中尾暢樹
映画『シグナル100』
戦慄の舞台の中で
見出した自分の役割とは―
映画『シグナル100』
<あらすじ>
とある学校の平和な日常。しかし、担任教師の下部(中村獅童)が始めたゲームのせいで事態は一変。生徒たちは特定の行動を取ると自ら命を絶ってしまうという恐怖の“自殺催眠”をかけられる。「スマホを使う」「泣く」「あくびをする」といった何気ない日常の行動に潜む、発動の合図(シグナル)は全部で100。窓から飛び降りる者、花瓶を自分の頭に打ち付ける者、自らの首を切りつける者、止まらない自殺の連鎖に生徒たちの悲鳴が教室中に響き渡る。常に死と隣り合わせの絶望的な状況に置かれた生徒たちの本性が次々に暴かれていく。このゲームで生き残る方法は、クラスメイトの死のみ。裏切り者は誰なのか、生き残るのは誰なのか。狂気と絶望が暴れ出す88分の怒涛のノンストップ“自殺(デス)ゲーム”が幕を開ける。
藤春昴×中尾暢樹
クラスの中の仲良しサッカー部4人組のうちの一人。今回は4人それぞれの役割がしっかりとしていて、部長がいて、明るい子がいて、ムードメーカーがいて…。その中で僕が演じた藤春は気弱なキャラクター。サッカー部4人でのシーンが多かったので、みんなのキャラが違って見えるように意識して演じていましたね。気弱感を結構出したつもりです。
撮影現場は田舎だったとお聞きしました。
撮影中のエピソードは何かありますか?
ホテルに一か月ずっと泊っての撮影でした。
学校とホテルの往復生活だったので本当にやることがなくて(笑)。
休みの日はホテルに併設されていた打ちっぱなしに行ったり、何かしらしていないとみんな爆発しそうになってたんですよ(笑)。大変だったけど、そのおかげで一体感が生まれた気がします。
一か月泊まり込み!ハードな撮影ですね。
毎日撮影していたのできつかったです(笑)。
ただクラス単位の撮影だったこともあり、セリフが無い日もあったりして。
そこまで「ハード!」という印象はなかったかな。
各々に「今日は楽だな」という日があったと思います。キャストが多い分、撮影シーンも分散できていました。
同年代の出演者の方が多かったと思いますが、
一緒に過ごされていたんですか?
利樹(瀬戸)と中田啓介と5~6人くらいで打ちっぱなしに行っていました。あとは、撮影が終わるのが夕方が多かったので、次の日がセリフのないシーンの撮影と分かった時はけっこう男子メンバーで飲んでましたね(笑)。ホテルが2人1部屋だったこともあり、お互いに朝は起こしあったりしながら撮影に行っていました。僕は酔うとずっと笑っているタイプ。みんなで楽しく酔ったのも思い出です。
そんな和やかなホテルとは裏腹に
作品自体はかなりハードなもの。
撮影で大変だったことはありますか?
一発しか出来ないシーンが多かったことかな。流血のシーンなどは現場の復旧ができないので、撮影自体も繋がりで一発撮りが多くて。そういう撮影はみんなかなりの集中力で緊張感を持って挑んでいました。各々が「最高のものを出したい」と思って挑むので、一発撮りの撮影の前はおのずと口数も少なくなるんです。そういう面ではかなりけじめがついていた現場だったと思います。例えば、誰かが死ぬシーンの前は当事者がかなりギラギラしていて(笑)。みんなで「入ってんな~」と緊張感を感じ取っていました。
仲良しな学生生活から一変、自殺ゲームが始まる今作。
もし中尾さんが『シグナル100』の世界に入り込んだら…?
一人しか生き残れないなら絶対に生き残ろうとすると思います(笑)。
作品自体も、お互いをはめていったり人間の汚い部分が見えてきたり、今まで仲の良かった人たちが険悪になったり、逆に団結したり。そういった人間の本質の部分も見どころになっています。
ゲームを介して見える人間ドラマにも注目ですね。
では最後に、これから映画を観に行く方たちに
メッセージをお願いします!
僕の演じる藤春は陽気なサッカー部軍団の優しさの根源のような男の子。僕自身、藤春を演じるにあたって“癒し”の立ち位置を意識していました。藤春は自殺ゲームが始まってギスギスし始めたクラスの中でも唯一柔らかいことを言ったり、時には気弱になってしんどくなったりしつつも、仲間想いで。けれど仲間想いで正義感もある、すごくいいヤツなんです。そんな藤春含むサッカー部たちの仲の良さや絆の強さを感じてほしいですね。作品自体は、僕も試写で見たんですが、もう“ジェットコースター”です(笑)。現場ではなかった音や音楽の演出もすごくて、そういった面でも最初から最後まで落ち着くところがないと思います。次々と起こる現象から目が離せないはずです。学生時代とのギャップはもちろん、追い込まれて初めて見える人間の本性も見どころの一つ。あとは、「死に方ってこんなにたくさんあるの?」と思うほど色んな死に方が出てくるのも見どころ。一人が死ぬシーンは数十秒なんですが、その数十秒にかかっている手間がすごいので、是非注目して見ていただければと思います。
中尾暢樹
なかお まさき
1996年11月27日生まれ。
冷静な瞳の中に混在する無邪気な眼差し、その不整合ささえも心を惹く魅力として樹立していく23歳。
映画『シグナル100』/ 藤春昴役
監督:竹葉リサ
出演:橋本環奈・小関裕太・瀬戸利樹 / 甲斐翔真・中尾暢樹・福山翔大 / 中村獅童 ほか
2020年1月24日(金)全国ロードショー
※Item
Jacket:¥142,000 / YOHJI YAMAMOTO
Shirt:¥72,000 / YOHJI YAMAMOTO
Pants:¥67,000 / YOHJI YAMAMOTO
他スタイリスト私物
問合せ先:ヨウジヤマモト プレスルーム 03-5463-1500
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:仲田須加
スタイリング&ディレクション:町山博彦
インタビュー・記事:満斗りょう