永田崇人
『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』
自己解放しながら作り上げていく過程を
楽しませてもらっています
新宿の新劇場「THEATER MILANO-Za」のこけら落とし公演として上演される『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』。かねてより『エヴァンゲリオン』シリーズのファンであり、舞台という新たなエンタテインメント作品に出演する永田崇人さんに、本作への意気込みをうかがいました。
<あらすじ>
人生にかけられた重い枷。そこから目を逸らし生きてきた渡守ソウシ(窪田正孝)。贖罪、そして再生のため、彼は世界の秘密を解き放つ――。15年前、世界各地に謎の「侵略者」が出没。その事態に対抗するため、特務機関「メンシュ」最高司令官、叶サネユキ(田中哲司)は部下の桜井エツコ(宮下今日子)とともに四体のエヴァンゲリオンを開発。サネユキは自らの息子トウマ(永田崇人)をパイロットとしてエヴァンゲリオンに搭乗させる。 さらに、現場指揮官のイオリ(石橋静河)のもと、ヒナタ(坂ノ上茜)、エリ(村田寛奈)、そしてナヲ(板垣瑞生)ら少年少女もパイロットとして秘密裏に配属された。
『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』に
出演が決まったときの率直な感想を
お願いします。
僕にとって『エヴァンゲリオン』は、大事なことをたくさん教わった作品。舞台という新しいコンテンツに出演できることはもちろん、ずっと好きだった『エヴァンゲリオン』シリーズに関われるのはとても嬉しいです。そして、念願のこけら落とし公演に参加できることも光栄ですね。いつかそんな日がきたらいいなと思っていたので、報われた気持ちです。
こけら落とし公演に初参加するにあたって、
プレッシャーはありますか?
とくにプレッシャーは感じていません。それよりも今は、取り組んでいる稽古にもっと動きがついてどのように変化していくのかが楽しみで仕方ないんです。わくわく感が上回っています。
新劇場の
「THEATER MILANO-Za」については
いかがですか?
めちゃくちゃかっこいいです! 3階席まであって天井は高いけれど、ステージとお客様との距離は感覚的に近くてすごく良い劇場だと思います。なんとなく、渋谷の「Bunkamuraシアターコクーン」に似ている気がします。あとは劇場の外にある壁一面がシルバーの竹をモチーフにした照明になっていたり、ジャパニズムを感じさせる装飾で細部までこだわっていたり、ビル自体もアーティスティックな外装で異彩を放っていますよね。アートを大事にするというコンセプトで建てられていると聞いて、多様性を大事にするこの時代にぴったりだなと思いました。
原案・構成・演出・振付を手がける
シディ・ラルビ・シェルカウイ氏について
どのような印象ですか?
ラルビさんの演出を経験できるのはすごく嬉しいです! これまで日本の演出家の方としかお仕事したことなかったので、外国の方はどんな演出をするのか、どんな考え方をするのかとっても興味深いです。とくにラルビさんはダンスや身体表現を極めている方なので、いつものストレートプレイとは全然違う色に染まれるのが楽しみです。
永田さんは
3月25日から稽古に入られたそうですが、
現時点では稽古でどんなことをされていますか?
まだ稽古に入ったばかりで(※取材当日は製作発表があった3月29日)、まずは演出上で起こり得るであろう身体表現の部分をワークショップ形式で行っています。キャストとダンサーさん含め、「どんな動きができるかな?」とみんなの身体的ポテンシャルを少しずつ確かめ合っている感じというか…。その動きの数々から逆算して演出に生かすこともあるのかな? ラルビさん自身、みんなの動きを見てアイディアが湧いてくるみたいで、先日の稽古でも「ひらめいた!」と話していました。
ラルビ氏の演出が
『エヴァンゲリオン』シリーズにどう溶け込んで
いくのか、キャストのみなさんも
これから知っていくのでしょうか?
そうですね。でもワークショップ形式で稽古を進めてみて、自分の中ではなんとなく「こういうことを表現したいのかな?」という意図のようなものが見えてきた気もします。ただ、どうなっていくか分からない状態で進めるのもまた楽しいんですよ。分かってしまうとゴールに向かっちゃって、予定調和になりかねないから。「これ合ってるのかな? まあいいや、やってみよう」と自己解放しながら作り上げていく過程を楽しませてもらっています。
共演者の中で仲良くしている方はいますか?
板垣瑞生くんです。稽古中に座っている席が隣というのもありますが、初共演にも関わらず友達みたいに話しかけてくれて。フランクな人柄でとても仲良くしてくれています。あとは坂ノ上茜さんと村田寛奈さんも同じくエヴァのパイロット役で事前稽古を一緒にやっていたので、板垣くん含む4人でよくお喋りしていますよ。
座長の窪田正孝さんの第一印象はいかがですか?
すごく素敵で、気さくな方です。記者会見でご本人も仰っていましたけど、窪田さんは今まで幸薄い役柄が多かったようなので、お会いするまでは儚げなイメージを抱いていたんですよ。でもビジュアル撮影時にスタッフの方々と話している姿を見て、「こんなに明るい方なんだ、素敵!」とときめきました(笑)。
それでは最後に、
本番に向けて意気込みをお願いします!
オリジナルストーリーの『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』も、原作となるアニメが持っているパワーは引き継いでると思うし、また新たな解釈が出てくるはず。視覚的にも内容としても、いろんな方に響く部分があるんじゃないかなと期待しています。それに、新設の劇場でこけら落とし公演を観れる機会なんて滅多にありませんし、訪れた方は新しい時代の第一人者になれるぞって思ってます(笑)。なので、ぜひ劇場へ観に来ていただきたいです!
永田崇人
ながた たかと
撮影と取材の合間に、壁に飾られている劇場ロゴプレートの前で記念撮影をおこなっていた永田さん。マネージャーさんや劇場の方々とも「本当に素敵ですよね」と劇場についてお話しされ、目を輝かせている様子が印象的でした。記念撮影していたときの写真は永田さんの公式SNSに投稿されていたので、気になる方はチェックしてみてください!
『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』
【原案・構成・演出・振付】
シディ・ラルビ・シェルカウイ
【舞台版構成台本】ノゾエ征爾
【上演脚本】渡部亮平
【出演】
窪田正孝 石橋静河 板垣瑞生 永田崇人
坂ノ上茜 村田寛奈 宮下今日子 田中哲司 ほか
【東京公演】5月6日(土)~5月28日(日)
THEATERMILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
【長野公演】6月3日(土)・4日(日)
まつもと市民芸術館
【大阪公演】6月10日(土)~19日(月)
森ノ宮ピロティホール
※Team Credit
カメラマン:八重樫ケイン
ヘアメイク:茂手山貴子
スタイリスト:東正晃
インタビュー・記事:井上ハナエ