日向亘 × 大倉空人
ドラマ『君となら恋をしてみても』
いかにナチュラルに見せるかを大事にして演じました
2021年より総合エンタメアプリ「マンガPark」(白泉社)で連載がスタートし、2022年には単行本が発売。現在はコミックス累計10万部を突破し、人気声優によるボイスドラマ化もされるなど、注目を集めているマンガ『君となら恋をしてみても』がTVドラマ化され、絶賛放送中。W主演を務める日向亘さんと大倉空人さんに、撮影時の思い出や作品の見どころなどを伺いました。
Ⓒ2023 窪田マル・白泉社/ドラマ「君となら恋をしてみても」
〈あらすじ〉
過去に同性が恋愛対象であることを嘲笑され、真面目に恋をすることをやめてしまった高校生・海堂天(大倉空人)は、祖母の住む江の島へ引っ越すことになり、そこで同い年の山菅龍司(日向亘)と出会う。面倒見がよくやさしい龍司のそばにいるうちに、心魅かれていく天。本気で人を愛することをあきらめたはずの気持ちが、少しずつ変わり始めて……。
“なら恋”の撮影を経て、
第一印象が変化した部分はありますか?
大倉空人(以下、大倉):どっちからいきます?
日向亘(以下、日向):じゃあ……空人くんからお願いします!
大倉:あっ、僕からですか(笑)。最初に日向くんと会ったときは、このビジュアルからクールでおとなしい方なのかなと思いました。でも、撮影中はすごく楽しそうだし、スタッフさんたちと話して現場を盛り上げたり、すごく人懐っこくて。明るくてやさしい子だなという印象に変わりました。
日向:第一印象というか、空人くんのことはもともとアーティストだと知っていたので、“イケイケな人なのかな?”と思っていたんですけど。
大倉:イケイケって(笑)。
日向:最初にあいさつをしたとき、「大倉空人です。よろしくお願いします」と言ってくれて、すごく腰が低くて。そこで、僕のなかでの好感度がバクンと上がりました。いざ撮影が始まってみると、“気配りができる方だな”“空気を読める人なんだな”とか、どんどんいいところが更新されていきました。僕のことも、事あるごとにホメてモチベーションを上げてくれるんです。
大倉さんはホメ上手?
大倉:いやいやいや! 日向くんもいっぱいホメてくれます。お芝居についてだったり、あとはキャラクターの役作り的なところとか。撮影現場ではもちろん、こういう取材の場でもホメてくれるので、すごく自信につながります。
日向:僕も、お芝居についてホメてもらえるとすごくうれしいです。普段、お芝居をホメられることってあまりないから、空人くんにポジティブな言葉をもらって自信がついたし。この撮影を通してもっと成長できるようにがんばろう! と気合いが入りました。
お互いの役どころを紹介してください。
大倉:どっちからいきます?
日向:じゃあ、僕からいきます!
大倉:あっ、お願いします(笑)。
日向:空人くん演じる天は、過去にトラウマを抱えていて、なかなか前を向くことができなかったんですが、僕が演じる龍司との出会いがきっかけとなって過去を乗り越えることができたんです。きっと、もともとは明るくて誰とでもすぐ仲よくなれる性格で、新しい環境にもすぐに順応できる、天真爛漫でやさしい男の子だと思います。
大倉:日向くん演じる龍司は、とにかくやさしくて面倒見のいい人。落ち着いていて自分から積極的にふざけるタイプではないけど、友達といるときにははしゃいだりもするので、TPOに合わせて行動できる人というイメージがあります。初対面で、天に「俺ん家、来ます?」と自分の家(が経営する食堂)に誘ったり、人懐っこい部分もチラッと見えますよね。
Ⓒ2023 窪田マル・白泉社/ドラマ「君となら恋をしてみても」
演じている御本人との共通点を教えてください。
日向:周りに気を配れるところ! あと、いろんな人に自分から話しかけられるコミュニケーション能力の高さも、天にそっくりだと思います。
大倉:撮影現場を盛り上げたり、常にスタッフさんともコミュニケーションを取られていたりという……面倒見のよさっていうのかな? 表現としてはちょっと違うかもしれないけど、そういう一面が垣間見れる場面がいっぱいありました。楽しむところは思い切り楽しむというメリハリのあるところとか。とにかくやさしい! もう、龍司と似ている部分は数えきれないくらいあります。
本作はマンガ原作ですが、
原作のシーンを実写化するにあたり
大変だったことは?
日向:大変だったこと……うーん、何だろう……?
大倉:龍司はいっぱいありそうだよね。天の前髪を触るシーンとか。
日向:あー! なるほど、そういうことか! それはもう、いっぱいあります。8個ぐらいはあった気がする。
大倉:いっぱいと言いながら、具体的な数字を言えるんだ(笑)。
前髪を触るシーンというのは、
第1話の天が龍司の家に行く途中の?
日向:そうですそうです! 暑くて汗でベトベトになっている天の前髪に触りながら、「そりゃ、こんな前髪してたら暑いでしょ」と言うんですけど。
大倉:見ている人がキュンとするシーンね。
日向:僕が実生活でしたことのなかった仕草だったので、いかにナチュラルに見せられるかが肝だなと思ってがんばりました。あっ、あと! 同じく第1話で天が階段から落ちそうになるシーンも大変でした。
大倉:あそこも難しかったね! 階段から落ちそうになる僕を、龍司が引っ張って助けてくれるシーンなんですけど。実際に(階段から)落ちるわけではないから、どういう動きをすればいいんだろうと悩みました。
日向:うん、大変そうだった。
Ⓒ2023 窪田マル・白泉社/ドラマ「君となら恋をしてみても」
マンガの実写化ならではの苦労ですね。
大倉:そうですね。第1話の体育館のシーンも難しかったです。
日向:バスケの授業中のシーンね。あそこはセリフを言った後、天のモノローグの量も多かったしね。
大倉:そうなんです。飛んできたボールが天に当たりそうになるところを、龍司が体を張って守ってくれるんですけど。原作では、龍司が壁ドン状態のままずっとしゃべっているんですが、実際はその後の行動のことを考慮して、もうちょっと前にその状態を解除しなきゃいけないし。さらにその後、僕のモノローグが3つぐらい続くから、そのための“間”を入れて撮らないといけなかったので。
日向:そうそう!
大倉:あと、僕は“夕陽アイス”も難しかったな。
日向:あー、夕陽をアイスクリームに見立てて、コーンに乗っているような構図でスマホで撮るシーンね。あれも難しかった! 直前まで本物のアイスを持っているんですけど、撮影しているうちに溶けてきちゃうし。
大倉:そう! それに、夕陽がうまくコーンの高さにくるように持つのも難しかったですね。
松本(花奈)監督の演出はいかがでしたか?
日向:画にすごくこだわっていらっしゃった印象があります。原作ではめちゃくちゃキレイに江の島が描かれているので、それを忠実に再現しようとされていたのかなって。実景を撮るときは、いろんなパターンを試したりとか。
大倉:まさに、日向くんの言う通りだと思います。僕たちの表情にもすごくこだわって撮ってくださっていました。
例えば、どのシーンですか?
日向:天が龍司に告白するシーンとか?
大倉:あー、あそこもそうだね。あとは、天と龍司の出会いのシーンとか。
日向:灯台(江の島シーキャンドル)でのシーンも、たくさん撮ったよね。
大倉:この作品は場面の移り変わりが多いし、天の気持ちが変化していく様子が丁寧に描かれているので、そういうシーンは特に時間をかけて撮影していました。
Ⓒ2023 窪田マル・白泉社/ドラマ「君となら恋をしてみても」
監督からのディレクションで、
印象に残っている言葉があれば教えてください。
日向:監督は、僕たちのお芝居をすごく大事にしてくれるんです。なので、ホントに自由にのびのびとやらせてもらったと思います。
大倉:そうだね。
日向:そのなかで、監督が「今度はこうしてみようか」と提案してくださって何パターンか撮ってみたり。
大倉:クランクイン前、本読みの段階で「私はここはこう思っていますが、大倉さんと日向さんはどうですか」と聞いてくださったので、僕たちも「こう思っています」とお話しさせていただいて。そうやって固めたものを「じゃあ、現場で実際にやってみましょうか」という感じで進んでいくことが多かったです。
撮影の合間などで
印象に残っていることを教えてください。
日向:僕は江の島ロケかなー。
大倉:僕も! やっぱり、江の島でのシーンをまとめてギュッとした日程で撮影したからね。
日向:そうだね。撮影中は、隙あらば観光をしに抜け出そうと企んではスケジュールの都合上諦めるという感じでした(笑)。
江の島ロケで、
特に印象に残っている撮影シーンは?
大倉:お祭りのシーンです。階段になっている細道があって、そこから海に夕日が沈んでいくのが見える場所で撮影したんです。細道と海と夕日と……そのすべてがマッチした瞬間がめっちゃキレイでした!
日向:たぶん、その場所はSNSとかで話題になっているんでしょうね。人もたくさんいました。
大倉:ホントに細い道なので、僕たちが撮影している間、通行する人たちが待っていてくださるんです。なので余計に、1シーン1シーン大切に臨まなきゃと思って撮影していました。
日向:そうだね。そして僕ら演者と江の島の風景がキレイにマッチするように撮ってくださっているなとも感じながら撮影していました。美しい画のなかで展開していく龍司と天の物語を楽しみにしていてください!
お互いに褒め合い揃って照れていたり、質問のたびに話す順番を譲り合ったりと、終始何だか微笑ましかった日向さんと大倉さん。実写化が大変だったシーンについてのお話では、資料として置かれていた原作を開いてみたり、実際に再現してみたりと大盛り上がり! お二人の無邪気な等身大の姿が見られた瞬間でした。
日向亘
ひゅうが わたる
2004年3月18日生まれ。
過去の出演作に、TBS『ペンディングトレインー8時23分、明日 君と』(‘23)、TBS『Get Ready!』(‘23)、EX『仮面ライダーリバイス』(‘21~‘22)、KTV『姉ちゃんの恋人』(‘20)、ドラマ・映画『太陽は動かない』(‘20)などがある。現在放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』に真田信繁(幸村)役で出演中。CX10月期『うちの弁護士は手がかかる』に岩渕亮平役で出演中。また、1st写真集「5W1H」が発売中。
大倉空人
おおくら たかと
2002年4月12日生まれ。
7人組ダンスボーカルユニット「原因は自分にある。」のメンバー。
俳優として、最近の出演作に、TX『沼オトコと沼落ちオンナの midnight call~寝不足の原因は自分にある。~』 (‘23)、主演映画『ヒッチハイク』(‘23)、BS-TBS『怪談新耳袋 暗黒』(‘23)、ABC『ひともんちゃくなら喜んで!』(‘23)、舞台『THE 面接』(‘23)などがある。
また、10月クールはTBS系「マイ・セカンド・アオハル」にも出演。
Ⓒ2023 窪田マル・白泉社/ドラマ「君となら恋をしてみても」製作委員会・MBS
ドラマ『君となら恋をしてみても』
MBSドラマ特区枠にて放送中
MBS(毎日放送)毎週木曜24:59~
テレビ神奈川 毎週木曜23:30~
チバテレビ 毎週金曜23:00~
テレビ埼玉 毎週木曜23:30~
とちぎテレビ 毎週木曜22:30~
群馬テレビ 毎週木曜23:30~
配信:TVer/MBS動画イズムにてMBS放送後に配信スタート
※Item Credit
<日向さん>
ジャケット(アタッチメント)¥63,800
カーディガン¥57,200(コグノーメン/ともにサカス ピーアール)
靴¥56,100(ズッカ/エイ・ネット)
他スタイリスト私物
<大倉さん>
ジャケット¥63,800、パンツ¥33,000(ともにメアグラーティア/ティーニーランチ)、その他スタイリスト 私物
※Team Credit
日向さん
スタイリスト:八木啓紀
ヘアメイク:佐々木麻里子
大倉さん
スタイリスト:TAKURO
スタイリストアシスタント:Moeka Senda
ヘアメイク:SUGA NAKATA(GLEAM)
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー:林桃
記事:林桃/緒方百恵