板垣瑞生
映画『胸が鳴るのは君のせい』
「人間的であればあるほど素敵」
この物語の主役は貴方
「あたしの全部で恋をした」映画のコピーに胸が鳴った。〈本気の恋〉ってそういうことだよな、と。報われないと傷つくから、別れの時に辛いから、そんな不安や脆さを盾に、いつしか〈全部〉を捧げて恋することから逃げていた自分に気づく。真っ直ぐな想いでしか鳴らせない胸があることも知らずに。不器用な主人公も、真っ直ぐを体現したヒロインも、器用なのに素直になれないチャラ男も、邪道をいってしまうライバルも、登場人物の全てが自分の〈全部〉で恋する104分間。彼らの姿がきっと貴方の背中を押す――
映画『胸が鳴るのは君のせい』
<あらすじ>
高校1年の3学期に転校してきた有馬隼人(浮所飛貴)は、イケメンなのに愛想が悪くて、なんだかちょっと怖い。クラスメイトの篠原つかさ(白石聖)は、そんな有馬が気になり、いつしか目で追うようになっていた。予想しないタイミングで繰り出される自分だけに向けた優しさに、いつも胸が高鳴ってしまう。高校2年生の最後の日。つかさはずっと抱いていた有馬への想いを伝えようと決意。淡い期待を抱いて告白したものの、きっぱりとフラれて玉砕してしまう…。それでも有馬を諦めきれないつかさ。怒涛な展開を見せる高校生活最後の1年。不器用なつかさたちの想いはもどかしいほどに絡み合い、すれ違っていく。果たして、何度傷ついても、何度挫折しても諦めない、一途な片想いの行方とは――?
<長谷部泰広>
有馬とつかさのクラスメイト。イケメンでいつも女子に囲まれている。チャラチャラしているが、実はいいヤツ。いとこの麻友の付き添いで、有馬やつかさと関わっているうちに、つかさのことを好きになっていく。
長谷部泰広 × 板垣瑞生
今回、長谷部の苦手なものの一つに「“女性”が入っていてもいいよな」と思いながら演じていました。「モテる人にはモテる人なりの悩みがある」と、よく言うじゃないですか。そこを繊細に伝えていきたいと思ったんです。長谷部にとって女性は“苦手なもの”。そこにつかさが現れて、彼女と向き合うことで人生が変わっていく。そんな長谷部自身に起こる変化はずっと考えていましたね。あと、登場シーンには是非注目していただきたい(笑)!「本当にかっこよくやりたい」と思ってかなりバチッとかっこつけているので。めちゃくちゃ緊張しながら、頭の中でセリフを何度も確認して演じていました(笑)。これを話すと中身はダサいんですけど…(笑)。僕自身が観て「恥ずかしい!」と思うほど思いっきり演じさせていただいたので、長谷部の面白みやモテ要素を味わってください。
モテモテの長谷部ですが、
板垣さん自身もモテモテの高校時代だったのでは?
僕は長谷部みたいなタイプでは全くなかったです(笑)。暗くはなかったんですが、あんな風に「キャーキャー」言われる感じではなく…。普通の学生でしたね。長谷部が僕とまるっきり違う子だったからこそ、「こんな人になれたらいいな」「こんな感じの人がいてもいいんじゃないかな」と思いながら演じていました。歩きながら話している時のゆるさや、頭の良い感じ、彼のあの雰囲気がすごく好きで。あとは、モテ男という役柄を思う存分に使って、芝居の中で結構遊ばせていただきました。後ろにいる女の子たちの顔を全然見ないとか(笑)。終始楽しんで演じていましたね。
台本上で読み取っていた長谷部と
実際に現場で生み出す長谷部、
ご自身の中で〈差〉はありましたか?
現場に入ってから「長谷部は最後まで嘘つき笑いでいこう」と思っていて。それが一番面白いんじゃないかな、と。長谷部以外のみんなが無邪気に笑うキャラクターたちだったので、長谷部は本心じゃない笑顔でいようと思ったんです。うっきー(浮所飛貴)は〈本心〉の人で、すごく童心で真っ直ぐで天然なんですよ。現場でいろんな話をさせていただくうちにどんどん好きになっちゃいました(笑)。うっきー演じる有馬もすごく純粋な人だから、本番中に僕がアドリブのアクションをすると「うっ」と驚いてくれるんです。それがもうすごく可愛くて(笑)。長谷部は有馬をおちょくって楽しむ役だったので、僕自身も演じながら楽しくふざけることが出来ました。
リアル長谷部と有馬ですね(笑)。
アドリブが多めの現場だったんですか?
みんな自由にやっていましたね。若林くん(若林時英)が思いっきりやってくれていたので、現場全体に「各自好きにやろう」という空気があって。といっても、若林くんと僕だけだったかもしれないけど…(笑)。でも、そこの良い生感がすごく出ていた現場だったと思います。等身大の高校生が集まっているような感覚といいますか。高校時代ってみんな計算せずに今を楽しんでいるじゃないですか。そのリアルな感じが演じていてすごく楽しかったです。終始、和気あいあいとしている現場でした。
映画初主演の浮所さんとのお芝居はいかがでしたか?
うっきーが「俺、出来てるかな?」と撮影中に言っていたんですが、僕としては「本人そのものが魅力的だから本人のままでいい!」と思っていました。長谷部もみんなも、うっきーの魅力や可愛らしい部分に引っ張ってもらっていた気がします。うっきーの反応を勝手に想像して演じるのが楽しみになるような人だったので、そんな本人の魅力に虜になっていましたね。
今作のヒロイン・つかさはとにかく一途な女の子。
板垣さん自身、
つかさの一途さに惹かれるものはありましたか?
イチ男性として「是非付き合ってください!」って感じですよね(笑)。あんなに友達がいて、良い子でご飯も作れて…完璧じゃないですか!つかさの一途さって見ていて重く感じないんですよね。「なんで有馬は付き合わないんだろう?」と思うほどに完璧な女の子だと思いました。僕は駆け引きしたくないタイプなので、素敵な人がいたら「いいな~」と率直に思いますし、きっと真っ直ぐさに勝てるものはないと思っています。
胸キュンシーン溢れる今作ですが、
板垣さんのお気に入りキュンシーンは?
つかさが文化祭で被り物をとるシーン、いいですよね。被り物を外して好きな子が出てきたら「むちゃくちゃ可愛い!」と思いますもん。あんなシチュエーションでばったり会えたらキュンキュンするよな、とすごく共感しました。
Message from『胸が鳴るのは君のせい』
僕演じる長谷部のメッセージになってしまうんですが、「いろんな胸を鳴らしたい」と思って演じていました。恋愛や胸キュンに偏るわけではなく、役や高校生の生っぽさを大切に表現して、人間的、恋愛的、その全ての胸を鳴らせたらいいな、と。この映画を観てくださった方の背中をひと押しできたら嬉しいです。真っ直ぐにぶつかることで周りが変わることもあるし、長谷部みたいに頑固で頭の良い人を変えることもできるかもしれないってことを伝えたい。それは僕自身、役として変わらないといけない部分でもありました。今の時代って、人間らしさを出さないほうがリスペクトされることもあるじゃないですか。そっちの方が楽なのは確かですし。でも僕は「人間的であればあるほど素敵だな」と思うんです。純粋に目の前にいる人たちを大切にして、素直に生きる。そんな生き方の素敵さが届いたらいいな、と思います。
板垣瑞生
いたがき みずき
2000年10月25日生まれ。
零れるほどの素直な〈愛〉で、触れる人の胸を次々と鳴らすヒーローのような20歳。
映画『胸が鳴るのは君のせい』
2021年6月4日(金)全国ロードショー
出演:浮所飛貴(美 少年/ジャニーズJr.) 白石聖 板垣瑞生 原菜乃華
監督:髙橋洋人 脚本:横田理恵 音楽:KYOHEI(Honey L Days)
主題歌:「虹の中で」美 少年/ジャニーズJr.
原作:紺野りさ「胸が鳴るのは君のせい」(小学館「ベツコミ フラワーコミックス」刊)
制作協力:ドリームプラス
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
配給:東映
※Team Credit
カメラマン:田中丸善治
インタビュー・記事:満斗りょう