高橋文哉
ドラマ特区『夢中さ、きみに。』
「夢中になってしまう男」を演じる
彼の主軸にある“分析精神”に迫る
初めて撮影でお会いしてから、約一年。当時18歳だった彼は一気に大人の階段を駆け上がっていた。「無邪気さ」と「大人っぽさ」の絶妙なラインを揺れ泳ぐ瞬間にだけ纏うことの出来る色香、それを無意識のうちに手繰り寄せ、しっかりと自分の物にしているように見えた。「こうなりたい」という憧れの傍らで、「今は、まだここ」と現状把握をするリアリストな一面。俯瞰で己を見ることの出来るその研磨的な眼差しは彼の強い武器になるのだろう。スタートの鐘のもと、才能と期待が詰まった道を走り出した彼に聞いた、作品の話―
ドラマ特区『夢中さ、きみに。』
原作は、全8編の短編を収めた作品集。中高一貫の男子校に通うミステリアスな魅力がある高校2年生林美良を中心に描かれた4編と、中学校のときにモテすぎた反動で、平穏な日常を求めて「逆・高校デビュー」を果たした高校2年生の二階堂明の物語4編をあわせた全8編構成となっている。ドラマ化にあたり、原作では出会わなかったそれぞれの登場人物たちの運命が交差する形で物語を再構成。本作のみどころは、それぞれの作品に登場する男子高生たちのキャラクター性。誰もがマイペースで緩やかで自然体。だけど、どこかユニーク過ぎてクスっと笑える魅力がある。そんな彼らの少し不思議な、なんでもない日常がたんたんと丁寧に描かれる。大きな事件も感動的な友情も、ドラマティックな展開も起きないけれど、どこかシュールでこそばゆい、ずっと見ていたくなる彼らの不思議な世界にご期待ください。
<二階堂明>
中学時代にモテすぎた反動で“逆・高校デビュー”を果たした。長い前髪にメガネ、制服のブレザーをインする奇妙な格好から、学園中の生徒に気味悪がられている。ひょんなことから前の席の目高優一にある秘密を握られ、二階堂の高校生活が変化していく。
二階堂明 × 高橋文哉
原作を読んで「頭の良い人なんだろうな」と思いました。彼の“逆・高校デビュー”に対して「もったいない」という方もいれば、「それが正解」という意見もあると思います。僕自身は過去のトラウマにすごく苦しんで、大きな傷を抱えた彼が選んだ「もう傷つかないための行動」に“賢さ”を感じました。
イケメンとは言えど、
かなりクセが強めのイケメンですよね。
どう演じようと考えていますか?
どうしましょうかね(笑)。とにかく監督に聞こうかな、と。でも原作を拝見して、今まで演じた役の中で「一番イケメンに見えない役」にしようとは思いました。二階堂のイケメン部分を出すシーンが最大限に活きるよう、普段の二階堂を別人にしたいと思っています。別の役者が演じているように見せたいですね。
『先生を消す方程式。』もそうですが、
二面性とご縁があるんですね。
そうなんですよね(笑)。でも、極端な二面性って演じやすいんです。ギャップを簡単に見せることが出来るので分かりやすいですし。例えば、ピーマンが嫌いでリンゴが好きだったら、ピーマンの前でする顔とリンゴの前でする顔は全く違うじゃないですか。食べた時の表情だって全然違うだろうし。その対象が人になっただけなので、僕自身はあまりやりにくさを感じたことはなくて。その狭間、真ん中が一番難しいと思います。「怒っているのに泣いている」とか「泣いているのに怒っている」とか、どっちつかずの二面性は本当に難しい。今回は簡単にはいかないタイプの二面性な気がしています(笑)。
どんな二階堂になるのか、今から楽しみです。
高校生の日常を描いている今作ですが、
高橋さんの高校生活のあるあるって?
僕は調理師学校に通っていたので、普通の高校生活のあるあるじゃないんですが…。調理学校に通っている人には共感してもらえると思うんですけど、僕たちにとって調理実習は運動会に等しいイベント(笑)。気合の入り方が違うというか。調理実習とは言え試験なので、順位がばーっと出るんですよ。で、一位から三位までに名前が載れば安泰(笑)。先輩に後輩にも順位を見られるので、とにかくその順位に入るために必死で頑張っていました。
調理実習って私のイメージだと、
普通の授業とは違うちょっと楽しい時間でした(笑)。
めちゃくちゃ本気なんです(笑)。かつらむき1mとか、魚をさばくこともありますし、チャーハンや麻婆豆腐を作る時は本当に中華鍋を振らないといけなくて。世間一般の「高校生らしいこと」は何もしてこなかったんです(笑)。だからこそ、現場では高校生役を楽しませてもらっています。
遅れてきた青春ですね。
では最後に『夢中さ、きみに。』への
意気込みをお願いします。
漫画原作を演じさせていただくのは初めてですが、二階堂明役として選んでいただいた以上は、ファンの皆さんが想像している二階堂明を最大限に表現出来るように演じたいと思っています。僕自身、まだ悩み悩みでいっぱいな部分もあるのですが、全力で面白く、可愛さあふれるキャラクターとして表現していくつもりです。楽しみに待っていていただけると嬉しいです。
高橋文哉 ファースト写真集『架け橋』
発売日:2020年12月26日(土)
価格:2,500円(税別)
仕様:A4判・並製・128ページ
ISBN :978-4-8470-8334-1
撮影:田尾沙織
高橋文哉
たかはし ふみや
2001年3月12日生まれ。
日々に漂う“学びの種”を見事なまでに吸収し、
核心を見失うことなく変幻自在に心を開展させる19歳。
ドラマ特区「夢中さ、きみに。」
1月7日(木)よりMBS、tvkほかにて放送スタート
MBS:毎週木曜24:59~
tvk:毎週木曜23:00~
MBS放送後TVer・MBS動画イズムにて見逃し配信。
原作:和山やま『夢中さ、きみに。』(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
監督:塚原あゆ子、高野英治、宮崎萌加
脚本:喜安浩平、濱田真和
出演:大西流星(なにわ男子 / 関西ジャニーズJr.)、高橋文哉 他
※Item Credit
Jacket: ¥20.000
Pants:¥15.000
以上2点ともに(AMALA)
その他スタイリスト私物
(お問い合わせ先)
AMALA (090-7824-0328)
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ディレクション:半澤暁
ページデザイン:古里さおり
インタビュー・記事:満斗りょう