町田啓太
僕も整くんからの言葉が欲しかったです
2023年9月15日から公開される映画『ミステリと言う勿れ』に出演している町田啓太さん。主人公・整の印象に残った言葉や、町田さんが映画の出演を通して改めて感じた作品の魅力、さらにはご自身のリフレッシュ法なども伺いました。
<映画『ミステリと言う勿れ』あらすじ>
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整は、美術展のため広島に訪れていた。そこで、犬堂我路と知り合いだという女子高生・狩集汐路と出会い、バイトを持ちかけられる。それは、狩集家の莫大な遺産相続をめぐるものだった。当主の孫にあたる4人の相続候補者たちと狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきところへ過不足なくせよ」というお題に従い、遺産を手にするべく謎を解いていく。
今作に参加して「人と対話することは
自分自身の心に気付くことにも繋がることに
改めて気づいた」と仰っていましたね。
整くんを通して、結局は自分との対話になっているんですよね。本来であればそれが自分でできれば 1番いいんですが、自分自身の見たくない部分は自分ではなかなか気がつかないし、難しいじゃないですか。整くんはそのきっかけを作ってくれた存在だと思いました。
今回も「整語録」が数々ありましたが、
印象に残っている言葉はありましたか?
毎回「これはどうしてなんでしょうね」みたいなことを整くんが言ってくれるんですが、その要所要所で言う言葉がどれも好きです。今回の映画では「子供」と「女性」に関するセリフがいくつかあるのですが、中でも僕が印象に残ったのは、多感な幼少期の心をセメントに例えたセリフです。まだ「心」というセメントが固まっていない時につけられた「跡」は、その後もずっと澱として溜まってしまう。そういった意味のあるシーンで出てくるのですが、あの言葉はハッとする人がたくさんいるんじゃないかなと思います。
女性の多くが共感するような
シーンやセリフもありましたね。
「女性はこうであれ」みたいに決めつけられた概念を、整くんがそれとなく問題定義のような形で話すシーンがあるのですが、整くんは男性なので、本来だったらマジョリティ側にいる方だけど、大学生という、社会人と子どもの微妙な狭間の立場であることや、決して責めすぎない整くんの言い方もあって、より響くものがあるなと感じました。
物事の裏側も考えてみようということを
この作品から教わった気がします。
知らず知らずのうちに刷り込まれてきたものや、誰かの都合のいいような考え方がまだ自分の中に流れていることはあると思いますし、そのギャップにすごく苦しんでいる人もいると思います。逆にそれをうまく利用している人もいるだろうし、気づいていない人もいると思うんですが、この作品を見て「なんかここが響いた」、「これを言ってくれてうれしかった」と、きっとそれぞれが何かを感じてもらえると思うんです。僕も原作をそういう風に読んでいたので、まずは見てもらって、何かを受け取ってもらえたらと思う作品ですね。あとは個人的に、僕も整くんからの言葉が欲しかったです。
ファン心理ですね(笑)。
きっと皆さんも、整くんに会ったら「なんか話したいな」って思うと思うんですよね。そこでどんなことを言ってくれるんだろう、整くんから自分はどういう風に見えて、どこに疑問を持ってくれるんだろうなと。整くん自身の考え方がすごく素敵なんですよ。
整くんのような人が周りにいたらいいですよね。
でも、僕はいつも一緒にいたらずっと頼ってしまいそうな気がするので、半年か一年に1回ぐらいの距離感で会いたい人かもしれないです(笑)。
整くんといえば
カレーをこよなく愛していますが、
町田さんはカレーにこだわりは?
僕自身は特にないのですが、スープカレーやキーマカレー、インド系など色々な種類のカレーを食べます。その中でトッピングをどうしよう、野菜はどれがいいかなと選ぶことはありますが、基本的にカレーは何でも好きなので、逆にこだわりがないのが僕のこだわりなのかもしれないです。
食べものにこだわりはあまりない方ですか?
大体、その時々に食べたいものを食べるという感じなのですが、季節によって食べたいものって変わりますよね。旬のものはやっぱり美味しいですし、今だと夏野菜がたくさん出ているので楽しみです。
ドラマに映画にとお忙しい日々かと思いますが、
ちゃんとご自愛できていますか?
できていますよ。仕事は出来る限りのことをして、あとはあまり無理しすぎないようにしています。リフレッシュ法は、しっかり寝てしっかり食べる、あとは適度に体を動かすこと。根本的なことですが、結局それが一番なのかなと思います。体にも心にも良さそうな、日々の生活が整いそうなことをチョイスするのが、自分に一番合っているのかなと思っています。
特別なことをするよりは、
生活習慣を大切にする方が
心身の調子が整うのかもしれないですね。
例えば1、2日オフがあってどこか出かけても、もちろんリフレッシュはできるんですが、行き帰りで少し疲労感が出るんですよね。なので「体を休めたいな」という時は、睡眠や食べ物の質を少しだけ上げるようにしています。それがリラックスできる近道なんじゃないかな。
町田啓太
まちだ けいた
とても落ち着いたトーンと表情で質問に答えてくださっていた町田さん。しかし作品内のキャラクターについてお聞きすると、一気に笑顔に。「整くんと話したい」と語る姿がとても楽しそうで、目をキラキラさせた表情が印象的でした。和やかに進行していくインタビューに、町田さんの優しく親しみやすいお人柄を感じました。
1990年7月4日生まれ。
最近の出演作に、連続ドラマW『フィクサー』Season1・Season2、ドラマ『unknown』(‘23)、WOWOW『ドラフトキング』(‘23)、Netflix『今際の国のアリス』(‘20・22)、ドラマ『テッパチ!』(‘22)などがある。2024年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』への出演も控える。
Ⓒ田村由美/小学館 Ⓒ2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社
映画『ミステリと言う勿れ』
2023年9月15日(金) 全国東宝系にて公開
原作:田村由美『ミステリと言う勿れ』(小学館「月間フラワーズ」連載中)
監督:松山博昭(『信長協奏曲』(2016年))
脚本:相沢友子(『本能寺ホテル』(2017年))
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「硝子窓」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社
出演:菅田将暉
松下洸平 町田啓太 原菜乃華 萩原利久
鈴木保奈美 滝藤賢一 でんでん 野間口徹
松坂慶子 松嶋菜々子
伊藤沙莉 尾上松也 ・ 筒井道隆 永山瑛太
角野卓造 段田安則 柴咲コウ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:KOHEY
スタイリスト:石川英治(TABLE ROCK.STUDIO)
ディレクション:半澤暁
インタビュー:根津香菜子
記事:根津香菜子/緒方百恵