ゆうたろう
ドラマ「古見さんは、コミュ症です。」
丁寧な役作りで目指す
今を生きる人たちに寄り添う作品
よるドラ『古見さんは、コミュ症です。』で主要人物の一人である長名(おさな)なじみを演じるゆうたろうさん。 個性的なビジュアルや驚異的なコミュニケーション能力など、とにかく癖の強いなじみというキャラクターを、ゆうたろうさんはしっかりと受け止め、紐解き、演じていこうとしていました。個性的という言葉に囚われずしっかりと“長名なじみ”と向き合う姿勢から見えた、作品とファンへの想い。ゆうたろうさんが読み解き、作り上げていく「古見さんとは、コミュ症です。」とはどんな作品なのか? お届けします。
よるドラ『古見さんは、コミュ症です。』
<あらすじ>
誰もが振り向くほど美しい女子高校生・古見さんは、実は人と話すことがほとんど出来ない悩みを抱え続けている。高校生活スタートの初日、古見さんは、平凡で小心者の男子同級生・只野くんと急接近。二人は、ある途方もない目標に向かって、ぎこちなくも健気な一歩を踏み出すのであった。
原作漫画は読まれましたか?
もちろんです。コミュニケーション障害という、一種の現代病をテーマにしているのが新しいなと感じました。全体的に物語はポップに描かれているんですけど、その中で登場人物それぞれが抱える問題をさらけ出せるようになる、という過程も見どころなのかなと思っていますね。
今回演じられる長名なじみには
どんな印象を持ちましたか?
テンションが高くていい意味で周りをかき乱すキャラクターだなと(笑)。でもすぐにファンになりましたね。自分が持っているものだとか、抱えている過去を強みにして高校生活を生きている、「全校生徒が幼馴染み」。全員と仲が良いというのは羨ましいなと。僕は学生時代、どちらかというと狭く深く友達付き合いするタイプだったので。
なじみはコミュニケーション能力が非常に高いですが、
そこは今のゆうたろうさんと通じるのではないでしょうか?
いや、なじみちゃんには敵わないですね(笑)。僕、昔は集団行動も苦手で人と目を合わせることもできなかったんですよ。そこからショップ店員など色々な経験をして、苦手だったからこそ、少しはコミュニケーション能力が進歩した自信はあるんですけど、それでもなじみちゃんには勝てない(笑)。なじみちゃんは常にハイテンションなんですけど僕は基本的にはロウなテンションで、演じる時はスイッチを入れないとできないんですよね。なんで毎回「やるぞ!」 って気合入れてからやっています(笑)。あ、でも初対面の人相手でも割と自由に話せる、というところはなじみちゃんに近づいてきたのではないかと思います。あと、なじみちゃんって女子の制服を着て男子用のネクタイを締めていたりするんですけど、それってシンプルに自分の好きなスタイルを突き詰めた結果だと思っていて。僕もファッションとかメイクに関してはそういった姿勢を持っているので、そこにも親近感を持ちましたね。
監督はなじみ役はゆうたろうさんしかいない、
と仰っていましたよね。
撮影に入る前に監督とプロデューサーとお話ししたんですけど、その時に「ゆうたろう君しかいないんだよね」と言われましたね(笑)。頑張らなきゃ、と思いました。原作をお手本にしつつ、僕が演じる上でどうやったら面白くなるか、などを監督と話し合ったりもしています。作中で過去の描写が少ないキャラクターなんですけど、そこも想像してみたり。今までにないくらい丁寧な役作りの過程がありましたね。ビジュアルで言えば、ミニスカートにニーハイを履くんですけど、普段そんな格好はしないので、ダイエットから始めました(笑)。
SNSでミニスカートとニーハイを
披露されていましたよね!
ちょうど情報解禁のタイミングだったので、みんなをビックリさせたくて。現場でもエライザちゃんから「男子でもつい見ちゃうよね」と言われたりして、これは成功かなと(笑)。今までやったことのなかった太もものケアなんかもしていましたからね(笑)。実写化してなじみちゃんのイメージが崩れた、なんて言われたら悔しいと思ったので、本気でやりました。
今お話に出たエライザさんとは久々の共演になりましたが、
再会したときはどうでしたか?
NETFLIXドラマ「Followers」から2年ぶりくらいですね。プライベートで会うこともあったのですが、最近は今の状況もあって会えてなくて。久々に共演できると分かった時、すぐにLINEしました(笑)。現場でもよく一緒にいます。他の共演者の方々は初めましてだったので、エライザちゃんがみなさんに紹介してくれたりして、すごく安心しました。あんまり歳も変わらないんですけど、僕にとってはお兄ちゃんのような存在です(笑)。イケメンなんですよ。僕は四人兄弟で3人が女の子、エライザちゃんは四人兄弟で3人が男の子で、一緒の人数なんですけど男女比が真逆で。そこの影響なのかなと。兄弟が多くて話が合うんですよね。ほんとイケメンですよ、性格が。僕は弟っぽく甘やかしてもらっています。
主演の増田さんとは今回が初共演ですが、
実際にお会いしてどんな印象でしたか?
増田さんはいい意味でアイドル感を感じませんでした(笑)。柔らかくてトゲトゲしてなくて。話し方もフランクでスタッフ分け隔てなく接していて、雰囲気作りもすごく上手で。現場をリードしてくれていたので、ありがたかったですね。僕の12個上なんですけど初めての高校生役だそうで(笑)。最初、僕は緊張していたんですけど、増田さんのキャラクターでスッと入ることができましたね。お兄ちゃんを超えてパパ、仏ですね。
現場の雰囲気はどんな感じでしょうか?
共演者の皆さん、ギャップがあるんですよね。初共演の吉川愛ちゃんは結構人見知りするタイプなんですよ(笑)。でも徐々に距離が近づいて話すようになると、すごく可愛らしい女性なんですけど、意外と趣味とか好きなものが男らしくて(笑)。第一印象からガラリと変わりましたね(笑)。増田さんはカッコいいよりも可愛い寄りだし、エライザちゃんと愛ちゃんはどちらかと言うとカッコいい寄りで。 ほんと皆さんギャップが凄くて、楽しい現場です。
確かに皆さんイメージとは違ったキャラクターですね(笑)
最後に作品を楽しみにされている皆さんへの
メッセージをお願いします。
リアルタイムで1話を見たんですけど、ポップな雰囲気で進んでいく中で古見さんと只野くんの会話シーンとか、万場木さんの孤独な一面とか、人の弱さという部分が出てきて。ポップな中に人の繊細さが描かれていてその緩急が凄くいいなと。見やすいんですけどメッセージ性も確かに込められていて。今を生きる子たち、まさに学生生活を送っている方たち、楽しんでいる人もそうでない人にも寄り添える作品になっているので、見てほしいなと思いますね。
ゆうたろう
ゆうたろう
1998年6月3日生まれ。
私服でスタイリングし、メイクも自分でしていたゆうたろうさん。撮影の時のポージングがすごく自然体で、気取らない感じが素敵でした。
インタビュー中はしっかりとこちらの目を見て答えてくれて、SNSでのファンとの交流は楽しいし大切な時間と語る姿も好印象でした!
よるドラ『古見さんは、コミュ症です。』
NHK総合 毎週月曜 よる10時45分 放送
原作:オダトモヒト『古見さんは、コミュ症です。』(小学館)
出演:増田貴久 池田エライザ 吉川愛 ゆうたろう 筧美和子 大西礼芳 溝端淳平
※Team Credit
カメラマン:鈴木寿教
ヘアメイク:金田紗世子
スタイリング:ゆうたろう
インタビュー:近谷奈生
記事:山根将悟