世古口凌
スーパー戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』
タイミングの追い風を味方にする
世古口流・歩みの進め方
「前に進む」。その表現には“ガムシャラに”とか“一心不乱に”とか、そんな勢いのある言葉が付随しがちだ。しかし「前に進む」というのは、何もそういった“勢い”と共に足を踏み進めることだけを表す言葉ではない。世古口さんの冷静かつ正直な考え方に触れ、そう思った。時には「急がば回れ」が最良の結果をもたらし前に進めることだってある。そして「回る」ことが出来るのは自分自身から目を逸らさず、とにかく対話をし続けた人だけ。心地好いストイック性を秘めた世古口さん流の“目標”への進み方と『機界戦隊ゼンカイジャー』のお話をたっぷりとお伺いしました。
スーパー戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』
<あらすじ>
『機界戦隊ゼンカイジャー』は、この世にたくさん存在する“並行世界”をすべて手中に収めようとする敵に“全力全開”で立ち向かっていくヒーローたちの活躍を描く物語。とてつもなく巨大な魔の手が、主人公が住む世界にも忍び寄ってきたその時、正義の心をもって立ち上がるのが1人のヒーロー・ゼンカイザー。そして彼とともに戦う4人の仲間は、なんと“機械生命体”…いわゆるロボット!?そう、本作は1人の“人間”ヒーローと4人の“ロボ”ヒーローが主役というこれまでにない斬新なスーパー戦隊なのです!
<ステイシー>
『機界戦隊ゼンカイジャー』× 世古口凌
出演が決まった時は本当に嬉しかったです。スーパー戦隊シリーズは俳優をやる上で目標とする仕事の一つでもありますし、好きな俳優の先輩方も出演されている作品なので「絶対に出なきゃ」と思っていたんですよ。そして「出演のタイミングがすごく大事だ」とも思っていて。きっと2、3年前の自分だったら出演しても意味がなかったと思うんです。今回、出演にちゃんと意味を見出せるよう、約2年間、戦隊作品に向けての準備を自分なりに続けてきました。目標としていたタイミングで出演させていただけることになり、ありがたみを感じながら撮影に挑んでいるところです。
2、3年前の時は「出たい」という気持ちより
「今じゃない」という気持ちの方が
大きかったんですか?
そうですね。自分に自信もなかったですし、バタバタしていて自分が何をどうすればいいのか分からない状態だったんです。そんなタイミングで出ても意味がないと思っていました。その当時から「自分の信じた道を進んでいって、その先で戦隊シリーズに出演する」といった計画はあったんですが、周りからは「そんなに上手くいく世界じゃない」という言葉をかけられることもあって…。正直、自分の中で模索した時期もありました。
今回、オーディションを通して
「世古口さんのための役が用意される」という
異例の大抜擢だったとお伺いしました。
そのお話を聞いた時の感想を教えてください。
今回の戦隊は人間が1人しかいないという構成なので、当然、合格の倍率も高いわけじゃないですか。しかもオーディション時に受けていた仕事の関係もあって「主演は違うんだろうな…」と思っていたんです。「今回も(オーディション)受けられないのかな」と思っていたんですが、タイミング的に「今しかない!」と思って無理を承知でオーディション書類を提出させていただきました。主演じゃなくても何かの役に引っかかればいいな、と思いながら。そう思いつつオーディションを受けた結果、プロデューサーの方などが僕を見て役を作ってくださったと伺って嬉しい限りでした。
撮影現場には途中からの参加だったと思うのですが、
緊張感などはありましたか?
6話からの出演だったので撮影も途中参加だったんですが、特に何も考えることなく割とスッと現場にインした気がします。普通に撮影に行って「こういった感じなんだ、楽しいな」と。クランクイン時は他の仕事と並行での撮影だったので「体力的にバランスを考えてやらないといけないな」と、そこのバランスを取るのが唯一大変でしたね。今ある大事なものを一生懸命に頑張りながら、新しいことを調整していくことの難しさを実感しました。ただ、結果的にはどちらも楽しくできましたし、スケジュール的にこの作品の撮影に集中できる期間に入ったので、ここからはさらに『機界戦隊ゼンカイジャー』を詰めていきたいと思います。
目標でもあったスーパー戦隊シリーズの撮影で
興奮したことはありましたか?
変身アイテムを手にした時はめちゃくちゃ興奮しました(笑)。「戦いに加わることの出来るキャラクターだといいな」と思っていたので、台本に早速変身のシーンがあって嬉しかったですね。衣装合わせの時に変身後の衣装も見せていただいたんですが、そこでも「うわ~カッコイイ!」と興奮して (笑)。あと、個人的に闇の雰囲気が好きなので、今回のキャラクターに関しては自分の好きなタイプと合っていて尚更嬉しかったです。
では、そんな闇のエッセンスがあるステイシーの
役柄について教えてください。
ステイシーは大きな括りでいうと敵側なのですが、悪の中でも自分なりの正義をきちんと持っている子なんです。ステイシー自身は「自分が正しい」と思っているので、ある意味、彼自身は正義にのっとって行動していると言いますか。一言で言うと闇の正義、いわゆるダークヒーロー的存在。最初に役柄を言われた時にも「ダークヒーローだよ」と言われて、すごく嬉しかったのを覚えています。
ダークヒーロー、めちゃくちゃカッコイイですね(笑)。
ただ、一筋縄ではいかない“闇の正義”は難しそうな気も…
確かに難しいです。あと、撮影に関しても、特撮の撮影は普段の映像の芝居とは少し違う面があって。映像の芝居の時は、声のトーンや仕草などを割とナチュラルめに出すようにしているんですが、今回もその感覚で芝居をしていたら「それじゃ聞こえないよ、分からないよ」と指摘されて。その時に「確かに子供が観るには分かりづらいよな、分かりやすくすることが大事なんだ」と学びました。そしてそれこそが“特撮の芝居”なんだな、と。舞台の芝居ほどではないものの、舞台の芝居から少し引き算するくらいの意識が丁度いいのかも、と考えて撮影に挑んでいます。そう考えると、準備してきたことがすごく役に立っていると感じますね。
着実に目標を叶えていく世古口さん。
この先やってみたいお仕事や
叶えたい目標はありますか?
俳優業としては、この戦隊に1年間しっかりと集中して、そこで得たものを抱えて旅立った先で新しい仕事に出会いたいと思っています。あとはバラエティー番組にも出てみたいですね。今の時代は何にでも挑戦できると思うので、楽しいことを見つけたら全力でそれを楽しみたいです。
Message From Ryo Sekoguchi
今、僕がここにいることが出来るのはずっと前から応援してくれているファンの皆さん一人ひとりのおかげだと思っています。皆さんの存在こそが僕の心の支えです。これからもずっとついてきて欲しいですし、活動の場を広げることで恩返しをしていきたいな、と思います。今は画面越しに自分の姿を見せることが一つの恩返しだと思っているので、楽しみながら変わっていく姿を皆さんにお見せしていきたいです。そして『機界戦隊ゼンカイジャー』で僕を知ってくださり、“世古口凌”を目に留めていただいた皆さん。作品を楽しみつつも僕のことを調べてくださったら嬉しい限りです。
世古口凌
せこぐち りょう
1996年11月5日生まれ。
自己に対する鋭い嗅覚でタイミングを察知しながら、軽妙な足取りで景色を楽しむ“瞳の余裕”が垣間見える24歳。
―Information―
神奈川県出身・167cm/LIBERA所属
2018年TVK「また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ」でドラマデビュー。2020年TX「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」など話題作に出演。自身初の特撮番組レギュラー出演となるスーパー戦隊「機界戦隊ゼンカイジャー」はオーディションで当初の設定にはなかったにも関わらず、世古口凌合わせで新キャラを作りたいと、異例の大抜擢。主人公のライバルとなる、ステイシー役にて出演中。今後益々の活躍が期待される。
テレビ朝日系『機界戦隊ゼンカイジャー』
毎週日曜午前9:30~(一部地域除く)
出演:駒木根葵汰 榊原郁恵
声の出演:浅沼晋太郎 梶裕貴 宮本侑芽
佐藤拓也 ほか
※Team Credit
カメラマン:YURIE PEPE
ヘアメイク:中川恵理(AFLOAT)
スタイリスト:カワセ136
インタビュー・記事:満斗りょう