平野莉玖
「興味があったらまずやってみる。自分が生きた証しを残したい」
21歳でアパレルブランドを立ち上げ、現在は俳優に音楽活動と幅広い分野で活躍している平野莉玖さん。現在放送中のドラマストリーム『さっちゃん、僕は。』(TBS系)では、不倫に翻弄される主人公の友人で、陽気な性格の文也を演じています。インタビュー後編では、これからの目標やご自身の経験を踏まえた若い人に向けたメッセージまで、平野さんの熱い思い、ぜひご覧ください!
来年公開の初主演映画『SENTIENT GAME』も決まって俳優業が続きますが、今、演技のどんな所に面白さと難しさを感じていますか?
面白いと思うことと、難しいなと思うことが同じなんです。普段の自分ではない「誰か」を演じると、僕自身が言ったことのないようなセリフも出てくるんです。そういう時「この人はどういう気持ちで、どういう表情でこの言葉を言うんだろう」とか「どういう声のトーンで話すんだろう」と考えながら演じるのはとても難しいです。だけど、自分が経験したことない感情を入れてお芝居していると、色々な人の目線や感じ方がわかって楽しいなとも思いますね。なので、いつか自分とは真逆の性格を持った役もやってみたいです。
具体的に挑戦してみたい役は?
完全な悪じゃなくて「ちょっと悪」な役ですかね(笑)。僕自身は割とポジティブ人間で、なんでも明るくシフトチェンジするタイプなんです。なので、反対にちょっとクールなキャラクターとかいいですね。やりたい役はまだたくさんあります。
先日出演されたバラエティ番組でも、大御所の方にも物怖じせず、堂々とお話されていましたね。
元々あまり緊張する方ではないので、あれが本当の自分なんです。お芝居の時やバラエティ番組など、慣れていないことにチャレンジする時は緊張もしますし「うまく喋れているかな」と思いましたけど、実際にそのお仕事をしているときは嫌でも苦でもないんです。
僕は好奇心でできているんですよ。色々なことに興味を持つので何でもやってみたい。プライベートでもお仕事でも、やりたいことはやれるうちにやりたいので「ビビっている時間がもったいないな」って思うんです。特にライブは自分が大好きなことをしている場なので、ステージに立っている時は楽しみとワクワクでいつも武者震いしています(笑)。
21歳でアパレルブランドを立ち上げられました。若いうちに独立しようという思いはいつ頃からあったのですか?
何か新しいことを始めたい、自分が生きた証しを作りたいという気持ちがあったので、アパレルをやりたいと思ったのは本当にあのタイミングなんですよ。
20歳くらいの頃、何かを始めたい気持ちが芽生えた時に「じゃあ何をやろうかな」と考えて「服が好きだからブランドを作ってみようか」「自分のブランドっていいな、証になるな」と思って。洋服の専門学校に行っていたわけでも、アパレルショップで働いた経験も全くないまま進んだのですが、もちろん会社を立ち上げることは不安で怖かったですし、何をすればいいかもわからなかったです。
そこに不安や迷いはなかったのですか?
初めてのことに挑戦する時に、どうすればいいのか分からないのはきっとみんな一緒だと思うんですよね。僕も「そもそも会社の設立ってどうやるんだ?」と思っていました。なので「何から始めればいいんだろう」と思い、スマホで色々調べて、まずは服を作っている工場に実際に行って、お話を聞いてみようというところから始めました。名古屋市内の工場を一人でまわって「どうやって作っているんですか」とか「色々教えてください」って聞いたり、コツコツ調べたりしながらやっていました。
その経験を経て、やっぱり自分で足を運ぶことはすごく大切なことだなと痛感しました。おかげさまで「RKS RICKY」も5年目にも入り、ようやくブランドとしてなんとか形になってきたかなと思います。
実際に自分で見聞きして体感することで、最初にあった不安や迷いを少しずつ解消していったんですね。
そうですね。最初は本当にわからないことばかりだったので、知っている人に聞く、プロに頼るしかないなと思いました。「何からすればいいかわかんない」って言っている時間ももったいないので「とりあえずやってみよう」と体が動くんですよね。そういう時の行動力だけは自分でもすごいなって思います。
最近、若い人が「何をすればいいかわからない」とか「自分は何がしたいのかわからない」っていう言葉をよく耳にするんですけど、僕は「ちょっとでもやりたいと思ったら、やっちゃえばいいじゃん!」って思うんですよね。きれい事に聞こえるかもしれませんが、後で後悔するよりも、何かに興味を持ってやってみたいと思ったらやってみたらいい。僕自身がそれを体現したと思っています。
アパレル以外にも、俳優業や音楽活動など多岐にわたって活動されていますが、エンターテイメント全体として目指すところを教えてください。
特にこれというものはないのですが、一人でも多くの人の背中を押せる人間になりたいなと思っています。僕自身が音楽を始めたきっかけも、あるアーティストさんの曲を聞いて、
「このままじゃダメだな」と思い、もう1回音楽をやってみようって思えたのがきっかけでした。
その時に感じた「人の心を動かすってすごいな、自分も人の心を動かせる人間になりたいな」という思いは今でも持ち続けています。なので、若い方たちにも積極的にどんどん頑張ってほしいですし「やりたいことを全力でやってみたら、きっと次のステップに進めるよ」「行動力さえあればなんでもできるんだな」っていうところを、自分のお芝居や曲などを通じて見せていきたいなと思っています。
大切にしているMYルールはありますか?
嘘をつかないことですかね。自分にも他人にもそうですし、家族の間でも嘘をつかない。「人を裏切るようなことだけはするな」ということは、昔から母親に言われていました。こういう取材や、人との会話の中でちょっとでも嘘になってしまうことや、話を盛ってしてしまうようなことは絶対にしないと自分の中で決めています。
平野莉玖
ひらの りく
1999年3月1日生まれ。
撮影では、自然を背景に写真を撮りましたが、海と伝えてとても嬉しそうに喜んでくださった平野さん。2パターン取ることも撮影前に事前に伝えていると、「服装もパターン少し変えましょうか?」と提案してくださる心遣いでとてもお優しいお人柄でした。皆さんは平野さんの服装どこが変わったかお気づきになりましたか?ぜひ探してみて下さい!
また撮影終わりの道中でも、インタビューの中にはありませんが、カメラマンと名古屋エピソード、スペインでのお話で盛り上がり。移動中でも気さくに話してくださり、道中がとてもあっという間に感じてしまいました。最後の最後では取材が楽しかったとおっしゃられてとても嬉しく感じたスタッフ一同でした。
これからも音楽、アパレル、役者とたくさんのことに真っ直ぐ向き合って取り組もうとする平野さんのご活躍を応援しております!初出演ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、TBSドラマストリーム『さっちゃん、僕は。』(‘24)、映画では、『SENTIENT GAME』(‘25)春公開予定などがある。
©『さっちゃん、僕は。』製作委員会
作品情報
【タイトル】
ドラマストリーム 『さっちゃん、僕は。』
【放送・配信時間】
地上波放送:TBS系 毎週火曜 よる11:56~0:26
(※放送日によって放送時間が異なります。一部地域を除く)
地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」にて無料1週間見逃し配信
先行配信:日本国内では地上波放送開始に先行して「Netflix」にて毎週火曜配信 その後海外にて順次配信を予定
※Item Credit
シャツ¥12,100/RKSRICKY
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿