佐藤大樹
ドラマL『around1/4(アラウンドクォーター)』
25歳前後の誰にも見せない悩みや一面に
フォーカスしていく物語です
絶賛放送中のABCテレビのドラマL『around 1/4(アラウンドクォーター)』にて、主役を務める佐藤大樹さん(EXILE / FANTASTICS)が初登場。初回のファーストインパクトに対する衝撃の声がネット上に寄せられた本作の見どころや、共演者とのエピソードなどを伺いました!
©ABC
<あらすじ>
カフェバー「NONKI」には、かつて学生時代にこの店でバイトをしていた5人がいつものように集っていた。それぞれ25歳になったが、ベンチャー企業の広告代理店に就職し、営業マンとして働く康祐(佐藤大樹)は、その中の一人。いつものように5人が顔を揃えると、早苗(美山加恋)が高校時代から8年付き合っていた彼氏から唐突に別れを切り出されたと淡々と話しはじめた。その帰り際、康祐と二人で歩いて帰ることになった早苗。チャラい雰囲気の康祐に対して昔から苦手意識を抱いていた早苗だが、二人で話しているうちに、実は、8年間も付き合いながらセックスの良さがわからないままだったと吐露。
「今からふたりで試してみる?」
不意に出た康祐の言葉が、25歳で長い恋を終えた早苗に突き刺さる――。
原作や脚本を読んでの感想を教えてください。
「アラウンドクォーター」という言葉自体、僕は原作を読むまで知らなかったのですが、25歳前後の男女がこんな悩みを抱えているんだ、こういうコンプレックスがあるんだ、というのを初めて考える機会に出会えて衝撃を受けました。今回はドラマと原作の内容が少し違っていて、特に脚本を読んだときに僕はそう感じたんです。ドラマではよりリアルに物語が描かれていて、25歳前後の世代の方々は多分すごく共感できる部分が多いはずだということを監督やプロデューサーとお話ししました。自分が知らない世界がまだまだあるんだなと思ったのが、第一印象でしたね。
佐藤さんが演じる
康祐という人物像についてはいかがでしょうか?
康祐は、自分がもしこの仕事をしていなかったら、彼みたいな生き方をしているんだろうなと勝手に思いました(笑)。人生が楽しそうで、女の子にもすごく親しくしてもらっているというようなちょっと羨ましくなってしまう人物ですね。少なくとも原作を読んだ時はそういう印象を受けたんです。康祐以外の人物も読めば読むほどそれぞれのキャラクターがすごく魅力的で、原作は5巻で完結してしまっていますが、その先も読んでみたいなと思う作品でした。
ご自身と康祐とで異なる点はありますか?
実際に演じながら感じたことなのですが、特にドラマ版の康祐は自分のコンプレックスや悩みを隠すために仮面を被って生活しているような一面があるんです。その点でいうと、自分はもしかしたら無意識に佐藤大樹というキャラクターを演じているかもしれないですけど、あくまで等身大でいたいなとずっと思っているので、そこは自分とは違うなと感じます。
康祐は周りからチャラいと言われるような
キャラクターですね。
そうですね(笑)。女遊びが好きみたいなところも全然自分とは違いますね(笑)。やっぱりEXILE TRIBEに所属していることもあってどうしても男の集団で育ってきたので、飲み会とかも男勝りなことが多いんです。康祐はシャンパンを開けますが、僕らはタンクトップでレモンサワーみたいな形なので、そこは全然違うかな(笑)。
「NONKI」に集まる
5人の雰囲気も特徴的ですが、
現場の雰囲気はいかがでしたか?
実は5人揃って撮影するシーンは全体として3日間しかなくて、ようやく仲良くなれたのにって時に終わってしまってすごく寂しい気持ちがありました。でもそれぞれの役割分担がすごくしっかりしていて、非常にやりやすい現場でしたね。なにより監督や助監督含めてスタッフさんがすごく現場を盛り上げてくださって、ドラマの内容としては過酷なことも多かったのですが、毎回現場に行くのが楽しかったです。
その中でも康祐と絡みの多い早苗を演じる、
美山加恋さんの印象はいかがですか?
とにかく今回の撮影はタイトなスケジュールだったのですが、同時に舞台やアニメの声優のお仕事もされていたんです。舞台の本番をこなした日の夜にこのドラマの撮影を、しかも夜中の2時までして、その次の日も舞台の昼公演があって……みたいな話を美山さんから聞いたときに、とんでもない体力お化けだな、と思いました(笑)。やっぱり仕事が好きじゃないとできないことだろうなと感じましたし、自分より年齢は若いですけど、ものすごく俳優さんとして尊敬できる部分がたくさんあるなって。
例えばどういった点でしょう?
現場でも本当に弱音ひとつ吐かないんですよ。美山さんが僕のことを“戦友”というふうに言ってくれる機会があったのですが、まさに同じようなことを自分も感じていました。彼女に対してめちゃくちゃ信頼感がありましたし、なんていうんだろう、今回の撮影は楽ではないシーンも多かったのですが、彼女とだから一緒に乗り越えられたと思うことも多くて……。お互いに助け合いながら撮影に臨ませていただきました。
康祐と早苗のシーンは、物語において
特に注目のポイントかと思います。
ここを観てほしいというところがあれば
教えてください。
最終回までに二人がどんなふうに成長していくのかを観ていただければと思います。僕もそれを視聴者の方にどのように感じてもらえるかを念頭に置きながら逆算して役作りをしていきました。初回に二人がお酒を飲みながら歩いているシーンがあるのですが、先に言ってしまうと最終回でも同じようなシーンがあるんです。それを初回と比べた時に、二人の距離感や会話、話すときのテンションなどが全く違うふうに見えるのがこのドラマの面白いところのひとつかなとも思います。二人は人としても成長していくし、康祐が早苗に、あるいは早苗が康祐に引っ張られて大人になっていく部分も感じていただけると思います。そしてやっぱり恋の行方というか、元々早苗に大嫌いと言われていた康祐ですが、そんな二人がどこまで距離を縮めて、最後どのような展開になるのかというのも注目していただきたいです。
続いて明日美役の
工藤遥さんの印象はいかがでしょうか?
工藤さんは、年齢のわりにいろいろな経験をしてきたんだな、と感じる方でしたね。酸いも甘いも嚙み分けてすごく肝が据わっているというか。それから現場ではめちゃくちゃムードメーカーでしたね。撮影内外でスタッフさんとお話しされていて、現場で工藤さんみたいな人がいたらすごくやりやすいし、助かるなと思いました。それと出来上がった作品を観て、僕は5人の中で一番原作のキャラクターと役者自身のキャラクターが近いのは明日美かなと感じました。そして明日美がドラマの中でどのように変化していくんだろうと、いち視聴者としてもすごく気になる存在だなって思いましたね。
直己役の松岡広大さんの印象は
いかがでしょうか?
広大くんに関しては、初めは絶対年上だろうなと思っていたら実は年下で(笑)。それなのに教養があって、僕にはない部分を一番たくさん持っている人だと思いました。頭がめちゃくちゃ良いし、お芝居や役作りのことも深く考えて真摯に向き合っているんだなあと、現場で監督たちとセッションしているのを見て感じましたね。
それからクランクインの日に、今作では上半身を見せるシーンが多いから「今のうちから佐藤さんに体作りに関して聞きたいんです」みたいなことを言ってきてくれて、ちょうどLDHが経営しているジムがあったのでそこを紹介したりとか、僕が役に立てることがあればと思って色々お話しさせていただいたんです。そしたら、食事制限をめちゃくちゃしていたみたいで、現場で昼休憩に入る度に「佐藤さん、これは食べてOKですか?」って聞いてきてくれたんですよ(笑)。
可愛らしい方ですね(笑)。
そうなんです(笑)。教養のある部分とすごく可愛らしい部分とのギャップも魅力的な方でした。また、僕は明るいキャラクターを演じることが多いのですが、広大くんが演じる直己のようなミステリアスさのあるような役には僕自身興味もあるんです。普段の自分とは逆というか、異なる役を演じられているのが羨ましいなとも思いました。実は僕、直己と瞬(役/阿久津仁愛)の家でのやり取りが一番好きで、スピンオフがあってもいいなと思うぐらいこの二人のストーリーをもっと観たいですし、毎回楽しみにしているんです。
それでは一真役の
曽田陵介さんの印象も教えてください。
僕は普段陵ちゃんと呼んでいるのですが、これまで共演はバラエティーで一度、その後ドラマで1シーンだけ、そして今回で3回目なんです。出演が決まりそうなときも、実は僕に「どういう役ですかね?」みたいな電話をしてきてくれて。僕は原作を読んでいたので、「こういう役だよね、多分陵ちゃんにも合うと思うな」みたいに言ったら「ぜひやらせていただきます!」って言ってくれました。
プライベートでも仲が良いのですね!
そうなんですよ。ちょうどついこの間久々にお酒飲みながら、もう記憶なくなるぐらいまでお芝居の話をしたくらい、プライベートでも信頼を寄せている方です。陵ちゃんが演じる一真は彼にぴったりで、というのも陵ちゃんは普段、悩んでいる姿とかを絶対に見せないんですよ。だから一真とリンクしている部分があるなと思います。複数人でいるときは見せないけど、一人になったときに見せる顔があるという一面は、陵ちゃんにもあるんじゃないかなって。
現在28歳の佐藤さんですが、
改めて「アラウンドクォーター」の世代の役を
演じられた感想はいかがでしょうか?
自分が今まで経験してきた25歳とは本当に真逆な25歳を演じたので、やっぱり自分じゃない誰かを演じることはすごく楽しいなと今回改めて思いました。でも実はなかには共感できない部分もあって、「こんな生きづらい生き方をしている人いるんですね」みたいに監督と話しながら、作品をつくっていったんです。康祐は周りに人がいるときはもう一人の自分を演じていて、疲れるような生き方をしているんです。だから撮影を終えた時に正直、僕自身がどっと疲れることも多くて……。でもそういう体験をできたことは、お芝居の経験としても人生経験としても僕自身の将来の糧になるだろうなと思いました。それから体を張ったシーンもたくさんあったので、作品が完成した時はものすごく充実感や達成感がありましたね。
康祐の生き方で共感できない部分があると。
そうですね。例えば、元カノと二人のときに本来とは異なる康祐が出てくるのはまだ理解できるのですが、彼は男性と二人でいるときも仮面を被るんですよ。康祐が本当に心を許して話せる人って実はいないんだなと思うと、そこは共感できない部分かなって思いますね。やっぱり誰しも一人は何も飾らずに話せる人がいるじゃないですか。家族や親友、幼なじみとか、僕で言うとメンバーとか。だからそんな康祐の気持ちを理解してお芝居に落とし込むことは大変に思いましたし、等身大で人と接することが好きな僕とは、そこは違う点じゃないかなと思います。
そんな康祐が
物語の中でどのように成長していくのか、
これからの展開が楽しみですね。
ありがとうございます。お色気シーンも多いいわゆる“恋愛ドラマ”ではあるのですが、回が進むにつれてアラウンドクォーター、25歳前後の登場人物一人一人の誰にも言えない悩みや誰にも見せない顔という部分にフォーカスしていく仕組みになっています。それぞれの“こういう一面があったんだ”ということがオムニバスのように明かされていく展開になっているので、飽きずに観ていただけると思います。原作を知っている方がそれぞれ応援しているキャラクターがいつ登場するんだろうという、ドキドキ感も含めて楽しんでいただけたらと思います。
佐藤さんが思う、
作品の見どころを教えてください。
一番は、「アラクオ」の5人が人との繋がりを通して成長していく姿をぜひ見届けてほしいなと思います。特に康祐と早苗の二人が抱える悩みや、それをいつ打ち明けるのか、はたまた打ち明けないのか、そして二人の距離はどのくらい縮まっていくのかなど、回を増すごとに気になることも増えていくんじゃないかなと思います。放送される時間帯は遅いとは思いますが、ぜひご期待ください。
佐藤大樹
さとう たいき
合同インタビューから行われた今回の取材。ずらっと並んだレコーダーを見て、「記者会見みたい!」とレコーダーたちを記念撮影していた佐藤さん。その周囲を巻き込んでいく明るさに、メディアで拝見した印象のままの方だなと感じましたが、「等身大で人と接するのが好き」というお話を聞いて納得しました。後編ではそんな佐藤さんご自身を深堀りしていきます!
1995年1月25日生まれ。
EXILE、FASNTASTICSのメンバー。
俳優として、最近の出演作に、ドラマ『Sister』(‘22)、『理想ノカレシ』(‘22)、『liar』(‘22)、Amazon Prime Video『恋に落ちたおひとりさま〜スタンダールの恋愛論〜」(‘22) 、映画『小説の神様 君としか描けない物語』(‘20)などがある。現在、日本テレビ系列にて放送中の『FUN!FUN!FANTASTICS SEASON3』(‘23)にも出演中。
©ABC
ドラマ『around1/4(アラウンドクォーター)』
・ABCテレビ(関西)
毎週日曜 よる23時55分~
・テレビ朝日(関東)
毎週土曜 深夜2時30分~
※ほか地域でも放送予定
★ABCテレビでの放送後、TVer/ABEMAで見逃し配信!
【出演】佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、美山加恋、工藤遥、松岡広大、曽田陵介、藤森慎吾(オリエンタルラジオ) ・ 平岡祐太 他
【原作】緒之『around1/4 アラウンドクォーター』(comico)
【脚本】武井彩、粟島瑞丸、灯敦生、富田未来
【音楽】鋭児、及川千春(鋭児)、藤田聖史(鋭児)
【主題歌】『It’s all good』FANTASTICS from EXILE TRIBE(rhythm zone)
【オープニングテーマ】『PEGASUS』鋭児(Off The Wall Record)
【監督】隈本遼平、富田未来、大山晃一郎
【プロデューサー】矢内達也(ABCテレビ)、箱森菜々花(AOI Pro.)、芝村至(AOI Pro.)
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
スタイリスト:平松正啓(Y’s C)
ヘアメイク:中山伸二(CONTINUE)
ディレクション:半沢暁
インタビュー:小枝指優樹
記事:小枝指優樹/緒方百恵