渡邊圭祐
ドラマ『あなたの恋人、強奪します。』
ヒナコのセリフには共感できるところがたくさんある
放送中のドラマ『あなたの恋人、強奪します。』(ABCテレビ 毎週日曜よる11時55分~/テレビ朝日 毎週土曜深夜2時30分~)に、主人公・皆実雛子(ヒナコ)の相棒として働く浅沼陽介役で出演している渡邊圭祐さん。本作における役ヘのアプローチ法や、撮影現場でのほっこりエピソード、タイトルにちなんだお話など、限られた時間のなかで最大限に答えてくださりました。
©ABC
<あらすじ>
「オフィスCAT」は、“恋人と穏便に別れたい”“何らかの目的を持ってほかのカップルを別れさせたい”という依頼に対して、特定の男性を合法的に強奪する探偵事務所。社長で探偵のヒナコ(武田玲奈)は、弁護士を目指す陽介を相棒に、依頼達成率100%を誇っている。そこへ、恋人の過剰な嫉妬と暴力に悩み、藁にもすがる思いで連絡をしてきたのが、不動産営業で働く早川梨沙(渡邉美穂)。やむにやまれぬ恋愛のもつれを体を張って解決へと導く、ヒナコと陽介の“痛快な強奪劇”がついに始まる――!
渡邊さん演じる陽介は、法律やインターネットに強い便利屋で、主人公・ヒナコの相棒という役どころ。演じる際に、どんなことを心がけていましたか?
最初に台本を読んだ段階では、陽介のイメージがつかめなかったというか、いろんな方向に振れる役だなと感じたんです。明るいキャラクターでもいけるし、好青年みたいなキャラクターでもいけるし。それに、ヒナコとオフィスCATで一緒に働きながら、彼女を見て仕事に対する姿勢を学んでいったはず。であれば、自ずとヒナコに空気感が似てくるかなと思ったので、撮影現場で武田さんの作り上げたヒナコを見ながら、陽介の温度感なり空気感なりを決めていきました。さらに、そこがブレないように心がけました。
なぜ、そこを芯にしようと?
ドラマの前半では、陽介はオフィスで仕事をしている姿がメインになるんです。物語が、(オフィスCATを訪れた)依頼人との会話に重きが置かれているので。そういう場面での、仕事に対するプロフェッショナルさみたいなものは、武田さんの演じるヒナコから受けとるエッセンスを大事にしたいなと思ったので。
実際に武田さんとシーンを演じてみて、どんなエッセンスを受けとりましたか?
感情の動きをつかみづらくしている壁が何枚もありながらも、温かみのあるキャラクターを作り上げている印象がありました。でも、陽介はそこまでヒナコのことをつかみきれていない感じで演じたいなと思ったんです。そこまでまだ深く潜れていないというか。逆にヒナコは、人間の深いところまで見ることができるからこそ人の分析ができるっていう、そこの差を出したくて。ホントにものすごく細かいところなんですけど。
その差を出すことが、後々の展開に影響を与えるというでしょうか。
ドラマの後半では陽介のパーソナルな部分というか、“意外と情に厚いところもあるんだな”みたいな部分が垣間見えたりするんです。例えば第1話の、梨沙がオフィスCATに入ってきてからの対応とか。たしかに冷たい態度に見えるんですが、梨沙に必ず最後に声かけているのは陽介だったりするので。そういうところで“冷たすぎないやさしさ”みたいな、上司としての恩情みたいなものは持っていたいなと思ったんです。
梨沙が入ることで、オフィスCATにも変化が?
そうですね。それに、陽介を作るうえでも影響を受けました。梨沙って、どうあがいても明るいキャラクターになってしまうんですよ(笑)。だから、それ以外に振るのは難しいのかなと思って。だったらもう、“明るい”担当は梨沙にまかせちゃおうと。
ヒナコと陽介のやりとりも、この作品の見どころの一つかと思います。“現場でやってみたら、台本を超えるおもしろさが生まれた”といったシーンはありますか?
なんでもストレートに言い合う、みたいなシーンとかは……どうなんだろう?台本よりおもしろくなっているかはわからないですが、監督がドライのときにめちゃくちゃ笑っていたので、まぁよかったんじゃないかなと思います(笑)。
監督の反応が一つの指標になる?
一つというか、僕のなかでは一番大きな指標ですね。以前ご一緒した俳優さんから、自分の芝居が終わった後にモニターをチェックしにいったら、監督に「OKかどうかは俺が決めるから、(モニターを)見る必要はない」と言われたという話を聞いたことがあって。たしかになと思ったんです。だって、映画とかドラマとか、映像に対して僕なんかより全然、ありえない熱量を注いできた方たちで、もちろん映像のこともよくわかっていらっしゃるじゃないですか。自分の表現できていないところを確認するためにモニターチェックをするのはいいことだし、やるべきことだと思いますが、とはいえ、監督がOKならOKなのではなかろうかと。
なるほど。
監督は、笑ってくれても僕らがやりすぎているときはちゃんと言ってくれるし、もうちょっとテンションを上げてほしいと思ったら、そういうオーダーが必ず入るので。そこには絶対の信頼を置いていました。
監督とは、陽介という役についてどんなお話をしましたか?
衣装合わせのときに、陽介というキャラクターの、後半に明らかになる部分について話しました。司法試験に3回も落ちているということは、すごくしっかりしているように見えるけど、どこかに欠陥があるはずだから、みたいな。あとは、現場でその都度話し合いながらでした。
その欠陥は、後半になって明らかになっていくのでしょうか。
そこは、最後のほうの話にもちょっとからんでいるので言いづらいんですが、ずっと見ていくとわかってくるんじゃないかなと思います。
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渡邊さんは、撮影現場で共演者のみなさんと積極的に交流を持つタイプですか?
交流を持つようにしています。そのほうが信頼が生まれて、一緒にお芝居をするときに、お互いに身を預けられるような気がするんです。人となりがわからないと、例えばひっぱたくシーンでちょっと遠慮しちゃったりとか。そこをがっつりいけるかどうかで、画の温度感って変わると思うので。仲よくなれる限りは仲よくなりたいですね。
では、今回の現場でもみなさんと仲よく。
そうですね。僕のなかでのラインは超えたつもりです。
ご自身なりのラインがあるのですね。
はい。いい感じに距離を縮められたんじゃないかなと思います。最初から最後まで、とてもいい空気感で撮影が進んだので。
お昼休憩なども、一緒に過ごしたりとか?
基本的に弁当は一緒に食べていましたね。撮影中、「次のカットの準備をするので、そのまま現場でお待ちください」という時間があるんですが、その間、オフィスCATのセットにデスクがあるんですけど、そこでみんなでしゃべったりとか。今回はゲストの方が多かったので、その方も交えて。でも、そこではめちゃくちゃ盛り上がるのに、控え室に戻ってメインキャスト3人でごはんを食べるときは、誰もしゃべらないんですよ(笑)。
みなさん、それぞれの時間を持っている感じでしょうか。
そうですね!みんなマイペースなんだと思います。じゃあ、まぁいいかと思って、僕は黙々と食べていましたけど(笑)。でも僕のなかでは、やっぱり(渡邉)美穂さんがめちゃくちゃ不思議で。すごく気遣いの人だというのはわかるんですが、最後までつかめなかったです。
というのは?
ある日、お昼休憩前に撮影をしているとき、みんなで「めちゃくちゃおなかすいたね」という話をしていたんです。その後、お昼休憩になって弁当をとりにいったら、オムライスと他の種類の2種類あったんですよ。僕が悩んでいたら美穂さんが来て、「わーっ!私、ちょうどオムライスを食べたいと思ってたんです」と言ってオムライスを選んだんです。そのまま控え室に行ったんですけど、美穂さんがスマホをいじり始めて。そのオムライスを食べたの、40分後とかだったんですよ。えっ、めっちゃおなかがすいていて、しかもオムライスの気分だったんじゃないの!?って(笑)。
(笑)。では、本作のタイトルにちなんで……今、“強奪したい”と思うくらいほしいものはありますか?
車!僕、もう2年ぐらい車を買うのをガマンしているんですよ。占いで「2023年は大事故を起こすから、車を運転しないように」と言われたから。でも、2024年になって効力が切れたので、やっと買える!と思って。
車を買ったら、まずどこへ行きたいですか?
千葉県ですね。
その理由は?
ゴルフ場がいっぱいあるので。といっても、僕はゴルフをやらないんですけどね(笑)。
えっ!?
いや、まだやっていないんですけど、これから始めようと思って。
改めて、本作の見どころを教えてください。
今回、依頼人ごとにいろんな恋愛模様が描かれているんです。なので、一つの作品なのに何本も恋愛ドラマを見たような気分になれると思います。変装をした武田さんもステキなので楽しみにしてほしいですが、この作品は、人間関係の築き方とか学びになる部分もすごく多いと思います。ヒナコのセリフだったりには共感してもらえるところがたくさんあると思うので、ぜひご覧ください。リアルタイムで、ぜひ!
渡邊圭祐
わたなべ けいすけ
1993年11月21日生まれ。
黒の衣装に身を包みスマートに現れた渡邊さん。表情一つで写真の雰囲気をガラッと変えるので、ポーズが似ていても全く受ける印象が違う写真を撮影させていただきました。またとってもスタイルが良く椅子に腰をかけても、立って撮る撮影でもどの角度を切り取っても抜群のスタイルと変幻自在の表情で素敵な写真を撮ることができました。朝から多くのメディア取材があり最後の方に取材をさせていただきましたが、疲れた表情一つ見せず最後までかっこいい渡邊さんでした。
最近の出演作に、テレビドラマでは、TBS『すっぴんヒーロー』(‘24)、WOWOW『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~ 第1話「出来ごころ」』(‘23)、映画では、東宝『わたしの幸せな結婚』(‘23)、そして、5月には、映画、「三日月とネコ」、4月期テレビドラマで、テレビ朝日『あなたの恋人、強奪します。』、テレビ東京『95』、NHK『大河ドラマ 光る君へ』に出演。
©永嶋恵美・徳間書店/ABC
「あなたの恋人、強奪します。」
出演:武田玲奈 渡邊圭祐 渡邉美穂 駒木根葵汰 他
原作:永嶋恵美『泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。』(徳間文庫)
脚本:我人祥太、花田麻衣子
監督:本田隆一、牧野将、松﨑亮磨
音楽:牧戸太郎
プロデューサー:寺川真未、堀尾星矢、栃原紫帆、玉江唯(UNITED PRODUCTIONS)
制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
制作著作:ABC
ABCテレビ(関西)毎週日曜よる11時55分
テレビ朝日(関東)毎週土曜深夜2時30分
※ABCテレビでの放送後、TVer・ABEMAで見逃し配信!
※ほか地域でも放送予定
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:木内真奈美(OTIE)
スタイリスト:岡本健太郎
インタビュー:林桃
記事:林桃/有松駿