのに、自分の中で勝手に舞い上がってしまって、上司がいることを忘れて無我夢中に話してしまう気持ちはよく分かりますし「自分の好きなことを語るとそうなっちゃうよな」と思いました。
現場の雰囲気はいかがですか。
撮影をしている以外の時間は、皆さんと色々なお話をしています。特に「ドリーミア」のメンバーとはめちゃめちゃ仲良くなって、ずっとおしゃべりしていました。
ドラマのエンディングで流れる映像のような雰囲気で?
はい!まさにあの感じです。でも実は、あのシーンを撮ったのはまだ「ドリーミア」メンバーがそろってから2日目とかだったんです。年齢差も割とバラバラでキャリアもそれぞれだけど、5人の団結力がすぐにできたのは僕も少し予想外なことでした。まだお会いしてから日が経っていないのに、全員で楽しめるチームワークが自然とできたことはすごいことだと思いました。こんなに気のおけない関係性を作っていただいたことに感謝です。
もしかしたら、日向さんが壁を作らない雰囲気を自然と作っていたのかもしれませんね。
そうだったらいいんですけど……、どうでしょうね(苦笑)。でも、皆さん本当に素敵な人たちなので、この作品で出会えたことは僕にとってとてもいい経験になりました。
これからどんな展開になっていくのか想像がつきませんが、人間関係がよりドロドロしていくのでしょうか?
そうですね。でも、ドロドロしていく中で「ドリーミア」の団結力がどんどん深まってくるし、何か根を張っているような展開がずっと続くというよりも、1話ごとの展開があるのでそこまでネガティブになりすぎない、割とさっぱりしているところもあると思います。
寝る前に1本見る、といった意味ではすごく見やすい作品になっているし、これから知らない人がどんどん出てくるというよりも、すでに出てきたキャラクターたちの間で色々なことが動く作品なので、最後まで楽しんでもらえるといいなと思っています。
できれば見たくないような人の醜い部分がずっと続くというよりは「ドリーミア」メンバーの団結力なども見られるのですね。
そうですね。ポップに描かれているところは気楽に見られると思います。でも、人の汚れた部分と言いますか、醜さみたいな部分もやっぱり出てくるので、そことのバランスも今後より楽しめると思います。
ドラマも後半に入っている頃ですが、日向さん的今後の見どころと、最終話に向けて「コソっ」とお話しいただけることがあれば、ぜひお願いします!
実はこの作品、最後の最後に大爆弾を抱えているんです(コソっと)。8話あたりで、一度「これでそろそろ終わりなのかな?」という感じになるんですけど、残りの2話で大爆弾が待っているので、最後まで楽しめる部分が隠されています。
何と!それを聞いて、期待と楽しみが倍増しました。
もう1個ヒントを出すと、最終話の10話を見た後にもう1回最初から見てほしいです。
脚本が本当によくできていて、全話を1本としてもそのまま見られるし、それを10分割して一話ずつ見てもそれぞれに見どころが作られているので、映画的な部分があるドラマだなと思います。
最近は連続ドラマでも色々なパターンがあって、作品を撮りながら脚本が出来上がっていくこともありますが、今回は最初から最終回までの脚本が出来上がってからクランクインしたので、その撮影順の良さが出ていると思うし、色々な伏線がラストで回収されるので、ぜひ最後まで楽しみにしていてください!
日向亘
ひゅうが わたる
2004年3月18日生まれ。
今年の4月にFASTに登場していただき、今年2度目の登場の日向さん。今年一年で自分と向き合い、前に進んでこられたのが伝わるぐらい大人っぽい雰囲気と男らしくなられていた日向さん。撮影時でも以前よりも表情は大人っぽく、それでもたまに見せるあどけない可愛い笑顔も健在で、カメラにたくさん向けてくれました。モニターの写真を見てかっこいいと素直にテンションが上がっている姿も見ているスタッフはとても微笑ましい姿でした。撮影中も以前と変わらず周囲とも会話を交えてくださるので、撮影でも自然と明るく楽しい撮影となります!
後編では年末年始にちなんだお話を伺っております。お楽しみに。
最近の出演作に、テレビドラマでは、テレビ朝日『JKと六法全書』(‘24)、フジテレビ『GTOリバイバル』(‘24)、テレビ朝日『マルス-ゼロの革命-』(‘24)、フジテレビ『うちの弁護士は手がかかる』(‘23)、毎日放送『君となら恋をしてみても』(‘23)などがある。
©カンテレ
『デスゲームで待っている』
放送時間:毎週木曜深夜0時25分~(関西ローカル)
キャスト:日向亘、梅澤美波(乃木坂46)、波岡一喜、濱津隆之、美山加恋、三四郎(小宮浩信・相田周二)、辻岡甚佐、ニシダ・コウキ(ラランド)、木下隆行(TKO)・田口浩正、前川泰之、森永悠希ほか
原案・脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)・諏訪雅(ヨーロッパ企画)
プロデューサー:田中健太(カンテレ)、田端綾子(メディアプルポ)
エグゼクティブプロデューサー:吉條英希(カンテレ)
監督:北川瞳、酒見アキモリ、髙野有里(メディアプルポ)
主題歌:ハンブレッダーズ「アクション!」(トイズファクトリー)
制作著作:カンテレ
制作協力:メディアプルポ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:佐々木麻里子
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿