【サンダードラゴン】
伊藤壮吾×田中洸希×池田彪馬
×松村和哉×柴崎楽
9人もの人数でフォーメーションダンスを行っているからだろうか。とにかく「視野の広い人たちだな」と思った。きちんと見て、確認して、今自分が何をするべきで何を求められているのかを呼吸を合わせて具現化してゆく。しかしその流れはとにかく自然。「僕、見てます!分かってます!」という主張は一切なく、気づけばそれを「してくれている」。並大抵の十代が出来ることではないと思った(少なくとも私は出来なかった…)。群れで飛ぶ鳥がぶつかることがないように、このドラゴンたちも一糸乱れぬ飛行を続けてきたのだと再認識させられた。そして、その先で待つ空の色とは?大きく翼を広げる 5人のトークをお聞きください。
2020年、どんな1年でしたか?
「今までで一番新しい1年」
池田:生きてきた人生は僕らまだ短いですけど、その中でも今までで一番新しい1年だったよね。分かりやすく全てが新しくなった。何から何まで。人間が人類規模で試された1年だったと思います。
松村:いろいろ気づいた1年ではあったよね。「配信で出来ることって多いんだ」とこの状況になるまでは気づかなかったですし。やってみて幅も広がったと思います。
初めての経験が多かったと思うのですが
覚えているハプニングなどはありますか?
「現実には勝てないオンラインの壁」
池田:オンラインで会議をするのが新鮮は新鮮だったんですけど、自分的には合わないなと思いましたね(笑)。
田中:やりづらいよね。回線状況で何言ってるか分からない時もあるし(笑)。ちゃんと聞けないのが悲しくなりました。普段であれば、打ち合わせの時は僕らだけの空間を作ってやってもらっているんですけど、オンライン会議って家じゃないですか。プライベートなので騒がしい音が聞こえたりして集中できないこともありましたね。
伊藤:同じ空気吸いたいよね。
田中:めっちゃ変態みたいじゃん(笑)。
伊藤:やっぱり壁は感じました。現実には勝てないな、と。
FAST:久々に再会された時はどんな風になるんですか?
田中:でも、正直「久しぶり~!」とはならなかったです。やっぱりリモートで顔を見ているので。唯一俺らがびっくりしたのは楽の身長が急に伸びていたこと。
柴崎:確かに。急に伸びた。
田中:俺の身長を抜かしてたんでそれだけはびっくりしましたね。
ファンの皆さんとの関わり方も変わった1年。
何か発見はありましたか?
「画面越しでも感覚は共有できる」
松村:5周年記念の配信ライブを通して「画面越しでも“情熱”って感覚として共有できるんだ」と思いました。よくよく考えてみたら僕たちだって好きなアーティストの方のライブ映像を観て感動しているわけで。それと同じで感覚共有が出来る時代なんだと気づかされましたね。
FAST:そんな中でもファンの皆さんに会っていた時が恋しくなることって…
一同:それはすごいありました。
松村:訴えかけてレスポンスが返ってこないのは、やっぱりちょっと寂しいです。
田中:今まではお客様を入れてライブをするのが当たり前だったので、オンラインライブとなるとどうしても慣れない部分はありましたね。だからこそ、皆さんには「オンラインならではの楽しさを届けよう」と思いました。新しいことにもたくさん挑戦出来ましたし、今の状況をどんどんプラスに捉えていってみようかなって。
新しい試みを多くされてた皆さん。
今後やってみたいことはありますか?
「“見せ方”の発想が広がった」
池田:個人的に思ったのは、いろいろなアーティストの方がオンラインライブをされている中で、今の時代においては「オンラインライブがもはや一つの表現法になったんだ」ということ。この先ファンの方と対面でライブが出来ることになっても、一つの手法としてオンラインライブは残ると思うので、そこはあえてオンラインライブでしか出来ないことを実現するために利用出来たらいいのかな、と思います。
FAST:オンラインライブでしか出来ないことって結構ありますよね。
池田:そうですね。実際に廃工場でオンラインライブをしてみて思いました。ファンの方を入れた状態では絶対に行えないライブでしたし、廃工場以外にもそういった場所っていろいろあると思うので探していきたいな、と。あとはMVを生放送で撮影する、というのも面白そう。いろんな見せ方の発想がこの期間を通して広がった気がします。
松村:今回e.p.制作が決まって、自分たちで「こうしたいです」という意見を言うようになりました。今までは思っていることはあっても、それを9人全員で話し合うことはなかったんです。みんなで初めて制作に関して話し合って、それぞれが考えていることをちゃんと知ることが出来て。メンバーみんなでディスカッションをして生み出した作品には全員の想いがしっかりとのるはず。そんな想いで作品を作っていきたい気持ちはすごくありますね。
FAST:これからも自分たちでクリエイティブな部分をやってみたい想いは芽生えましたか?
松村:今回メンバーが振り付けしてくれた曲もあって。そういったものって「こいつこんなこと思いながら作ったんだろうな」とか考えることが出来ますし、自分たちで頑張って想いをのせた曲だからこそ深いところまで楽曲に入り込めるんですよね。シンプルに自分たちが携わったものには自然と「自分たちらしさ」が加わるので、一段階表現として高いところにいけるのかな、と。そう考えるとこの先も制作に携われる機会があれば、積極的に関わっていきたいと思います。