水沢林太郎
役者としての土台はできたと自信を持って言える
2017年に俳優デビュー後、ドラマ『ビリオン×スクール』『なんで私が神説教』など話題作に次々と出演。今年の2月には大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』にも出演するなど、着実にキャリアを重ねている水沢林太郎さん。自身で感じている役者としての進化やファンに対する思い、さらには来年の抱負まで、本音で語ってくれました。

昨年7月のFASTご登場時に、「役者としての土台はできたかな」とおっしゃっていました。現在は、さらに進化しましたか?
いやぁ、わからないです。土台から上の部分は、自分ではわからないんじゃないかなと。評価をいただけて、初めてでき上がるものだと思っています。ただ、土台はしっかりできたと自信を持って言えます。
今、ご自身のなかで課題だと感じていることはありますか?
様々な面で圧倒的に社会経験が足りないです。僕、この仕事しかやってきてないので、バイトもしたことがないんです。“同じ人間なのに、こうも厚みが違うんだ!?”と思わされる人がどんどん現れて、僕が本を読んで知識を身につけても、追いつけるレベルではなくなってきていると感じます。
やはり、実際に体験している人とは違う?
実体験と空想とでは、まったく違います。なので、そこに経験の差を感じます。それに、映画をたくさんやっている俳優と、ドラマをたくさんやっている俳優では、きっと感覚が違うと思うんです。僕はどちらかというとドラマを多くやっているので、どうしても映画の世界観にすぐに入り込めない瞬間も多くて。そういう意味で、僕には経験が少ない……というか、偏っている気がします。

同世代の俳優には刺激を受けますか?
励みになる反面、すごくメラメラもします。そういう人たちに負けない部分をいかに多く作っていけるかが、僕の課題かなと思います。
一番メラメラするのは、いいお芝居を見たとき?
そうですね。いいお芝居を見ると、悔しいなと思います。あと、これはたぶん人間のエゴだと思うのですが、その人よりも自分はもっとできると思えたとき、すごく悔しいです。そう思うこともできないくらいのお芝居を観たときは、負けたと思えるのですが、そう思えるということは、自分のなかにどこか勝てる要素があるんじゃないかとメラメラにつながります。
今年の2月には、『べらぼう』で大河に初出演されました。
大河ドラマは悔しい思いしかないです。圧倒的な経験不足と実力不足でした。本当にその場しのぎでどうにかしていただいたというか、演出に助けていただく場面が多かったので、反省の気持ちと……もう一度、ご一緒したみなさんとお仕事をすることができるなら、違う姿を見せられたらと思っています。でも、とてもいい経験になりました。

主演の横浜流星さんとの共演はいかがでしたか?
流星さんとは、なにかと共通点が多くて。たわいのない話をしたり、くだらない話をしたりしていました。僕のお芝居が、流星さんのツボに入る瞬間が多いみたいで、実は映らないところですごく笑っていたりするので、それはすごくありがたかったです。ストイックな部分があったり、とてもステキな方でした。
共通点というのは、たとえば?
いや、それも教えられません。基本的に、隠せるものは隠して生きていきたいので(笑)。
そうすると、SNSなども苦手?
苦手なので、更新頻度もあまり高くないんです。プライベートは極力見せたくないです。恥ずかしい(笑)。

あっ、「役者はプライベートを見せないほうがよい」とか、そういう考えからではなくて?
純粋に、水沢としてプライベートを見せるのが恥ずかしいんです。
水沢さんは「マイナビ 東京ガールズコレクション」など、同世代の役者が一堂に会するイベントにも多く出演されています。そういった場は、お芝居の現場とはまた違う心持ちで臨んでいるのでしょうか。
僕はファッションが好きなので、メンズノンノモデルとしてではなく、水沢林太郎という1人のモデルとして呼ばれることに感謝しています。でも僕、本当にコミュニケーション下手なんです。だから、現場で仲よくなる人ももちろんいますが、基本的には、おいしいごはんを食べて、ランウェイを歩くことを楽しむ場です(笑)。
また、8月には初のファンミーティングを開催。役者にとって、直接ファンの方と触れ合う機会は貴重かと思いますが。
すごく楽しかったです!俳優活動を始めて、今年で8年になるのかな?こういったイベントを行うのは初だったので、楽しんでいただけるか不安でした。会場に来てくださったみなさんの笑顔を見たときに、あっ、やってよかったと思えました。

水沢さんにとって、ファンの方たちはどんな存在ですか?
家族や事務所の方とはまた違う形で、近くで見守ってくださっている方々です。すごくありがたい存在です。でも、あくまでもその人の人生にとって僕が本位ではなく、サブであってほしいというか。そうじゃないと、いつか後悔する日がくるかもしれないから。
自分の人生を彩る1つの要素として。
そうです。そのうえで、変わらない応援をいただけたらうれしいなと思います。
2025年はドラマ出演のほか、3本の出演映画が公開されるなど多忙な年だったかと思いますが、今年中にやっておきたいことはありますか?
現状では、やり残したことはないです。今、ある仕事に真摯に向き合い、まだ発表されていない仕事もたくさんあるので、それが無事に公開できるよう、今までと変わらず、積み重ねていけたらと思っています。

2026年は、どんな年にしたいですか?
来年は、ちょっとだけ休めたらうれしいな~。
切実な声が(笑)。
でも、ちょっとだけです。ちょっとだけ。1週間とかでいいです。1カ月とかワンクールとかだと、逆に調子が悪くなっちゃうので。なんなら2日でもいい(笑)。ちょっとだけ休める時間があれば、キャパオーバーにならずに済むので。ただ、1つ言えることは、来年は期待していてください!今年頑張った分、メディアに出る機会が圧倒的に多いはずなので。

水沢林太郎
みずさわ りんたろう
2003年2月5日生まれ。メンズノンノ専属モデル。
撮影では、さすがモデルで経験値を積まれていて、それでいてとてもかっこいい撮影に雰囲気を作ってくださった水沢さん。カメラマンとの阿吽の呼吸で、この撮影では静、この撮影では動と察する力が優れていて、スムーズに撮影を進めさせていただきました。またスタッフとも気さくに話しかけてくださり、インタビューではコミュニケーションが苦手とおっしゃられていましたが、全くそんなことがないくらい、話題を振ってくださる気さくな一面もありました。これからも、興味のあることに対しては熱意を持って一直線に進まれ、それでいて、常に自分に問い続ける水沢さんのご活躍を応援しております。約1年ぶりのご登場ありがとうございました!
最近の出演作に、テレビドラマでは、日本テレビ『なんで私が神説教』(‘25)、NHK総合『大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 」』(‘25)、フジテレビ『ビリオン×スクール』(‘24)、TBS『マイ・セカンド・アオハル』(‘23)、映画では、『この夏の星を見る』(‘25)、『おいしくて泣くとき』(‘25)、『ザ・ゲスイドウズ』(‘25)などがある。

©中京テレビ
タイトル:『おいしい離婚届けます』
キャスト:前田公輝 水沢林太郎
増田梨沙 村重杏奈 / 入山法子 竹財輝乃助
脚本:今西祐子 伊藤竜也
監督:桑島憲司
音楽:松室政哉
チーフプロデューサー:栗田美和
プロデューサー:田中勇也 堀尾星矢 林弘幸
企画制作:CTV MID ENJIN ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
製作著作:中京テレビ
※Item Credit
ジャケット / ¥71500-
パンツ / ¥55000-
コート / ¥160600- / 以上、全てORIMI
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:池上豪
スタイリスト:YAMAMOTO TAKASHI(style³)
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿
