古川雄輝 × 本田響矢
ドラマ『私と夫と夫の彼氏』
同性愛をテーマに、“幸せとは何か”を描いた衝撃作
綾野綾乃原作、SNSでも話題沸騰中の人気漫画『私と夫と夫の彼氏』がテレビ東京にて実写ドラマ化。堀田茜さんが地上波連続ドラマ単独初主演を飾る本作品において、夫、そして夫の彼氏を演じるお二人に、作品の印象や見どころなどを伺いました。
©テレビ東京
<あらすじ>
高校教師の仲道美咲(堀田茜)には、インテリアデザイナーでハンサムな誰からも羨ましがられる自慢の夫・悠生(古川雄輝)がいる。しかしそんな美咲にも悩みはあった。悠生は美咲に触れようとしない。セックスレスだった。求めても突き放される日々に不安を抱いた美咲は結婚記念日にセックスをする約束をする。年に1度でもセックスをしてくれるのなら、悠生は自分のことを女として見ていないわけではないと言い聞かせる美咲。結婚記念日当日、帰りが遅い悠生を心配した美咲は玄関の前で大きな音がしたのに気が付く。ドアスコープから外を覗くと、悠生が男性(本田響矢)とキスをしている姿が映っていた―。セックスレスを抱えた夫婦と、夫の彼氏。「妻×夫×夫の彼氏」のいびつな三角関係が織りなすヒューマンラブストーリー。
まず初めに、お互いの印象を教えてください。
本田響矢(以下、本田):僕は古川さんの出演されている作品などを以前から拝見していたので、もちろん元々存じ上げている方だったのですが、初めはクールな方なのかな、という印象だったんです。仲良くしたいと思っていた反面、少し遠慮してしまうかなという気持ちも正直あって。でも実際にお会いして話しかけさせていただいたら、そういうクールな一面もあるとは思うのですが、言い方が正しいかわからないですけど、凄く話しやすくて……。撮影期間でとても仲良くさせていただいたので、それはもうありがとうございますって(笑)。
古川雄輝(以下、古川):僕と本田くんとは年齢がひとまわりくらい離れていて、僕にとっては可愛い弟みたいな感じですね(笑)。僕にここまで話しかけてくれる俳優さんもあんまりいないので、とても嬉しかったです(笑)。
本田:そうですかね(笑)。でも、僕がいろいろな話を積極的に聞いてしまうタイプなのですが、くだらない話をしてもとても丁寧にというか、親身になって聞いていただけて(笑)。僕の会話に付き合っていただいて、撮影もとても楽しかったです。
くだらない話というと、
例えばどんな内容でしょう?
本田:例えば、作品には関係の無いどんな車かっこいいですか、とか(笑)。ホント些細な話もたくさん、撮影の合間などにさせていただきましたね。
古川:本田くんはまず礼儀正しいですし、目上の人に甘えることがとても上手で、人懐っこくて。社交的というか、色々な人と仲良くなれる人なんだろうなあ、と思っていました(笑)。
今回の作品の原作や台本を読んだ感想は
いかがでしたか?
古川:良い作品にしたいと強く思えるような素晴らしい台本でした。今回の作品はどうしても“同性愛”というテーマが注目されてしまうかもしれませんが、“幸せとは何か”というテーマもしっかりあって。それを視聴者の方に届けたいと思えました。
本田:原作が本当に面白かったです! 美咲(堀田茜)と悠生(古川雄輝)、そして僕が演じる周平の3人がどう暮らしていくのか楽しみにしながら読み進めていったのと同時に、この生活を僕らがどのように演じていくのか、撮影に臨むのがとても楽しみになれるような作品でした。
今回のドラマ作品と原作とを比べて
何か違いはありますか?
古川:原作はまだ続いているので、どのような形でエンディングを迎えていくのかがまず異なります。それと、漫画的な表現が少なくなっているかと思います。キャラクターの仕草ひとつをとっても、映像作品として描いていくとなると原作とは表現方法を変える必要があったりすると思って。例えば原作では3人で食事しているシーンを、前後の流れを考慮して食事をするのをやめて立って会話するシーンにしたりだとか。そういったふうに、よりリアリティのある方向で作品づくりをしました。
主演の堀田さんの印象はいかがでしたか?
本田:堀田さんは、他のインタビューでも毎回言ってるんですけど、ホントに良い香りがするんですよね(笑)。
どんな香りでしょうか!?
本田:難しいんですけど……、こう、近寄りたくなる香りって言うんですか(笑)? すごい……こう、なんていうんだろう(笑)。堀田さん本人から直接教えていただいたんですけど、答えは「キンモクセイともう一つ別の香りが合わさったもの」だったんですよ。僕、こんな良い香りする人に初めて会ったんです。もちろんお人柄も素敵ですし、堀田さんも僕のしょうもない会話に付き合ってくださる優しい方で……。現場では古川さんも含めお二人には本当に助けていただいたなっていう印象です。
古川さんはいかがでしょうか?
古川:僕は堀田さんとは5年ぶりくらいにご一緒したのですが、前回の共演ではセリフのやり取りがあまりなかったんです。今回本格的に一緒にお芝居をさせていただいて、セリフなどに変更があった時に随時メモを取っていたりと、すごくマメで真面目な方だな、という印象を持ちました。常に筆箱を持っていらっしゃって。
筆箱、ですか。
古川:はい。筆箱を持っているのって、すごく真面目だなって(笑)。それからスタンドインといって、カメラワークが決まるまでの準備などを助監督さんがやってくださるんですけど、そこに自分から参加していたりとか。そういうことって、疲れている時は休んでしまう人が多いんです。でも堀田さんからは、できるだけ現場にいようという姿勢も見えて。
そういう方がいらっしゃると、
現場も明るくなりそうですね。
古川:そうなんです。そういう姿を見て僕もこの作品をもっと良いものにしていこう、良い芝居で返さなきゃ、というふうに思えるような、周りのモチベーションを高めてくれる存在ですね。かつ、周りへの気遣いもすごくされていて……。バラエティやモデルさんのイメージもあるかと思いますが、僕は、女優さんなんだなと改めて感じました。
本田:なんか僕だけ匂いのことばっかりになっちゃいましたね(笑)。
一同:(笑)。
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繊細な役に対し
どのように役作りをされていきましたか?
本田:僕が演じさせていただいた周平という役は、ポリアモリー(関係者全員の合意を得たうえで、複数の人と恋愛関係を結ぶ恋愛スタイル)という性質を持ちながら、まだそれに対して自覚がしきれていない役で。それに加えて、性別など関係なく好きになった人を好きになるパンセクシャルの要素を掛け合わせたようなキャラクターでもあって。彼の過去の恋愛においても言えることですが、美咲と悠生だけでなく一人一人を平等に愛する人物なんです。だから僕は“平等”という言葉をテーマにして演じさせていただきました。
古川:僕の演じる悠生はとても優しい人物なので、まずはその優しさがみえること。そして、彼自身はまだ自分が同性愛者だということを認められていなくて、自分の性的指向が一般的なものと合わないことに対して葛藤しているということ。それらを大切にしながら演じていきました。僕は最初、不倫相手である周平よりも結婚相手である美咲の方が好きだ、というふうに捉えていたんです。でも監督と役作りについて話し合いを重ねていくうちに「平等に好き」でいるという方向に固まり、それでお芝居の仕方が変わっていったんです。繊細な部分をきちんと話し合いながら、役にアプローチしていきましたね。
最後に作品の見どころを教えてください。
本田:この関係性がハッピーエンドになるのか、はたまたバッドエンドになるのか。原作もまだ続いているので物語の本当の行き先というのは誰もわからないと思うんですけど、このドラマではそれがどのように描かれていくのか注目していただきたいです。また、同性愛や不倫問題などあらゆるテーマについてもそうですが、なにより “人を愛するというのはどういうことなのか”ということについても考えさせられるような作品になっていると思うので、楽しみにしていただければと思います。
古川:最終的に3人がどう幸せになっていくのか見届けてほしいというのと、僕と本田くんのキスシーンがめちゃくちゃいっぱいあるので……
めちゃくちゃいっぱいですか!?
古川:はい、もうめちゃくちゃいっぱいあります(笑)。なので、そこも見どころのひとつかなと思います。作品を通して彼から僕にキスをしてくることが多いんですけど、唯一僕からキスを迫るシーンがあって。個人的にそのシーンはとても印象的だったので、そこにも是非注目してほしいと思います。
古川雄輝
ふるかわ ゆうき
本田響矢
ほんだ きょうや
どのお写真もひたすらに美しいお二人。モニター前のスタッフ陣からは声が漏れ続けていました。向き合うカットの撮影時、じっと見つめる古川さんに照れてしまった本田さん。そのまま「茶髪だと印象が変わるね」とお話しされていました! インタビュー中には、無邪気な本田さんと兄のように優しく見守る古川さんという、何とも微笑ましい世界が広がっていました。
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『私と夫と夫の彼氏』
【放送日時】
5月31日(水)深夜3時20分~ スタート
【配信】 動画配信サービス「Paravi」で全話独占先行配信中
【原作】 綾野綾乃「私と夫と夫の彼氏」(『ゼノン編集部』連載/コアミックス)
【主演】 堀田茜
【出演】 古川雄輝 本田響矢 / 岡本玲 永田崇人 しゅはまはるみ
【プロデューサー】 田中智子(テレビ東京) 佐々木梢(PROTX) 桑原宏次(PROTX) 齋藤寛朗(カズモ)
【監督】 常間地裕 佐々木梢(PROTX) 七字幸久
【脚本】 黒沢久子 今西祐子
【音楽】 小山絵里奈
【オープニングテーマ】 学芸大青春 「ヤマアラシのジレンマ」 (VOYZ ENTERTAINMENT)
【エンディングテーマ】 BONNIE PINK 「Like a Tattoo」 (WARNER MUSIC JAPAN)
【制作協力】 PROTX カズモ
【製作著作】 テレビ東京
※Team Credit
古川さん
ヘアメイク:藤井康弘
本田さん
ヘアメイク:岩村尚人
スタイリスト:浅井直樹(Vigroo)
カメラマン:鈴木寿教
ディレクション:半澤暁
インタビュー:小枝指優樹
記事:小枝指優樹/緒方百恵