奥平大兼
映画『赤羽骨子のボディガード』
基本的には自分でできるようにアクション練習もがんばった
映画『赤羽骨子のボディガード』に、クラスの司令塔を担う染島澄彦役で出演する奥平大兼さん。クセの強い登場人物が揃うなか、独特な存在感を放つ澄彦を演じるうえで心がけていたことや、マンガ原作ゆえの大変さ、主演のラウールさんとの撮影エピソードなどをお聞きしました。

©丹月正光/講談社 ©2024 映画「赤羽骨子のボディガード」製作委員会
<あらすじ>
とある事情から、100億円の懸賞金をかけられた赤羽骨子(出口夏希)。大好きな幼なじみの彼女のため、ボディガードとなった威吹荒邦(ラウール)に与えられたミッションは、彼女にバレることなく守ること。だが、まさかのクラスメイト全員がボディガードだった! 司令塔の染島澄彦(奥平大兼)をはじめ、クラスメイトは超絶濃いキャラばかり。はたして、ミッションを無事にクリアすることはできるのか……!?

奥平さん演じる染島澄彦は、どんなキャラクターですか?
実写版の澄彦に関して言うと、すごく冷静で淡々としていて、感情を出すこともあまり多くなく。ただ、心の中にはちゃんと熱い想いを持っている子です。
もしおわかりになるようでしたら、澄彦を性格診断テストのタイプに当てはめると?
えーっ、何だろう!?以前、人に勧められてテストをやってみたことがあって。そのときはENTPだったんですけど、結果の画面をスクショしただけでよく読まなかったので、それがどういう性格なのかよくわからないんですよ。なので、ほかにどういうタイプがあるのかも、よくわかっていなくて……。
16Personalities性格診断テストのサイトによると、ENTPは「討論者」タイプ。賢くて好奇心旺盛な思考家だそうです。
そうなんだ!?おもしろいな。好奇心旺盛……でもたしかに、知らないことに関してはすごく知りたいと思いますし、いろんなことにチャレンジするのは好きなので、当たってますね。

では、澄彦を演じる際に心がけていたことは?
原作だと澄彦はずっと明るいキャラクターとして描かれているんですけど、それをそのまま実写に持ってきちゃうとメリハリがつかなくなってしまうと思ったので、どのように演じるか、いろいろと考えました。
どのように役ヘアプローチしていったのでしょうか。
クラスの中で澄彦は司令塔の役割を担っているので、物語が展開していくなかでいろんな方針を決定していくんですけど、フワフワと芯のない感じでは説得力に欠けると思ったので、最初は冷静で淡々としていて、ちょっと冷たい面を多めに出して。後半で荒邦と打ち解けていくにつれて、だんだんと変わっていくように演じました。だから前半は、原作の澄彦とはちょっと違うテイストになっていると思います。
そういったところは、監督とも話し合いながら?
はい。原作ありきの作品なので、あまりにも原作と違ってしまったらダメなので。撮影中はシーンごとに、ここはキッチリめの澄彦でいくのか、それとも周りに合わせてちょっとフラッとしているのか。その塩梅を、その都度監督と相談しました。

監督の指示や言葉で、特に印象に残っているのは?
澄彦の所属する3年4組は、赤羽骨子のボディガードをしているのですが、実際に戦うチームと、澄彦率いるモニター班という後方支援をするチームにわかれているんです。モニター班は指揮車を基地にしているんですけど、戦い以外のみんなが楽しそうにしているときに、澄彦はどういう態度でいたらいいんだろうと思って。監督に相談したときに、物語の展開が速いけど、表情がちゃんとつながるようにとか、細かいところまでお話ししたのが一番印象に残っています。
シーンが変わる際にプツンと切れないように?
そうです。みんなと一緒に楽しんでいるシーンの後、次の場面に切り替わったときに、いきなり「ちょっと待て!」みたいな感じでシリアスになったら、ちょっと違和感がありますよね(笑)。かといって、最初から一人だけ深刻な表情をしているのもちょっと違うかなと思って。そこらへんは、「最初はちょっと余裕のある感じでいきますか?」とか、監督とディスカッションをしながら決めていきました。
威吹荒邦役のラウールさんとは一緒のシーンも多かったかと思いますが、“だいラウ”エピソードがあったら教えてください。
だいラウ!なつかしい響きだな(笑)。ラウールくんとの思い出は……後半に屋上でのアクションシーンがあるんですけど、撮影当日、めちゃくちゃ風が強かったんです。ホントにもう、立っているだけで体が持っていかれそうになるくらい。だから、風がやむまで待機していたんです。そのときに、ラウールくんが風と戯れていて。普段は大人っぽいけど、ちゃんと年相応のかわいらしい面もあるんだなと思いました(笑)。

奥平さんは見ていただけ?
いや、僕も両手を広げて、向かい風に抗う、というめちゃくちゃくだらないことを、ずーっとラウールくんと二人でやっていました(笑)。限られた時間のなかで撮らなきゃいけないので、風がやんだ瞬間にパッと荒邦と澄彦になって、シリアスなお芝居をして。また風が吹いてきたら風と遊んで~という時間が楽しかったです。
風と遊んでいるときは、二人とも無言で?
何の話をしてたかな。「風強いねー」とか?(笑)今回、撮影の空き時間にはラウールくんと二人で話すことも多かったんですが、そんなに中身のある話はしなかったですね。1回だけ、お互いの仕事……「ラウールくんはアイドルとして、こういうときはどうしてるの?」みたいなことを聞いたりとか。逆にラウールくんが、役者という仕事について僕に聞いたり、みたいなことはありましたけど。それ以外は、くだらない話しかしていなかったと思います。でも、ほかのキャストのみんなともそんな感じでしたね。
本作はマンガ原作の実写化ということで、再現するのが難しかったシーンはありますか?
この映画で描かれている部分では、たぶん澄彦の本気って出ていないんですよね。本気に見せかけているようなところはあるけど。なので、“ヤバいアクションを軽々とやる”みたいなところはなかったんですが、僕は腰が悪いので、基本的にアクションシーンは全部怖かったです。

アクションは、複雑な動きもありますもんね。
そうなんです。もちろん、カット割りや編集でカッコよくしているところもありますが、基本的には自分で全部できたほうがいいので、アクションの練習もがんばりました!
アクションの見どころは?
もちろん、後半のアクションシーンも見てほしいんですけど。前半に、生徒たちそれぞれのアクション+ちょっとした紹介をされるシーンがあるんですね。例えば僕だったら、「司令塔・染島澄彦」みたいな感じで。そこでは、みんながどういう役職で、どういうキャラクターなのかというのが単体で見られるので、ぜひ注目してほしいです。

奥平大兼
おくだいら だいけん
2003年9月20日生まれ。
最近の演じられている役や物静かな雰囲気からは想像ができないぐらいに一つ一つの言葉が丁寧ですごくわかりやすく楽しそうに話してくださる奥平さん。ご本人は昔は人見知りとおっしゃられていましたが、全く感じさせないくらい気さくなお人柄で、インタビューではスタッフとたくさん笑って質問に考えて楽しいお時間となりました。また雰囲気や表情の外見は以前の3年前のFASTからはずいぶんと成長をされていましたが、中身はまだまだ年相応にとっても可愛らしい奥平さん。マネージャーさん方とのお話の中でも「可愛い表情をするよね」と言うセリフに思わず共感してしまうくらいに溢れる可愛さがありました。後編では今の奥平さんの考え方や大切にされていることを伺っております!お楽しみに!
最近の出演作に、テレビドラマでは、NHK総合『ケの日のケケケ』(‘24)、日本テレビ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(‘23)、映画では、『PLAY!~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』(‘24)、『君は放課後インソムニア』(‘23)などがある。また今作の『赤羽骨子のボディガード』だけでなく、9月公開予定の『Cloud クラウド』がある。

©丹月正光/講談社 ©2024 映画「赤羽骨子のボディガード」製作委員会
映画『赤羽骨子のボディガード』
主演:ラウール
出演:出口夏希 奥平大兼 髙橋ひかる
倉悠貴 山本千尋 戸塚純貴 鳴海唯 中田青渚 長井短 坂口涼太郎
木村昴 芝大輔(モグライダー) 詩羽(水曜日のカンパネラ) 安斉星来 橘優輝 松岡広大 大久保桜子
有輝(土佐兄弟) かなで(3時のヒロイン) 工藤美桜 三浦獠太 髙橋大翔 あの
津田健次郎 皆川猿時 / 遠藤憲一 / 土屋太鳳
原作:丹月正光『赤羽骨子のボディガード』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
監督:石川淳一 脚本:八津弘幸 音楽:やまだ豊 主題歌:Snow Man「BREAKOUT」(MENT RECORDING)
製作 : フジテレビジョン 松竹 講談社 制作プロダクション : ギークサイト 配給 : 松竹
©丹月正光/講談社 ©2024 映画「赤羽骨子のボディガード」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/akabanehonekomv/
公式X:@akabanehonekomv 公式Instagram:@akabanehonekomv 公式TikTok:@akabanehonekomv
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:速水昭仁(CHUUNi)
スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿