阿久津仁愛
2024年は
今年よりたくさんお仕事をできるように
がんばりたいと思っています
2016年にミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで主演デビュー後、舞台や映像作品など、多ジャンルで活躍中の阿久津仁愛さん。現在感じているお芝居の魅力のほか、プライベートなお話や来年の抱負など、くるくると表情を変えながら語ってくれました。
2020年に
ミュージカル『テニスの王子様』を卒業。
その後も2.5次元作品に出演されていますが、
今改めて感じている2.5次元舞台の楽しさは?
キャストのみなさんとスタッフのみなさんと、みんなで作り上げていくところに魅力を感じます。自分のアイデアが生かされると、“自分も一緒に作っているんだな”と思えますし。公演期間中も、本番が終わった後に、その日の(公演の)映像と前日の映像と見くらべて研究したりするのも楽しいです。
公演期間も長いものが多いですもんね。
そうなんです。稽古から本番が終わるまでの期間が2、3ヶ月とか長いので、みんなとの絆も生まれて、本当に仲よくなるんですよ。そのぶん、作品が終わった後のロスも大きいんですけどね。でも、ロスを感じるくらい楽しかったんだなって、毎回終わった後に実感します。2.5(次元舞台)の作品は歌をうたうシーンも多いので、しばらくその曲が抜けなかったりもしますし、公演の映像を見返して、なつかしいなーと思ったりもします。
作品を作っていくなかで、
どんなところに大変さを感じますか?
僕は、新鮮さがあって、且つ役が引き立つような芝居を心がけているんですが、やっぱり難しい役どころを演じるときは悩むことも多いです。そういうときは、舞台をたくさん経験しているキャストのみなさんのお話を聞いたりとか、稽古中の映像を見ながら研究したりします。ただ、いざ舞台上に立ったら自分のものになるとも思っているので、稽古中は深く考えすぎず、でも、なるべくたくさんのお芝居のパターンや可能性を出せるように心がけています。
キャストの方々のアドバイスで、
心に残っているものがあれば教えてください。
自分のクセですね。2.5の作品って、立ち方だったり重心の置き方だったりが独特なんです。そういうところは、人から言われないと気づけないことも多いですね。例えば、セリフのないシーンで、気づいたら角度をつけて立っていたりとか。歌っているときも、無意識に身体を揺らしてリズムをとっちゃったりとか。それも、最近指摘されて気づきました。やっぱり3、4年やっていると、2.5特有の動きが落とし込まれて身体に染みついているから、それを直すのが大変です。特に映像作品では、ナチュラルなお芝居が求められたりするので。
役へのアプローチのしかたは、
以前とくらべて変化していますか?
そうですね。昔はどちらかというと内に何かを秘めているような役が多かったので、どの役も同じテンションで演じているところがあったんです。でも、いろんな役をやるには、自分の明るい性格を活かした表現もできたほうがいいなと思うようになって。最近はセリフの音色を明るめにしたりとか、そういうところをちょっとずつ意識してできるようになってきました。あとは、役によってお芝居の作り方が全然違うし、意外と役に影響されているんだってことも最近感じました。新しい作品に入ったばかりのとき、一つ前の作品の役にちょっと引っ張られているな、みたいなことがあったりするので。
一つの作品に入っているときは、
普段の生活のなかでも役が抜けない、
ということもありますか?
あー、たしかに役に影響されますね。2.5 の舞台をやっていると、普段、ひとり言をつぶやいたりするときに、若干アニメチックになっちゃったりとか(笑)。でも、逆にそれぐらいじゃないと、舞台上だけでその役になろうと思っても難しいんじゃないかなって思います。公演期間中は、キャストのみんなで楽屋にいるときとか、自分の演じているキャラっぽくしゃべってみたりするんですよ。“このキャラクターは、そんなこと絶対に言わないだろう”みたいな言葉を、その役っぽい口調で言ってみたりとか(笑)。
プライベートについても伺いたいのですが、
阿久津仁愛を語るうえで、
はずせないものは何でしょうか。
えーっ、何だろう……あっ、ウチの家族のグループLINEがあって、実家で飼っているネコの写真や動画がほぼ毎日送られてくるんですよ。それが癒しになっているので、絶対に必要ですね。めっちゃかわいいと思ったものはインスタのストーリーズに載せたりして、ファンの方とも共有しています。小学5年生の妹がネコの実況をしている動画とか、ネコのお尻のアップの動画とかも送られてくるので。それを見ては、日々癒されています。
座右の銘はありますか?
んー、“これ”というものはないんですよね……。
格言ではなくても、
自分が励まされたセリフとか。
あっ、セリフではないんですけど、過去の作品を見て自信をつけることはあります。作品に入っているときは必死なので、自分の姿を俯瞰することってなかなかできないんです。だから、その作品がDVDとかになったときに、見ながら「ここの俺、カッコいいやん」とか(笑)。そんなふうに思うことで、ちょっと自信が芽生えたりするんです。まぁ、逆に反省する部分も多いんですけど、いいところだけじゃなく、そういうところもちゃんと見ないと次に活かすことができないですからね。過去の出演作を見て、自分の糧にしています。
落ち込んでしまったときに、
自信を取り戻すために見たりとか。
あります。眠れないときとか、新しい環境になるときに見て、“俺はこれをやれたんだから、今回もいけるでしょ”って、自分で自分の背中を押すというか。
2023年も舞台に映画にドラマに
大活躍でしたが、振り返るとどんな年でしたか?
充実した1年でした。時代劇みたいに刀を差す役があったり、BLドラマがあったり、舞台でもいろんな役をやらせていただいたので、来年も引き続き新しいことにチャレンジしていきたいです。
やってみたい役はありますか?
『HUNTER×HUNTER』THE STAGEがめっちゃ楽しかったんですよ。ホントに今年イチぐらいのレベルで。なので、続編が決定して嬉しいです! この間、DVDのメイキングを見て、めっちゃ楽しかったなって改めて実感しました。たくさんの方に愛されている作品のめっちゃカッコいい役をやらせていただけたことに感謝もありますし、またキャストのみんなにも会いたいです。
2024年はどんな年にしたいですか?
今年よりもたくさんお仕事をできるようにがんばりたいと思っています。それこそC.I.A.もまた新しい形で始まると思うので、どんなことができるのかなって楽しみです。
プライベートで挑戦してみたいことは?
もうちょっとおしゃれになりたいですね。服装とか。でも、きっとムリだから(笑)……あっ、もっと友達に会う時間を作りたいです。『テニスの王子様』をやっていたときはずーっと稽古と本番の毎日だったんですけど、最近は一つの作品が終わると1、2週間空くこともあるので。そういうときに、地元の友達とかなかなか会えない人に会ったり、実家に帰ったりしたいなって。
実家のネコとも遊びたいですよね。
はい! この間、実家に帰ったんですけど、またすぐに帰りたいなと思っちゃったんです。来年は、ちょこちょこ(実家に)帰れたらいいなぁ。
阿久津仁愛
あくつ にちか
インタビュー中のみならず、待ち時間も移動中も、ずっと飾らない姿で自由な空気を纏っていた阿久津さん。ふと何気なく話しかけてしまいそうな人懐っこさで、周囲に愛される理由がバシバシ伝わってきました。無邪気さ全開の笑顔と大人な表情のギャップも最高です。FAST初登場、ありがとうございました!
2000年12月23日生まれ。
最近の出演作に、舞台『46番目の密室』(‘23)、ドラマ『around1/4 アラウンドクォーター』(‘23)、映画『美男ペコパンと悪魔』(‘23)、『HUNTER×HUNTER』THE STAGE (‘23)などがある。ドラマ『BLドラマの主演になりました』、映画『 邪魚隊/ジャッコタイ』、舞台『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2に出演予定。
C.I.A. presents「SUPER LIVE FINAL」
■公演日程
2023年12月28日(木)17:30会場/18:30開演
2023年12月29日(金)12:00開場/13:00開演
2023年12月29日(金)16:30開場/17:30開演
■会場
豊洲PIT
■出演者
阿久津仁愛、井阪郁巳、市川理矩、加藤諒、川原一馬、神田聖司、菊池銀河、木戸邑弥、木村風太、坂上翔麻、坂口涼太郎、永田崇人、中谷優心、林勇輝、星豪毅、宮田龍樹、村上貴亮、安田啓人
※出演者は変更になる可能性がございます。予めご了承ください。
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:茂手山貴子
スタイリスト:東正晃
インタビュー:林桃
記事:林桃/緒方百恵