松坂桃李
「いつか、脚本を書いてみるのもおもしろそうだなと思います」
映画『新聞記者』(‘19)で「第43回 日本アカデミー賞」の最優秀主演男優賞を、映画『流浪の月』(‘22)では「第46回 日本アカデミー賞」の優秀主演男優賞と、数々の賞を受賞している松坂桃李さん。現在公開中の映画『スオミの話をしよう』では、謎のYouTuberを好演しています。そんな松坂さんに、今作でワクワクしたことや最近のリフレッシュ法、さらには表現者としてこれから取り込んでみたいことなどもうかがいました。
前回「FAST」にご登場いただいた際(2019年)「『面白そう!何だかワクワクする!どうなるんだろうこの作品!』と感じて、自分がこの作品の中に登場したいと思えるかどうかを大切にしています」とお話しいただきましたが、今回の映画『スオミの話をしよう』ではどんなところにワクワクしましたか?
今作は、とにかく出ている方たちがみんな面白そうだなと思いました。三谷さんも「今までご一緒したことない方たちをなるべく多くキャスティングした」と仰っていましたが、これまでの三谷作品の中では見たことがないようなメンバーが集まった時の化学反応がどうなるのかが、自分の中でワクワクするポイントの一つでした。
「三谷組の中で西島(秀俊)さんってどんなイメージなんだろう」とか、「僕が出ていないシーンでは、みなさんどういうことをされるんだろう」ということも気になりました。
主演の長澤まさみさんをはじめ、元(&現)旦那チームにもそうそうたる役者陣が揃いましたが、みなさんと撮影されてみていかがでしたか?
本当に素敵で、スペシャリストのような方たちが同じ空間に集まり、同じシーンでわちゃわちゃできるのは、なんて贅沢な時間なんだろうと思いました。1対1や、3人だけというシーンはほかの作品でもあると思うんですけど、ワンシチュエーションで人が出たり入ったりする中でなにか問題が起きたり、会話劇の中で物語が進んでいくという、三谷さんならではの作風をこのメンバーでやれたことはすごく嬉しかったです。
お忙しい日々かと思いますが、最近のリフレッシュ法を教えてください。
今は子供と一緒にいることですかね。最近は行動範囲が広がって、外に出かけられるようになってきたので、子供と一緒に行けるような場所に行くことが、自分にとってもリフレッシュになっています。自分1人では絶対に行かなかったところに行くこともあるので、自分が子供の時にやっていたものをもう一度楽しみ始めるような、大人になって、ぐるっと一周回ってまたそこにたどり着くみたいなことを、最近は感じています。
これまでほかの媒体でインタビューさせていただいた際、随所で「同世代の人たちが気になる」とお話されていました。先日は、同世代で松坂さんともご縁のある岡田将生さんにFASTにご登場いただいたのですがー。
出た!
(笑)。岡田さんは自作のおにぎりを控室で食べることにハマっていると仰っていましたが、松坂さんも手打ちそばなどお料理もされますよね。これから作ってみたいメニューはありますか?
味つけは薄めだけど、美味しく食べられるものを作ってみたいです。少なめの調味料で、素材や出汁をいかしたメニューを作れるようになりたいです。
松坂さんは以前、ご友人である長田真作さんと絵本「まろやかな炎」を共著されていますね。今、同世代の方と一緒に何かをすることに、どんな楽しさを感じますか。
例えば、学生時代に「いつか一緒に何かやりたいよね」と話していたことが、だんだん時を重ねて自分たちの年齢が実現可能になるんだなと感じますし、それがまた楽しかったりするのかなと思います。
昔からの知り合いや友人と、大人になってから一緒に何かをするというのも不思議な縁ですね。
そうですね。年齢を重ねていくと、自分の考え方や生活環境などが色々変わっていく中で、それは相手も同じことなんですよね。その同じ時間軸の中で、離れる時もあれば、こうやって交わる時もあるので、人生はそういうことの繰り返しなのかなと思います。
絵本の共著以外にも、Amazon Audible「誰かが私を殺した」の朗読など、様々な表現活動もされています。今後、表現者としてどんなことに取り組んでいきたいですか?
いつか、こういう映画の作品のお話を作ってみたいなと思っています。小説ではなく、いわゆる脚本を書いてみるのは、なんだかおもしろそうだなと。
それは楽しみです!以前、連載されていた「妄想」企画が、創作活動に活きることがあるかもしれないですし。
あるかも、しれないですね(笑)。
松坂さんがどんな物語を紡ぎだされるのか、その作品をいつか拝見できることを心待ちにしております!
松坂桃李
まつざか とおり
1988年10月17日生まれ。
インタビューでも終始にこやかに楽しそうに話をしてくださる松坂さん。以前FASTに出演していただいたのが約5年前ですが、インタビューした内容を覚えていてくださって、「あ〜言ってましたね〜」と言ってくださり、とても嬉しく感じました。また誰に対してもどんな些細なことでも「ありがとうございます」と敬意を持って接する姿は、とても真面目で誠実なお人柄だと改めて感じました。そしてお話し中に何度も見せくださったクシャッと笑う顔がとても可愛らしく、撮影のとてもかっこよく男らしい雰囲気とはまた違った良さや無垢な姿を見せていただきました。これからもお仕事もプライベートも楽しみつつ、どんな時でも松坂さんらしい笑顔で多くのメディアでのご活躍を応援しております!お久しぶりのご出演ありがとうございました!
最近の出演作に、ドラマでは、日本テレビ『ブラッシュアップライフ』(‘23)、Netflix「離婚しようよ」(‘23)TBS『VIVANT 』(‘23)、映画では、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(‘23)などがある。また、待機作に『スオミの話をしよう』(24年9月13日公開)、『雪の花 -ともに在りて-』(25年1月24日公開)、などがある。
©2024「スオミの話をしよう」製作委員会
■タイトル
『スオミの話をしよう』
■公開日
9月13日(金)
■脚本と監督
三谷幸喜
■製作
フジテレビ 東宝
■制作プロダクション
エピスコープ
■配給
東宝
キャスト(ビリング)
長澤まさみ
西島秀俊 松坂桃李 瀬戸康史 遠藤憲一 小林隆 坂東彌十郎
戸塚純貴 阿南健治 梶原善 宮澤エマ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:AZUMA(M-rep by MONDO artist-group)
スタイリスト:カワサキタカフミ
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/有松駿