水沢林太郎
ドラマ『おいしい離婚届けます』
必ずハッピーエンドになると信じて観ていただけたら
テンポのよさと読めない展開に、「次回が待ちきれない!」と話題沸騰中のドラマ『おいしい離婚届けます』。探偵の伊勢谷 海役で出演中の水沢林太郎さんに、役ヘのアプローチ法や共演者の印象、撮影中のエピソードなどを伺いました。作品にちなんだ質問には、ついつい本音が……!?
-scaled.jpg)
©中京テレビ
<あらすじ>
公私共にパートナーである弁護士・音喜多 初(前田公輝)と探偵・伊勢谷 海(水沢林太郎)。法的に結ばれることが叶わない彼らは、パートナーの裏切りに苦しむ人のため離婚弁護を請け負う。戦うは、好感度の高さの裏で、後輩女性アナウンサーを次々と襲う下劣な有名司会者、同性の恋人を裏切り、異性との結婚を選んだ気まぐれな女など、曲者ばかり。ついには、死者からの離婚依頼が。さらに、謎の少女・杏奈(増田梨沙)が家におしかけてきて……。「あなたは本当に好きな人と一緒にいますか?」法では結ばれない2人が問いかけるヒューマンリーガルドラマ。

『おいしい離婚届けます』では地上波連続ドラマ初主演!出演が決まったときの気持ちを教えてください。
とてもありがたいお話で、純粋に喜びが大きかったです。ただ、このドラマのテーマを考えると、僕にとってすごく大きな挑戦になるとも思いました。主演だと喜んだのもつかの間、すぐにヤバいぞ!とプレッシャーに襲われて、だんだんと責任感も生まれました。
その不安は、どこかのタイミングで解消されたのでしょうか。
本読みのときが、前田(公輝)さんや監督、スタッフのみなさんとはじめましてだったのですが、本を読んで、自分の中にある海というキャラクターを皆さんに相談していくなかで、それぞれ明確な意図と意見をお持ちだったので、そこに頼ってもいいんだと思えたんです。その瞬間から不安が減っていき、現場に行くことが楽しみだと思えるようになり、“やってやろう!”という気持ちが強くなりました。
最初に脚本を読んだときの感想は?
僕の役は探偵なので、きっとロケが多いだろうと思いました。撮影時期も夏だと事前に聞いていたので、これは絶対に暑いなと(笑)。あと、(探偵として)変装をしたときに、ちゃんと別人に見えるかな!?という心配もありました。海も初も人に寄り添っていく人間なので、そのやさしさの塩梅をどうやって出したらいいのか、海のやさしさは初とは違う種類のものだから、その引き出し方はどうしたらいいのか、など監督とお会いするまでは、脚本をたくさん読んで、いろいろなことを考えました。
前田さんとは、撮影前に打ち合わせをされたのですか?
この作品のなかですごく大切な部分である、僕らの家でのシーンがクランクインだったのですが、その撮影前に、「ここは、こうなのかな?」とか「今の演出だと僕はこういう気持ちで、こういうセリフになりそうなんですけど、違和感はないですか?」などお互いに感じていることをたくさん話し合いました。でも、本読みからクランクインまであまり期間が空かなかったので、作品の世界観にポンと入れた感覚があります。

若くして経験豊富な前田さんとお芝居をして、どんなことを感じましたか?
本当にスゴい方です。前田さんとご一緒された方は、演者さんもスタッフのみなさんも、それぞれ違う意味でそう感じると思いますが、そのひと言に尽きるというか。現場での在り方はもちろん、見ている世界が、僕とはまた違うように感じて、すごく勉強になる部分が多かったです。
違う世界とは?
うーん、なんていうんでしょうね……たとえば、僕が物事を1つか2つの視点で見ているとしたら、前田さんは3つ4つの視点で見ているというか。手数が多いんです。しかも、気遣いと配慮の塊なので。“なるほど、その言葉に対して、そういう受けとり方もあるのか!”と、すごく勉強になりましたし、現場で何度も助けていただきました。
もし、“前田さんから助言をいただいたことでさらによくなった”という具体例があれば。
そのあたりは、あまりお話ししたくないというか、公にしたくないです。きっと、スタッフのみなさんとだから共有できたことがあると思っていて。僕らのチームだけの秘密にしておきたいです(笑)。バレちゃうのは、ちょっと恥ずかしいかも。
では、前田さんからかけてもらった言葉で印象的だったものは?
もともと僕は、監督があってこその作品だと思っているので、セリフや動きについて「こうするのがやりやすい」とか「これはこうしたい」ということを、あまりハッキリと言うタイプの人間ではなかったんです。でもやっぱり、演じているのは僕なので、どうしてもできないところがあったりするんです。そういうときに、前田さんに「僕はこう思っているんです」という話をしたら、また違う角度のお芝居を提案してくださって、「どちらのお芝居でいくかは海にまかせる」と言ってくださりました。

現場で生まれたものも多そうですね。
多いと思います。順撮りできたら一番いいのですが、やっぱりスケジュール的な面でも難しかったりするので、監督に任せきりにするのではなく、僕たち俳優部が演出部の方々とお話ししながら決めるというのが、作品が一番いい形に近づくと思います。なので、現場ではたくさんお話ししました。
共演者には村重杏奈さんや増田梨沙さんなど多彩なメンバーが揃いましたが、撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
もう、ビックリするぐらい元気でした(笑)。2人は、違う意味で現場の癒しになるんです。杏ちゃん(増田)は、かわいらしさの癒しで、村重さんは元気の値が高く、現場が明るくなり、よりがんばろうと思える。初と海のシーン以外の撮影では、現場でドッカンドッカン笑いが起こっていたと思います。
印象的なエピソードがあれば教えてください。
僕もたぶん前田さんも、村重さんとはじめましてだったのですが、前田さんと村重さんが、知らない間にビックリするぐらい仲よくなっていたんです!初にとっての青野(村重の役名)は、海とはまた違うバディみたいな関係だからというのもあると思うのですが。2人がお互いに(芝居を)やりすぎて大変なことになってしまうシーンもありました(笑)、ぜひ使われていてほしいです。
本作のキャッチコピーが「あなたは本当に好きな人と一緒にいますか?」ですが、お忙しい日々のなか、大切な友達や家族などと過ごす時間は持てていますか?
持ててないです。でも、それはありがたい悩みですよね。「今、仕事が忙しいんですよね」と言えるなんて、なかなか贅沢な悩みだと思っているので、今はそういう時間を持てなくても満足しています。

そうすると、水沢さんにとって今、癒やしやリフレッシュになっているのは?
ちょっと職業病なのかもしれないですが、ある意味、癒しもストレスも、どっちも仕事だと思っているんです。
仕事で癒しも得られるのですね。
もちろん!もともと、このお仕事を好きで始めて、好きで続けているし。さっきお話ししたような撮影裏の様子とかを見られるのは、一番の特権だと思っています。そういう瞬間は、僕にとってすごく癒しになります。一方で、思うようにいかなければストレスがかかるし、僕よりもいいお芝居をたくさん目撃すれば、悔しい!と思うし。そういう感情って、お芝居の場でしか得られない気がします。
大好きなゲームをする時間もなさそうですね。
できてないです。ゲームからは、だいぶ遠いところにいると思います。
昨年7月のFASTご登場時に、ゲーミングモニターがほしいというお話をしていましたよね。
そうですね、買いました!

ドラマ『ビリオン×スクール』で共演していた山田涼介さんにアドバイスをいただいているとのことでしたが。
山田さんにおすすめしていただいたものを買って、順調にいい感じになっています。
そのときのインタビューで、「『ビリオン×スクール』で、また自分が変われる気がしています」とおっしゃっていました。
『ビリオン×スクール』は、間違いなく役者として変われた作品の1つだと思います。山田さんなのか、加賀美 零(山田の役名)なのか、どちらに影響を受けたのか分からないですが、僕の中で変わったなと感じる作品のひとつです。あの作品が終わってから、加賀美 零のモノマネをよく現場でしていました(笑)。 “あの人だったら、こうやってしゃべるよな”と。
あっ、想像で!?
はい、想像で。ほかの作品のセリフを家で練習しているときに、“うわっ、なんか加賀美 零みたいな読み方になる”みたいな瞬間があったりするんです。加賀美と西谷(水沢の役名)の距離の近さ同様、実際の山田さんと僕の距離が近かった部分もあって、山田さんの影響も加賀美 零の影響も受けていると思います。あの2人のおかげで、自分のなかで何かが変わった感覚があります。それを経たうえで、(7月に公開された)映画『この夏の星を見る』も、自分にとっての自信作だと言える作品になった気がします。この作品でも、変われた瞬間が多いと感じています。でも、何が変わったのかというのは、まだ具体的に言葉にはできなくて……。うまく咀嚼をして、ちゃんと伝わる言葉にするには時間がかかると思います。
ほかの方が演じた役に影響されるというのは、なかなかめずらしいような。
西谷に関しては、僕がもう西谷だったので。

ドラマの撮影期間はということですか?
そうです。西谷のすべてを理解できたわけではないですが、95パーセントぐらいは理解できていました。なので加賀美先生にも影響を受けているのかなと思います。
この記事が公開される頃には『おいしい離婚届けます』がクライマックスを迎えていますが、最終回に向けての見どころを教えてください。
少し重めな場面も増えてくると思うのですが、そこの部分を丁寧に描いている瞬間も多いですし、必ずハッピーエンドになると信じて観ていただきたいです。観たことがないという方も、まだ間に合いますので、最終回まで見逃さずにご覧いただけたらうれしいです。

水沢林太郎
みずさわ りんたろう
2003年2月5日生まれ。メンズノンノ専属モデル。
登場から水沢さんらしいワードセンスで現場をパッと明るくしてくださいました。どんな質問にも水沢さんらしい素直な言葉でたくさんのことをお話ししてくださいました。また、自分の対しての足りてない部分やここは強みというのが毎回お話を聞くたびにはっきりでてこられていて、お話を聞いていて、毎度俯瞰してご自身をみられていて、尊敬の眼差しで聞き入ってしまいました。後編では前回のインタビューからのお話や別作品での共演者とのエピソードなどに迫っております。お楽しみに。
最近の出演作に、テレビドラマでは、日本テレビ『なんで私が神説教』(‘25)、NHK総合『大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 」』(‘25)、フジテレビ『ビリオン×スクール』(‘24)、TBS『マイ・セカンド・アオハル』(‘23)、映画では、『この夏の星を見る』(‘25)、『おいしくて泣くとき』(‘25)、『ザ・ゲスイドウズ』(‘25)などがある。

©中京テレビ
タイトル:『おいしい離婚届けます』
キャスト:前田公輝 水沢林太郎
増田梨沙 村重杏奈 / 入山法子 竹財輝乃助
脚本:今西祐子 伊藤竜也
監督:桑島憲司
音楽:松室政哉
チーフプロデューサー:栗田美和
プロデューサー:田中勇也 堀尾星矢 林弘幸
企画制作:CTV MID ENJIN ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
製作著作:中京テレビ
※Item Credit
ジャケット / ¥71500-
パンツ / ¥55000-
コート / ¥160600- / 以上、全てORIMI
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:池上豪
スタイリスト:YAMAMOTO TAKASHI(style³)
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿
