鈴木伸之×佐野勇斗
Nobuyuki Suzuki × Hayato Sano
ドラマ
『俺たちはあぶなくない ~クールにさぼる刑事たち』
<あらすじ>
昭和の刑事は熱かった。平成の刑事は下り坂でも世の為人の為に踏ん張った。しかし…令和の刑事はすでに見切っている!これからの自分の未来と平和のために戦うのだ!人生百年時代の若者は、あぶない橋を渡らない。己のライフスタイルを守るのが彼らの正義!昇任試験と署内営業に忙しく捜査はしない「出世刑事」と愛されキャラをいかしつつ転職活動に勤しむ「世渡り刑事」何事も安全志向、華麗に波風立てずに生きる2人だが、なぜか結果的に事件に巻き込まれて…!?あぶなくない2人のCOOLでSTYLISHなさぼりライフ、開幕!
世中渡 by 鈴木伸之
鈴木(以下、鈴):世中は役名通りの世渡り上手。あと、ものすごく勘が良くて人の心を読むのも上手。僕の演じる高野が「こうしたいな」と思った時にも「ピンッ」とひらめいて、「こうしたほうがいいんじゃないですか?」と耳元で囁いて導いてくれる存在です(笑)。すごくいいアドバイスをくれるキャラクター、とにかく頭の良い人ですね。
高野心 by 佐野勇斗
佐野(以下、佐):高野さんは名前の通り野心家で出世をして一個上のランクへいこうとしている人。それもさぼるため(笑)。「現場に行って危ない思いをしなくていいように捜査一課に行きたい」という野心の持ち主です。高野さんはどちらかというと直感タイプで、危ない臭いや事件が起こりそうな臭いを嗅ぎつけるのが得意なんですよ。あとは後輩から見て「こんな先輩がいればいいな」と思うような人でもありますね。やっぱり世間の上司って…いや、こんなことを言うと誤解を生むかもしれないんですが (笑)、「自分がよければいい」みたいなタイプもいると思うんですよ。でも高野さんは世中がアドバイスをするといつも「お前の考えを拝借してしまってすまない」とか「お前のおかげだ、ありがとう」と言って、後輩のケアがきちんとできる人なんです。そういった部分でも高野さんはすごい人ですね。
「さぼりたい」という気持ちが特化している
高野と世中ですが
ご自身と似ている部分はありましたか?
鈴:似てる部分…ありますね。真面目ぶっていて真面目じゃないところとか、「できるだけさぼりたい」みたいな気持ちがすごい被ってると思いました(笑)。とにかく僕もコスパ重視なんですよね。なので、高野と一緒であんまり理に適っていないことはしたくないタイプ。例えば、午前中だけで終わる仕事は「ダラダラ一日せずに早く終わらせてそれぞれの時間を過ごそうよ」みたいな。高野のそういった部分に関してはすごく合いました。だから彼のことが好きなのかもしれないです(笑)。
F:じゃあ高野のセリフに共感するところもありましたか?
鈴:ありました。ただ「どれ?」と言われるとすぐには出てこないんですけど…あ、一話で強盗容疑の犯人に「クソ刑事」みたいなことを言われるんですよ。確かに毎回さぼって刑事らしいことはやっていないんですけど(笑)。でも、自分よりもさらにちゃんとやっていない人から何か言われるのは高野的には腹が立つんです。そういう彼の理不尽な感じが結構好きでした(笑)。人間そういうところあるじゃないですか。さぼりたいと時はさぼるし、どうやって「上手くさぼってないように見せてさぼるか」を常に考えてるくせに舐めてくる人には攻撃する、みたいな(笑)。人間くささがある人物像もすごく好きだと思いましたね。
F:その人間性は分かります(笑)。佐野さんはいかがでしたか?
佐:僕は自分で言うのもアレなんですけど、器用なんですよ(笑)。器用貧乏というか…器用すぎてつまらないというか…貧乏しちゃう、みたいな(笑)。
鈴:なんだよ、雑だなあ(笑)。
佐:何となく全部できるんですけど特化したものがないんですよ(笑)。なので、世中の器用なところは似ているかもしれないです。あとは、世中ってすごく気遣いのできる“人思いなキャラクター”で世渡りが本当に上手なんですよね。
F:それは佐野さん自身もそうですか?
佐:僕自身も、周りの人への気遣いは大切にしたいと心掛けてはいますが…世中のキャラクターは結構世渡り上手に特化したキャラクターじゃないですか。高野さんに対する態度も本心なのかどうか分からないし…。
鈴:確かにね。
佐:もしかしたら自分にとって「この人都合が良いな」だったり「今は自分に必要な人だからこうしている」みたいなところがあるキャラクターなのかもしれないな、と思っています。
自分のさぼり度数は?
鈴:さぼり…いや、俺さぼるの好きだけど実質さぼってないんだよな~。結果ちゃんとやってるっていう(笑)。「覚えてきてないです」って雰囲気を出しつつ、本番は一発オッケーみたいな(笑)。
F:やっぱり器用なんですかね?
鈴:ですかね?さぼり度数だと20%くらいかな。本当は80%くらいいきたいんですけど(笑)。
F:だいぶ頑張ってますね(笑)。
鈴:やっぱり働かないとごはん食べていけないじゃないですか(笑)。みんな毎日働いて、それでお給料をもらって生きているわけで。でも本当は一年の半分以上は休みたいんですよ。ゲームしてダラダラ過ごして、海外行って遊んで…っていうのがしたいんです。ただ、それはできないので今こうやって毎日働いています(笑)。理想さぼり度数でいったら80%くらいが理想ですね。
佐:僕は「結構頑張ってるね」と思われがちなんですけど、「もっと頑張れたな」と思うことも多かったり…さぼってるのを隠すのが上手いタイプかもしれないです。
鈴:そうかな?
佐:自分でしっかりやっているつもりでも、他の人の話を聞いていると「わ、みんなここまでやってるんだ」と思うことが多くて。本当に「頑張ってるね」と言っていただくことも多いんですが、まだまだだなと思います。
鈴:そうなの?でも、めちゃめちゃ忙しい撮影の合間でも振りの練習したりしてたじゃん。
佐:いや、本当はもっとやんなきゃダメなんですよ!
鈴:でもあれ以上やったら時間足りないよ。きっと厳しいんですね、自分に。
初共演のお2人。
それぞれお会いする前と後とでは
印象は変わりましたか?
佐:変わりました?僕の印象。
鈴:いや、佐野くんはやっぱり爽やかで印象通りでしたね。会ってみて、より「気を遣われる方なんだな」と思ったかな。周りの人たちの雰囲気を感じ取って、それを悟られないように気を遣うみたいな。
佐:やめてくださいよ(笑)。
鈴:すごく上手なんですよ。
佐:でも今回の現場は気を遣ってはなかったですよ?
鈴:本当ですか?気をすごく遣う方だと感じたな~。あと人見知りって言ってましたよね?
佐:それ感じましたか?
鈴:人見知りは感じなかったかな。なんか割とすぐに仲良くなれた印象がありますね。
佐:ここから壁が厚いんですよ(笑)。
鈴:ここからが厚いんだ(笑)。
佐:僕は180度印象が変わった気がします。テレビなどで観させていただいていた時は真面目で…いや、180度って言ったら真面目じゃないみたいになっちゃうか(笑)。真面目じゃないわけじゃないんですよ!ただ、真面目でスマートでクールなイメージだったのがお茶目なイメージに変わりました。僕がくだらないことをしていてもずっと笑っていてくれるし、誰からも愛される人だなって思いましたね。
F:寡黙なイメージだったんですね。
佐:どちらかと言えばあまり口数も多くないのかなって。
鈴:僕、日によりますよ?役にもよるけど全く喋らない時もあるし。今回はこういった明るい役だったので明るかったんですけど、そうじゃない時は全然喋らないです(笑)。
佐:うん…じゃあ…イメージ通りでした!
鈴:あははは(笑)。
佐:でも実際、のぶくんはすごく周りの人から愛されていましたし、ありがちな表現ですけど現場では「太陽のような方」でした。
F:じゃあ現場も明るくて朗らかな雰囲気だったんですね。
佐:そうですね。結構、のぶくんが笑ってるから明るかったって印象があります。
鈴:でもスタッフさんも明るかったですよね。
佐:主演の方が黙々とお芝居するような現場だったらスタッフさんもそういう雰囲気になると思うんですけど、のぶくんがずっと笑っていてくれたからスタッフさんも笑えるような空気感ができたんだと思います。
では、お互いの役の見どころを
お互いに紹介してください。
鈴:世中の見どころ…そうですね、僕らはとにかく2人で1つといったところがあって、毎話毎話お互いに「一緒にさぼろう」と計画しているんです。世中は「さぼるためにはこうやったほうがいいっすよ、先輩」って毎回高野に吹き込んでくれて、僕がそれを実行してさぼるという(笑)。にも関わらず、なぜか僕らの近くには犯人が寄ってきてしまう…何とも不思議なバディなんですよ。僕は鼻が利く直感型で、その直感について「どう対策していくか」を優れた考えや推理力で提案してくれるのが世中。話が進んでいくにつれて2人で1つのチーム力をどんどん感じていただけると思います。
佐:僕はのぶくんの演じる高野がすごい好きなんですよ。動きがすごく勉強になっていて。ちょっと別の作品でも使わせてもらおうと思っているんですけど…
鈴:絶対やめたほうがいいですよ(笑)。
佐:あははは(笑)。のぶくんが言ってたんですけど、作品名を出すと『フレンズ』っていう海外ドラマみたいな動きをコメディーパートで高野さんがよくやっているんですよ。それがめちゃくちゃ面白いので注目してほしいです。以上です。
F:シンプルですね(笑)。
佐:動きが本当に面白いんですよ!
鈴:何だろうなあ…例えると、そこまで大きくない劇場でやる舞台芝居のような、とにかく一つひとつの動作が大きいんですよね(笑)。時代でいうと歌舞伎と現代劇のちょうど間くらいの(笑)。
佐:そう、面白かったんだよな~あの動きが(笑)。なぜか高野にハマるんですよ。やっていることは実際にいたらおかしいことなんですけど、高野はその世界観にちゃんとハマっていて。その感じが「すごいな」と思いましたね。
鈴:それを含めてどうなっているのかっていうね(笑)。
佐:確かに確かに(笑)。
F:まだ観れていないんですか?(取材は7月上旬)
鈴:まだ観れてないんですよ。モニターチェックもできていなくて。
佐:「どう映ってるんだろう?」と思いつつ、僕は隣で見ていて笑いをこらえるのに必死でした。面白すぎて(笑)。
鈴:いや~、面白いところはたくさんありましたね!会議室のシーンは2日間でまとめて撮影したんですけど、どうしてもセリフが追いついていかなくて。そう思っていたらテーブルの上に白紙のメモ用紙が置いてあって…それに自分のセリフを書いて…(笑)。
佐:あははは(笑)。カンニングしてるんですよ!芝居中に(笑)。本当はこっちを見て話さないといけないのにチラチラメモを見てるんです(笑)。それをお互い笑ったりしてましたね。
鈴:めちゃめちゃ笑ったよ(笑)。面白かったですね。
佐:本番は見ていないんですけど、テストの時はずっと見てましたね(笑)。
現場の楽しさが伝わってきます(笑)。
では最後に、作品の見どころをお一人ずつお願いします。
鈴:台本を読んだ時から「うわー、こういう作品めちゃくちゃやりたかった!」と思いました。台本もすごく面白かったですし、撮影していても楽しかったです。本当に充実した一カ月弱でした。まだ完成した作品は観れていないんですが「楽しみだな」と素直に思うので、是非皆さんにも観ていただきたいと思います。
佐:僕も台本を読んだ時点で「面白いな」と思いました。しかも撮影になると台本上での想像を全部超えてくるんですよ。それができたのはキャストの皆さんの力や、監督たちの遊び心の力のおかげだと思います。いろんな大人たちの遊び心が集結された作品になっていると思いますし、ここまでぶっ飛んだことをやっている作品は少ないと思うので是非観ていただきたいです。
MBSドラマ『俺たちはあぶなくない クールにさぼる刑事たち』
2020年9月17日(木)スタート!
MBS 9/17より毎週木曜24:59~
テレビ神奈川 9/17より毎週木曜23:00~
チバテレ 9/18より毎週金曜24:00~
テレ玉 9/23より毎週水曜24:00~
とちテレ 9/24より毎週木曜22:25~
群馬テレビ 9/24より毎週木曜23:30~ ほか
<配信>
見逃し配信:TVer、MBS動画イズム、GYAO
見放題独占配信:TELASA、auスマートパスプレミアム、J:COMオンデマンド、milplus
出演:鈴木伸之 佐野勇斗 / 矢野聖人 猪野広樹 井上肇 / 近江谷太郎 三吉彩花 ほか
鈴木伸之(すずき のぶゆき)
1992年10月14日生まれ。
劇団EXILEのメンバー。
昇任試験と署内営業に忙しく捜査はしない、常にコスパを考える出世刑事・高野心を演じる。
佐野勇斗(さの はやと)
1998年3月23日生まれ。
愛されキャラをいかしながらコソコソ転職活動に勤しむ世渡り刑事・世中渡を演じる。
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
インタビュー・記事:満斗りょう