加藤清史郎
ミュージカル
『BE MORE CHILL(ビー・モア・チル)』
スタッフの作品愛に感化されて、
僕もどんどんこのミュージカルに
入り込んでいる
アメリカのオフ・ブロードウェイ公演で大成功を収め、オン・ブロードウェイ、イギリスのウエストエンドでも話題沸騰となった『BE MORE CHILL』がついに日本で公演される。今年のトニー賞で作品賞を受賞した『A STRANG LOOP』も手がけるなど、今最もホットなスティーヴン・ブラケットが手がける作品で、高い注目を集めている。加藤清史郎さんが演じるのは同作の人気の火付け役となった楽曲『Michael in the Bathroom』を歌うマイケル。世界が注目するミュージカルのキーパーソンを担うこととなった加藤さんに、作品への想いをインタビューしました!
<あらすじ>
舞台はニュージャージー州のとある高校。
この高校に通う主人公ジェレミー(薮宏太)は、人と接することが苦手で引っ込み思案な性格。そんな彼にも密かに想いを寄せるクリスティン(井上小百合)という女の子がいました。ジェレミーは、想いを伝えるどころか話しかけることもできず、どうしたら彼女に近づけるのかひとり悩んでいました。
そんなある日、学校のいじめっ子がジェレミーに、日本で開発された「SQUIP(Super Quantum Unit Intel Processor)」という錠剤を勧めます。この薬を炭酸飲料水と一緒に飲めば、カプセルの中に入っている小型スーパーコンピューターが脳を刺激して、自分でも考えれないような大胆な行動ができ、今までの引っ込み思案な自分から脱出して、学校の”人気者”になれるということだったのです。最初は得体の知れない物体と疑っていたジェレミーですが、親友のマイケル(加藤清史郎)に相談し悩んだ末、飲むことに。
早速SQUIPを飲んだ次の日、今までの引っ込み思案な性格が嘘だったかのように、明るく元気で誰とでも仲良く話す正反対の性格へと早変わりしたのです。そんな学校で注目される人物となり、人気がでてきたジェレミーは、次第に思考回路や行動が擬人化したSQUIPに乗っ取られていき、人生が空回りし始めていくのでした……。
今作への出演が決まった時の感想をお願いします。
『BE MORE CHILL』というとてもホットな作品のアジア初演のキャスト、しかもあのマイケルを演じさせていただけるといこともあって、感慨深かったです。この作品の人気の火付け役でありビルボードのチャートにも入った『Michael in the Bathroom』をアジアで初めて僕が歌うということもあり、責任重大だなと感じましたね。楽しみな気持ちと不安が入り混じった気持ちになりました。
演じられるマイケルについては、
どのように分析して受け止め、
表現したいと思っていますか?
今作は元々アメリカで公演されていて、オリジナル演出のスティーヴン・ブラケットさんが今回日本初演のために来日して今、指導に来てくださっているんです。そこに身を委ねつつ、色々と話し合ってマイケルを作り上げていきたいと思っています。日本語と英語で言葉の意味合いが大きく変わってきたりするので、英語版の台本と日本語版の台本を照らし合わせながら、マイケルがどういったニュアンスで言葉を発する人なのか、ジェレミーに対してどういう役割でどう接しているのかなどを、稽古の中で掴んでいきたいです。
現在は歌とダンスの稽古をされているとのことですが、どういった雰囲気になりそうでしょうか?
「とにかく楽しい作品になる」というのが凄く伝わってきます!オフ・ブロードウェイ発祥ということもあって舞台はそこまで広くないのですが、とても現代的なセットになっていて面白いです。あと僕がマイケル以外にもさまざまな役を演じる予定で、それも初めての経験なので新鮮です。
マイケル以外の加藤さんも
見られるということですか?
そうですね。今ちょうど稽古しているところでは僕、JKです(笑)。バックコーラスにも参加しているので、本当に作中ではずっと歌っています。
少人数の舞台ということもあり、
共演者の方々とのチームワークが
重要になってくるのではないでしょうか?
まだ数回しかお会いしていないのですが、ダンスがかなり激しいということもあって、まるで部活動のような雰囲気で稽古をさせていただいています。とにかく皆さん、歌がお上手で。この作品はかなりアメリカンなノリノリのミュージカルなので、割と自由にアレンジを入れられるんです。なので毎回、そう歌うんだ!という驚きがありますね。ダンスの稽古の時も、振付師の方の熱量がすごくて。この作品への愛が伝わってくるんですよね。このフリはこの作品の醍醐味だから絶対に決めて!みたいな。そういうところに感化されて、どんどん作品に入り込んでいる自分がいます。
役者としてどんどん成長されていますね!
加藤さんは今後、
挑戦してみたいことは何かあるんですか?
今までやったことのないことには、何でも挑戦してみたいと思っています。新たな挑戦を積み重ねていけば、人間性や生活が豊かになると思うんですよね。具体的に言えば、今はバンジージャンプとスカイダイビングに挑戦してみたいです(笑)。
最後に作品の見どころをお願いします!
アメリカの高校を舞台とした、とてもエネルギッシュな作品なので、見ていて凄くテンションが上がると思います。キャッチーでテンションの高い音楽を楽しんでいただくのと同時に、「自分が本当に求めていたものは何か」に迫るストーリーにも注目していただきたいと思っています。でもやっぱりミュージカルなので、ワイワイしながら楽しく観ていただきたいです!
加藤清史郎
かとうせいしろう
とても礼儀正しく、爽やかな加藤さん。スタッフ一同、大きくなったなぁという親戚のような気持ちで取材させていただきました!お話上手で、しっかりと目を見て答えてくださった加藤さんのその目力には魅了されました。撮影では大人っぽい加藤さんのギャップに驚かされました!
ミュージカル『BE MORE CHILL(ビー・モア・チル)』
2022年7月25日(月)〜8月10日(水)
新国立劇場 中劇場
【福岡公演】
2022年8月20日(土)・21日(日)
キャナルシティ劇場
【大阪公演】
2022年8月27日(土)〜29日(月)
COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
原作:ネッド・ヴィジーニ
脚本:ジョー・トラックス
音楽/歌詞:ジョー・アイコニス
演出:スティーヴン・ブラケット
振付:チェイス・ブロック
出演: 薮宏太(Hey! Say! JUMP)、加藤清史郎、井上小百合、木戸邑弥、内海啓貴、斎藤瑠希、ダンドイ舞莉花、ラリソン彩華、ブラザートム、横山だいすけ
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:金田紗世子
スタイリスト:カワセ136
ディレクション:半澤暁
インタビュー:山根将悟
記事:山根将悟/近谷奈生