白洲迅
「Life 線上の僕ら」『僕らは恋がヘタすぎる』
対照的な2つの役柄と共鳴した彼の心音―
「Life 線上の僕ら」ディレクターズカット版
<あらすじ>
下校途中の一人遊び「白線ゲーム」で偶然出会った生真面目な晃(白洲迅)と無邪気な夕希(楽駆)。恋に落ち、「白線の上だけの逢瀬」にもどかしさを覚えた晃は咄嗟に夕希へキスしてしまって……高校生から大学生、そして大人へ―――。変わらない想いと、 変わりゆく現実の狭間で誰しもが経験する、人を愛する喜びや苦しみ、葛藤を爽やかに紡ぐ。出会いから死ぬまでの、2人の男の人生を純粋に健気に描いた感動作。
伊東晃 × 白洲迅
晃は「考えすぎ」な男の子。今回は学生時代から大人になるまでの成長、そしてその先も描いていく作品だったので一人の人間を通して苦悩し続けました。こんなに長く役の人生を演じるというのは初めての経験でしたね。
17歳、19歳、28歳…と晃の人生を演じられていましたが
白洲さんの中で演じ分けはあったんですか?
もちろん見た目的なこと、髪型や衣装などはヘアメイクさんや衣装さんとお話しました。ただこれといって「演じ分けよう」とはしていなかったかな。実際に台本に書かれていることや、ストーリーをそのまま現場で演じて「晃」として生きていれば自ずと変化はついてくるかな、と思っていたので。
今作には印象的なセリフが多く出てきますよね。
なかでも白洲さんが覚えていらっしゃるセリフはありますか?
そうですね…たくさんあるので「特にこのセリフ!」と断言はできないんですが、僕、晃のモノローグのセリフが詩的で好きなんですよね。モノローグの中に素敵な言葉がいっぱい散りばめられているので是非そこには注目していただきたいです。あと、原作の漫画の話になっちゃうんですけど、晃が夕希のことを「人生のスペシャリスト」と表現するシーンがあって。その表現は晃という人間を通して僕自身も夕希に感じたことでした。
白洲さんご自身が実際に体感した言葉なんですね。
そうですね。「あんな生き方が出来たら素敵だな」と。(台本を見て)あ、もう一つ。晃のモノローグで「夕希のいない世界を想像して足元から滑り落ちるように怖いと思った」というセリフ。言葉としてかなり強い表現じゃないですか。夕希を好きすぎるがゆえに恐怖まで覚えてしまう…すごい愛情の強さですよね。
晃はモノローグ中に感情がダダ漏れしていますよね(笑)。
言葉数が少ない分ね(笑)。モノローグの詩的な言葉は、そのくらい考え込みがちな晃のことを表しているんだと思います。
「Life 線上の僕ら」というタイトルにちなんで
線上で繋がっていたと思う過去の出来事は何かありますか?
人生ってきっと全てが繋がっていると思うんですけど、特にそう思うのはこの世界に入るきっかけをくれた人との出会いですかね。僕の母親の親友の女性、僕からするとおばちゃんみたいな存在の人がいて、僕が小さい時から本当にいろいろ気にかけてくれる方だったんです。僕がこの世界に入ったのは高校生の時に受けた「JUNONボーイコンテスト」がきっかけなんですけど、実はそのおばちゃんに毎年のように「受けなさい」と言われていて(笑)。僕と母はまったく興味がなかったんですが、小さい頃から僕を見てくれていた人からの言葉だったからこそ、あの時受け入れたんだと思います。今も本当に応援してくれていてありがたいです。
それは嬉しいですね。
きっとその方も喜んでいらっしゃいますね!
とても心配してくれますし、僕の希望で始まっていないからこそ「半ば無理やり始めさせちゃったけど、どう?楽しんでる?」とメッセージをくれたりもして。そういった縁や運の場面場面の点が繋がって今の「白洲迅」があるんだと思いますね。
Hilight of 「Life 線上の僕ら」
この作品は「ボーイズラブ」という括りではあるんですが、人と人の純粋なラブストーリーであり、それぞれの人生を丁寧に描いている作品。人の持っている“弱さ”を晃が体現していて、そんな晃を導く夕希がいて。出会いや別れもそうですし、誰もが抱えるような個人的な悩みと苦悩も詰め込まれた作品になっているので、晃と夕希、そしてその周りにいる登場人物たちにいろんな重ね方をしながら観ていただけたら嬉しいです。
Hilight of 伊東晃
晃は人間臭い男で、正直行いとしてはあまり褒められたものではないと思うんですが、間違いを起こしつつも、その間違いから学んでいろんな気づきを得てもう一度立ち向かっていく晃の姿、そしてそれに影響を与える夕希という存在を観ていただきたいです。僕自身「晃、何してんだよ」と思う部分ももちろんあったんですけど(笑)。でもそんなツッコミを入れている心のその横で、自分にもそういった後ろめたくなるような経験や感情があることに気づかされました。そういった自分自身の繊細な部分と重ねて観ていただきたいな、と思います。
ドラマ+『僕らは恋がヘタすぎる』
<あらすじ>
藤原花(川島海荷)と片山みずきは小学生の頃からの大親友。付き合っていた彼氏に浮気され、フラれてしまった花は、みずきと一緒に傷心旅行へ。そして、旅先の温泉宿で成田洋介(白洲迅)と一之瀬歩という2人の男性に出会う。知り合ったばかりだというのに、いきなり正論を振りかざし、性格的に言いたいことが言えない花を叱る成田。当初は反発する花だったが、これまでの出来事は「気を遣って何も言いだせない」という自分の欠点によるものだと気づく。そこで自分を変えようとする花だったが…!?そんな花と仲良くし、長い間、見守ってきたみずき。しかし、イイ雰囲気になった男性から花を紹介してほしいとせがまれることもあり、内心は花に対して複雑な思いを抱いていた。他人に気を遣いすぎて自分を犠牲にしてしまう花。一方、真剣に付き合ったことがなく、愛されたいと強く願うみずき。相手のためにと正論を言って嫌われてしまう成田。心の影のせいか優しくもチャラくもある歩。そして、歩の「弟」・奏多。それぞれの中に渦巻く友情や嫉妬、裏切り、諍い…。彼らが恋愛を通して自分と向き合っていく姿を鮮やかに描く。
<成田洋介>
経営コンサルタント。花が旅先で出会った口の悪いイケメン。強引でストレートな性格。相手のためにと思って正論を言うが、そのせいで周囲から人が離れていってしまうことも。
成田洋介 × 白洲迅
成田は強引で思ったことをズバズバ言ってしまうので、人からは嫌厭されてしまうこともある人。でもそれは相手を思いやるがゆえなんです。そんな時に「花」という自分の意見をあまり言えない子と出会って…そしてもちろん花にもズバズバと言ってしまうという(笑)。「(花に)人に気遣ってばかりいると自分ばっかり損するよ」と強く言ってしまうんですが、成田は成田で段々と「自分のようにみんながみんな思っていることを言えるわけじゃないし、いつでも頑張れるわけじゃない」ということに気づいていくんですよね。そしてそれに気づいた時、今度は成田自身に変化が起きてしまう。成田は成田で物語を通して成長していくんじゃないかな、と思います。
28歳の成田。白洲さんご自身も28歳になられましたが、
20代前半と後半で変わったことはありますか?
変わったことはたくさんあります。20代前半はいろんなことに対して視野も狭くて、目の前のことにとにかく一生懸命で精いっぱいだったんです。後半になってくるにつれて視野も広がってきて、やれることも多くなって余裕もでてきた気がします。同時に視野が広がっていろんなことが見えるからこそ、今まで踏み出せていた一歩が踏み出しづらくなってしまったり、変にこなれてきちゃったりしている部分があるのも事実。「30代になったらまた変わってくるんだろうな」と今期待をしているところです(笑)。
分かります。
見えるから、経験があるからこその悩みですよね。
同年代の友達の話を聞いていても30代前ってみんなどことなくもがいているんですよね。でもそれが良さなのかな、とも思います。晃もそうですけど「今の年齢の自分だからこそ出来る役なのかな」と。
Hilight of 『僕らは恋がヘタすぎる』
今まで演じたラブストーリーの中でも、ここまでストレートでここまで強引なキャラクターはなかったんですよ。ビジュアル的にも髪色を明るくしたりと、ある意味僕にとっての挑戦となる作品でもあります。「大人の恋愛」と謳いつつも、成田と花に関しては純粋すぎるほどに純粋なので、そこのムズムズを楽しんでいただきたいです(笑)。
白洲迅
しらす じん
1992年11月1日生まれ。
瞬間的には読み解けないミステリアスさとふわっと香る穏和な笑顔の表裏一体性がクセになる28歳。
「Life 線上の僕ら」ディレクターズカット版/伊東晃役
2020年10月30日(金)~ シネマート新宿 一週間限定レイトショー
2020年11月21日(土)~ シアターセブン(大阪)
2020年12月~ シネマスコーレ(名古屋)
原作:『Life 線上の僕ら』常倉三矢(芳文社刊) 監督:二宮崇
出演:白洲迅 楽駆/小島藤子 土居志央梨 長田奈麻 廻 飛呂男 シブリ 奥山佳恵
ドラマ「Life 線上の僕ら」(全4話)配信中
Rakuten TV(https://tv.rakuten.co.jp/content/344767/)
ビデオマーケット(https://www.videomarket.jp/page/2108)
その他配信サイトでもデジタルレンタル中!
ドラマ+『僕らは恋がヘタすぎる』/成田洋介役
ABCテレビ(関西):毎週日曜よる11時55分~
テレビ神奈川:毎週火曜よる11時~
※ほか地域でも放送予定
地上波終了後より、Huluにて独占配信!
※TVer・GYAO!での見逃し配信は除く。
出演:川島海荷 白洲迅/塩野瑛久 浅川梨奈 島崎斗亜(Lilかんさい/関西ジャニーズJr.)野呂佳代 大場美奈(SKE48)
チームクレジット
カメラマン:鈴木寿教
ディレクション:町山博彦
インタビュー・記事:満斗りょう