さくらしめじ
2nd ミニアルバム『ボタン』
「さくら」のように軽やかに、
「しめじ」のように繊細に
感情の花束をお届けに参ります
「さくら」のような日なたの気持ちも、「しめじ」のような日かげの気持ちも、揺れ動く心に寄り添う音楽を届けるフォークデュオ。この言葉を聞いただけで胸がキュッとなった。人の気持ちは思ったよりも繊細で、自分でもコントロールがきかない。日々、途切れることなく嬉しく高鳴ったり、悲しく陰ったりする。歳を重ねれば重ねるほど感情の起伏は「うざったいもの」として自分に纏わりつく。でも、彼らの歌は「それでいいんだ」ということを優しく肯定してくれる。春の陽気の中で自由に咲き誇る“さくら”のように、自信に満ちた今日があってもいい。日陰で成長を見せる“しめじ”のように自分のペースで生きる今日があってもいい。どちらだって「自分」なのだから。そう、私たちに寄り添ってくれる『さくらしめじ』のお2人に、2nd ミニアルバム『ボタン』のお話から20歳の野望まで、たっぷりとお話をお聞きしました。
さくらしめじ 公式SNS
2021年3月10日(水)リリース
2nd ミニアルバム『ボタン』
品番:ZXRC-2079 価格:2,420円(税込)
全6曲入り
<トラックリスト>
01.きみでした (Acoustic Version)/
02.またたび (Acoustic Version)/
03.かぜいろのめろでぃー (ボタン Version)/
04.別れた後に僕が思うこと/
05.ストーリーズ (feat.ひらめ)/
06.会いに行こう
※封入特典→初回プレス限定さくらしめじ直筆サイン入り
「みんなと繋がりたいミニフォトカード」付き
FAST初登場ということで他己紹介をお願いします!
田中雅功(たなか がく)PROFILE by 髙田彪我
2002年1月24日生まれの19歳。
ガクは名前が田中雅功というんですけども、名前の漢字がダウンタウンの浜田雅功さんの雅功と書いて「ガク」なんですよ。珍しいですよね。で、本人曰くお父さんとおじいちゃんの名前から漢字を一文字ずつ取った名前なんだとか。名前からも分かるように、家族に愛されまくって育った子なんです。性格は、僕が初めて彼に会った時は「しっかりしている感じの子なのかな」と思ったんですけど、『さくらしめじ』として接していく中で「あ、意外とおっとりしているんだな」という面を知りました。その一方で、今は小説を書いたり様々なことに挑戦したりしていて、「いろんなことをやろう!」というチャレンジ精神を持った素敵な子だと思います。
髙田彪我(たかだ ひょうが)PROFILE by 田中雅功
2001年10月23日生まれの19歳。
髙田彪我くんは、名前の話をすると動物の「彪」を連想させる強そうな名前なんですけど、本人の性格は「強い」とは真逆のタイプで「すごく優しい人」です。そして僕はずっと言っているんですが彪我は「天才」なんですよ。僕らは中学一年生の頃に『さくらしめじ』を結成して今まで活動を続けてきたんですが、結成当初から僕ができないことをすぐできるようになったり、音楽的なものでもメキメキ彪我が上達していって。「音感も良くて才能に溢れた人だな」と出会った当時から思っていました。いま19歳の彪我が今年で20歳になるので、これから大人な彪我が見れるんじゃないかとワクワクしています。
FAST:(髙田さん)だいぶ嬉しそうですね(笑)。
髙田:いやあ、にやけちゃいますね(笑)。
FAST:最初に出会った時と今とではお互いの違う部分が見えてきましたか?
髙田:見えてきましたね。ガクは本当にしっかりしているんですけど、たまに忘れ物をしたり(笑)。僕も忘れ物をよくするので「あ、お互いに似てるな」と思うところもあります。
田中:もう6年半一緒にやっているので、だいぶ素を出せるようになってきました。一緒にいて一番楽な人ですね。
FAST:なかなか出会えない貴重な存在ですね。
田中:そうですね。中学一年生から2人組でアコギを持ってずっと音楽やっている人もあまりいらっしゃらないので、そこは僕らの強みだと思っています。もう兄弟みたいな感じですね。
お2人の個人的な今後の目標を教えてください。
田中:彪我が言う通り、いろんなことをやっていきたいです。『さくらしめじ』としてもっと大きくなりたいのはもちろん、僕は個人的に言葉がすごく好きで、小説も書いたりもしているので「作家としても大きくなりたいな」と思っています。
FAST:書くのって楽しいですよね。
田中:大好きです。やっぱり、書いている時って現実を離れられるじゃないですか。いわゆる「逃避の旅」みたいなことができるし、書くことで作品を読む以上に自分で世界観を作り上げることができるので、旅がさらに深くなる気がするんですよ。その感覚が大好きで。昼くらいから書き始めて、気づいたら夜になっていることもあるくらい夢中になってしまいます(笑)。
FAST:髙田さんは田中さんの作品を読まれたりしますか?
髙田:もちろんです。
田中:本当に(笑)?
FAST:先生の作品はいかがですか?
髙田:先生は伊坂幸太郎さんが好きなんですけど、僕も伊坂幸太郎さんの作品を読んだうえでガクの作品を読むと「あ、確かにここの表現伊坂さんっぽいな、憧れている部分が出てるな」と思いますね。
田中:もともと伊坂幸太郎さんキッカケで本が好きになったので、そこはすごく影響を受けているかもしれないです。
FAST:『さくらしめじ』と「書く」というコラボも拝見してみたいです。
田中:そうですね。なにか曲作りでも「関われたらいいな」と思っています。彪我と僕の書く歌詞って全然違うんですよ。感覚の違いがハッキリ分かるのってすごく面白いじゃないですか。一度、僕が曲を作った時に、周りの方に「小説っぽいね」と言っていただいたことがあって。「そういう活かし方もできるんだ」と思ったので、「小説」というものをもっといろんなところに活かしていきたいですね。
FAST:楽しみです!髙田さんはTKGとボカロがお好きなんですよね?
髙田:そうですTKG好きです(笑)。あと、ボカロがすごく好きで。ボカロって一言では言い表せないくらいいろんなジャンルの曲があって、本当に名曲だらけなんですよ。ボカロの楽曲を作るアーティストの方を『ボカロP』というんですけど、ボカロPさんの個性が曲ごとに溢れているんです。それを聴いているのがすごく楽しくて。そこがボカロ曲の良いところであり、魅力だと思いますね。
FAST:ボカロの歌詞って小説っぽい表現も多いですよね。
髙田:確かに!
田中:読めば読むほどそういう表現がありますよね。
髙田:小説と通ずるところがあるかもだね!
田中:彪我のボカロ曲と僕の小説が結びつくかもしれないね(笑)。
2nd ミニアルバム『ボタン』について
田中:今回のアルバムは「ミニアルバムをリリースできるよ!」という風にお声がけをいただいて、そこから「何曲入れようか?」という風にみんなで集まって作成しました。
FAST:どんな一作になりましたか?
田中:『ボタン』をリリースさせていただく2021年は、僕たち『さくらしめじ』が20歳に向かっていく年でもあるんですよ。2021年から2022年に向かって20歳になっていく中で「改めて自分たちを見直す」という意味でも、僕らの「決意」が込められた一枚になったと思います。
髙田:「ボタン」って言葉自身に花の牡丹や服についているボタン、何かを始めたり終わらせたりするキッカケとなるスイッチを押すボタンなど、多くの意味があるじゃないですか。そんな多くの意味を持つ「ボタン」の中で、今回のアルバムタイトルの『ボタン』に一番込めた想いは、去年から続く世間的に「やりたいことがあっても出来ない、会いたくても会えない」といったもどかしい状況下で「このミニアルバムがみんなの暗い気持ちを終わらせて、気持ちを楽しく明るくできるような“ボタン”になればいいな」というもの。僕たち自身、去年は気持ちが沈むこともあって、その気持ちを「変えたい」と思っていたので、そんな想いがこの一枚に詰められています。
FAST:『ボタン』というタイトルはお2人で考えられたんですか?
髙田:そうですね。会議をして。
田中:会議しましたね(笑)。
髙田:「何がいいかな?」って候補がいろいろ出ていたんですよ。めちゃめちゃ出た候補の中で急にポンッと「ボタン」って出てきたよね。
田中:うん、確かそうだった気がする。
髙田:なんか「ボタンはどう?」って話があって「あ、ボタン…いいかも!」ってね。そこから「確かにいろんな意味があるし!」という話になってこの名前に決定しました。
『さくらしめじ』の20歳の野望は?
田中:漠然としているんですが、もっと「アーティストを極めたい」と思っています。高校に入った頃から僕たち自身で作曲をしたり、僕の場合は小説を書いたりし始めて「何をしたいのか」を探す10代を送ってきたので、20歳からはそこで見つけた「やりたいこと」をもっと伸ばしていく期間にしたいな、と。その先で何か大きなことを成し遂げられる20代にしたいです。
FAST:ここからビッグバンが。
田中:そうですね(笑)。20歳になるということは『さくらしめじ』としては「子供の時から大人になるまでずっと一緒にいる」ということでもあるので、2人でもっと爆発できたらいいな、と思っています。
FAST:楽しみが膨らみますね。髙田さんはどうですか?
髙田:僕はお酒を飲めるようになりたいな、と(笑)。
田中:なりたいね(笑)。
髙田:なっときたいよね(笑)。今まで『さくらしめじ』でライブをした後に「打ち上げ」っていうのがあまりなかったんですよ。あったとしても、ちょっとご飯を食べに行くぐらいで。20歳になったら時間制限も解除されるわけでございますので、ね(笑)。ライブ終わりにスタッフさんの皆さんと一緒に「打ち上げに行こう!」みたいなバンドマンっぽいことをしたいです。
FAST:大衆居酒屋みたいなところでですよね(笑)。
髙田:憧れる~!
田中:憧れるね(笑)。
20歳へ向かう覚悟の入った
記念すべきミニアルバム『ボタン』。
それぞれの推し曲と推しポイントを教えてください。
田中雅功‘s Choice
♪会いに行こう
田中:すごく悩んだんですが、僕の推し曲はアルバムの最後に入っている『会いに行こう』ですかね。この曲は自粛期間中に僕ら2人でインスタライブをしながら、歌詞の案などをファンの方からいただいてリモートで作り上げた曲なんです。みんなで作り上げたかけがえのない一曲でもありますし、「今は会えないけれど、またみんなで集まって一緒の時間を楽しもうね」という未来に向けた願いが込められている曲でもあるので、今回はこの曲をミニアルバムの最後の曲にしました。今、少しずつ状況が変わってきてはいるものの、まだまだ不安が積もる日々だと思います。そういった気持ちを『会いに行こう』という曲が未来への楽しみや希望に変えることができたらいいな、と。最後の部分に「ラララ」とみんなで歌える歌詞があるんですが、その部分はめちゃくちゃ声を重ねて録ったので、一人で寂しくなった時に「一人じゃないんだな、繋がっているんだな」と思いながら聴いていただけたら嬉しいです。
FAST:ライブで歌えるようになるのも楽しみですね。
田中:そうですね。みんなで歌いたいです。年末に一度、お客さんを入れてライブをやらせていただいたんですが、その時はまだ声が出せない状況だったので。でも、みんなの眼差しを感じることができて僕らはすごく幸せな気持ちになりました。もっと大人数で、しかも音に乗せてみんなで「ラララ」を歌える日がくると思うと、今からすごく楽しみですね。
髙田彪我‘s Choice
♪またたび(Acoustic Version)
髙田:過去にリリースした『またたび』という曲をアコースティックバージョンにして新たにレコーディングしたものが収録されているんですが、新しくアコースティックバージョンにすることによって今まで歌っていた『またたび』と全く違う印象の曲に生まれ変わっているんです。今回、歌詞の内容を再レコーディングのために改めて考えたんですけど、これまで想像していた歌詞の内容とは違う解釈が生まれてきて。今までは「主人公が野良猫に出会って物語が始まる」といったストーリーだったのが、実はこの曲は「自分が家族を想う、その心を歌っている曲なんじゃないかな」と思ったんです。1サビで「暖かい家族とか 大切な言葉とか ぎゅっと抱きしめてくれてくれる人はいるのかな」という歌詞があって、「“野良猫の感じている孤独な想い”を歌っているんだな~」と思っていたんですが、実はそれは野良猫の視点ではなくて、「自分自身が寂しさを感じて歌っているんじゃないか」と思ったりして。解釈は人それぞれにあると思うんですけど、今回、アコースティックバージョンを歌うことによって「今まで歌ってきた曲が全然違う歌い方で表現できるんだ」ということを学ばせてもらいました。
FAST:聴き比べてみたら声色も違うんですね。
髙田:はい。変わっていると思うので是非聴いていただきたいです。
最後にミニアルバム『ボタン』に込めた
メッセージをお願いします。
田中:「ボタン」と聞くと、皆さんは一番に服に付いている「ボタン」を想像すると思うんです。その、服の「ボタン」のように「皆さんと繋がり合えたらいいな」という想いが今回のアルバムにはすごく込められていて。「ひとりぼっちだ、どうしよう…」と塞ぎこんでしまいがちになってしまう今の状況の中でも、僕らは「音楽で皆さんと繋がっていきたい」と思っていますし、「言葉一つひとつで手を繋ぎたい」と思っているので、是非、このアルバムが皆さんと僕らを繋ぐ「“ボタン”になればいいな」と思っています。
髙田:今回の収録曲の中に『別れた後に僕が思うこと』という曲と『ストーリーズ』という曲があるんですが、この『別れた後に僕が思うこと』はTwitterやYouTubeなどで人気の“ニャン”さんと、イラストレーターの“シンキル(蜃気楼)”さんという方がコラボしてくださって、『ストーリーズ』に関してはシンガーソングライターの“ひらめ”さんがコラボしてくださった楽曲になっているんです。僕ら2人だけでなくいろんな方のおかげで完成した一枚でもあるので、アルバムの曲に潜む「繋がり」にも注目して楽しんでいただけたら嬉しいです。
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー・記事:満斗りょう
ページデザイン:笹和紗