立石俊樹
恋を読むinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』
初の朗読劇、初の普通の男
挑戦から開かれる立石俊樹の新しい扉
2021年8月にシアタークリエで再演される朗読劇『逃げるは恥だが役に立つ』。その中で恋愛経験ナシの独身サラリーマン・津崎平匡を演じる立石さは今回が初の朗読劇への出演となる。「地味な男性という役も初で、たくさんの初めてがあります(笑)」と語る彼は挑戦にあふれた今回の作品をどのように受け止めているのだろうか。柔らか表情を崩さない中に秘めた、新しいことへ挑む揺らぎに迫りました。
『逃げるは恥だが役に立つ』
<あらすじ>
院卒だけど内定ゼロ、派遣切りで無職になってしまった森山みくりは、父親のはからいで、恋愛経験ナシの独身サラリーマン・津崎平匡(つざき ひらまさ)の家事代行として働き始める。しかし良好な関係を築いたのも束の間、実家の事情でまたも職を失いそうになったみくりは、ひょんな会話の流れから平匡に「就職としての結婚」を提案。超真面目な平匡が導き出した答えは、まさかの<契約結婚>だった!!
周囲には雇用関係を隠して始まった新婚生活。でも夫婦にしてはぎこちない二人の様子に、平匡の同僚・風見涼太は疑いの目を向け、みくりの伯母・土屋百合は心配を隠せない。さらに平匡とみくりも一つ屋根の下で暮らすうちに、お互いを意識しだしてしまい……。果たして、波乱ずくめの契約結婚の行方は!?
今回、初の朗読劇への出演と聞いております。
そうなんですよね。通常の舞台では稽古をする時、最初は台本を持ちながら立ち稽古をして、徐々に台本を見ないようにして役を作り上げていきます。でも朗読劇ではずっと台本を持つことになるんですよね。つい立ち稽古の延長みたいに感じてしまうんですが、演出家の方からそれは避けてほしいと言われていて。台本は持っていますが劇を演じるという意識も強く持つ必要があり、“本を持ちながらの演技”の正しい形は何かというのを、日々考えています。
朗読劇では舞台上での動きはどのように表現するのでしょうか?
首を動かしたり手を挙げたりなど軽い動きはあります。その中で個人的に面白いと思ったのが、平匡とみくりがハグするシーンで、演じている二人が一つの台本を持ってページをめくる、という演出ですね。すごく朗読劇的な表現でいいですよね。実際に稽古でやったんですけど、舞台で普通にハグするのとはまた違った、不思議なドキドキが生まれたんですよ。これがムズキュンなのかなと思いました。基本的に体の動きでの表現は少ないんですがその分、動きのあるシーンがより引き立つ効果があると感じていて。静と動みたいな感じでメリハリがつくんですよね。あとは声色であったり語り口であったりが舞台より、さらに重要になっていて、そこら辺も意識したいと思っています。
初の朗読劇で初の役柄と、
今回は挑戦の舞台になりそうですね。
そうですね(笑)。平匡という役を演じるにあたって。少しでもとっかかりがないかと思っていたんですけど、前回のインタビューで話したギャップの中にヒントがあって。平匡って普段、眼鏡を掛けていて外からは目が見えないんですよ。でもたまに眼鏡を外す時があるんですけど、意外とくっきりとした目をしていて。え、カッコいいと(笑)。カッコいいに関しては今まで演じてきている経験があるので、そういったところから平匡を紐解いていければと思っています。でも本当に難しいです(笑)。稽古の時平匡をイメージして、周りから自分を孤立させてシャットダウンしてるつもりなんですけど、それでもキラキラした感じ残ってますよ、と言われるんで(笑)。
朗読劇において本を読む姿勢も大切だと思うんですが、
読んでいるところを見られるというのはどんな感覚ですか?
やっぱり自然と背筋は伸びますね(笑)。台本からどれくらい顔を離して読むべきか、なんてことを考えますね。ただここでも平匡ならどうやって本を読むか、みたいなことを意識しています。
立石さんの考える平匡の本の読み方は?
顔にものすごく近い位置で読んでそう(笑)。そしてページを捲るのが早い。姿勢はピンと背筋を伸ばしている感じですかね。本を読み動作一つも平匡ならどうすると考えてしまいますね(笑)
稽古場の雰囲気はどんな感じでしょうか?
今回共演する花乃まりあさんや春野寿美礼さん、牧島輝の4人全員で稽古をしたんですけど、寿美礼さんと輝とは過去に共演して面識があったということもあり、終始和やかな雰囲気でした。稽古時間以外でも自然と会話が始まったり。初日にして完成が楽しみだと思える稽古でしたね。
最後にいつも応援して下さっている皆さまへ
メッセージをお願いいたします。
今回の「逃げるは恥だが役に立つ」では今までに演じたことのない役柄ということもあり、新しい表現に挑戦する僕を感じてもらえる時間になると思います。役柄と朗読劇という二つの挑戦を無事、成功で納めるために頑張っていきますので応援よろしくお願いします。あと、今は何かと大変な時期ですが是非ご来場いただき、原作のテーマでもあるムズキュンを感じていただきたいです。
立石俊樹
たていし としき
1993年12月19日生まれ。
王子様的なビジュアルと優しい包容力、そして気さくな語り口と、さまざまな面を持ち合わせる27歳。
恋を読みinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』
日比谷シアタークリエ (東京):2021年8月16日 (月)
原作:海野つなみ 『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社「Kiss」所載)
脚本・演出:三浦直之(ロロ)
出演:立石俊樹 / 花乃まりあ / 牧島 輝 / 春野寿美礼
LIVE映像配信:8月16日(月) 18:30開演
https://up.auone.jp/articles/id/84633
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:目代遥
スタイリスト:カワセ136
インタビュー・記事:山根将悟